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課せられた不自由の中で

東北関東大震災が起こってから、一週間が過ぎた。被災地の状況は依然として深刻だ。今は一人でも多くの人が救出されて、安全な場所に避難されることを祈るしかない。郵便局で募金くらいしかできない自分が、つくづく歯がゆい。

ラダックのブログでも書いたのだが、今、被災地でない安全な場所で暮らしている人たちができるのは、「課せられた不自由の中で、できるだけいつも通りに生活すること」なのではないかと思う。死者を悼む気持は大切だし、被災者の方々を常に思いやることも忘れてはならない。でも、必要以上に不安にかられて縮こまっていては、心がかちこちにこわばって、そのうちぽきりと折れてしまう。これから被災者の方々を支えていかなければならない側の人たちが、そんな状態では話にならない。

計画停電や交通網の乱れ、買い占め(苦笑)による物資やガソリンの不足などは、被災地に比べればちゃんちゃらおかしいレベルの不自由だ。そうして課せられた不自由の中で、家族や友達と話し合ったり、遊んだり、一緒にごはんを食べたりして、できるだけいつもと同じように暮らす。そうすればきっと、気持がふっと和らいで、他人を支える余裕も出てくる。

僕自身、そうした日常の大切さを、今、あらためて噛みしめている。

リンバンテイデン

今日は夕方から夜にかけて、うちの界隈で停電になるらしい。昼からJ-WAVEを聴きつつ仕事に集中していたら、思いのほかはかどった。いつもこのくらい集中できればいいのに(笑)。

停電が始まるはずの時間になったが、まだ通電している。ま、そのうち消えるかもしれないし、と身支度をして外に出て、吉祥寺までぶらぶら歩いていくことに。途中、中道通り商店街にさしかかったところで、市の防災センターのアナウンスで、該当グループで停電が始まったとの知らせ。吉祥寺方面は問題なさそうなので、そのまま駅前に向かい、リトルスパイスでキーマカレーを食べ、ドトールでカフェラテを飲む。店内にはそこそこお客さんがいる。停電夜組の人たちが、同じように時間を潰しているのかもしれない。

同じ停電のグループで自宅にいる人たちが「電気が点いた」とツイートしはじめたので、店を出て、家に戻る。街が暗い分、夜空が澄んで見える。

停電に備えて

昨日の夜は、自分でもびっくりするほど、ぐっすり眠れた。外を歩いていても、街はすっかり平静を取り戻したかのように思える。お店はどこも開いているし、電車も時刻通りに運行していたし。

でも、明日から関東一帯では、電力の供給不足に伴って、計画停電が実施されることになった。各地域で、時間帯別に一日三時間ほど停電になるそうだ。明日は多分、いろんな面で、相当な混乱をきたすのではないかと思う。せめて、停電になる時間があらかじめきっちりわかっていればいいのだが‥‥。

僕の家では、いつも集中して仕事をしている時間帯のど真ん中で停電するので、その時はネットも使えないし、読書でもするしかないかな、と思っている。場合によっては、日が暮れてから停電になる地域もあるかもしれないが、当面、ろうそくは使わない方がいい。余震でろうそくが倒れると、火事につながるので。

もし夜に停電してしまった場合、周囲に話し相手になる人がいないと、たぶん、ものすごくヒマになると思う。そんな時はiPodを用意しておいて、音楽でも聴こう。僕が以前ラダックで暮らしていた時、停電は日常茶飯事で、丸一日電気が来ない日もざらだったのだが、iPodは暗闇の夜を過ごす時の良き友だった。

今度の計画停電がどのくらいの期間続くのかはわからないけど、まずはやってみるしかない。

日本人の底力

余震に何度か起こされつつも、四時間ほど眠ることができた。雲一つない、穏やかな小春日和。様子を見がてら、近所のコンビニに食糧を買いに行く。サンドイッチやおにぎり、弁当の類はきれいさっぱり在庫なし。パンとカップ焼きそばを買う。家に備蓄食糧は十分あるので、必要以上の買いだめはしない。

TwitterとFacebookをメインに、知人たちと互いの安否確認。みんな、おおむね無事に自宅に戻ったようだ。テレビでは、夜明けを迎えた被災地の惨状が次々と映し出されている。瓦礫の山と化した一帯に残った建物の屋上から、ヘリコプターで救助されている人々。どれだけ不安な一夜を過ごしたのかと思うと、胸が苦しくなる。

僕たちは今、第二次世界大戦以来、かつて経験したことのないほどの困難に直面している。日本という国の本当の底力が、これから試されようとしている。今の段階では、被災者の支援は災害救助のプロフェッショナルにお任せするより他にないけれど、今回の被災地が復興するまでには、長い長い時間がかかるはず。その間、同じ日本人の僕たちが、被災者の方々をしっかりと支えていかなければならない。

普段は冷たくてよそよそしくて、他人のことなんて気にしていないと思われがちな日本人。でも、昨日からネットで流れてくる情報を見ていてつくづく感じたのは、本当に多くの人々が、不自由に耐えながら秩序を守り、互いを気遣い、いたわりあっていたことだった。たぶん、僕たち日本人は、思っていたよりもずっと強い国民なのだと思う。

僕たちは、僕たちにできることを、がんばろう。

地震と津波

午後、仕事机でコーヒーを飲みながらメールを書いていると、急に部屋が揺れはじめた。ゆっさゆっさという横揺れ。液晶テレビや本棚も、今にも倒れそうなくらいガタガタ揺れる。これはやばい。いつもと違う。こんな激しい揺れは、今まで体験したことがない。

僕の自宅は一階だし、かなりごつい造りの低層マンションなので、特に壊れたりしたものもなかった。飲みかけのコーヒーがちょっとこぼれたくらい。だが、その後、テレビに次から次へと映し出される悪夢のような光景に、血の気が引いた。燃え上がる石油コンビナート。平野を呑み込んでいく津波。あっという間に瓦礫と化していく家々‥‥。被害の全容はまだはっきりわからないが、日本が今までに直面したことがない規模の災厄に見舞われているのは間違いない。

今感じているのが、自分の身体の震えなのか、それとも余震なのか、それすら時々わからなくなる。

被害に遭われた方々、本当に、くれぐれもお気をつけて。