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開き直り

昼、国立へ。同じ停電グループの友人たちと、夏の家という和食屋さんのお座敷で会食。停電で仕事ができない時間に会おうと集まったのだ。結局、今日は停電にはならなかったのだが。

ひさびさに友人たちと話をしていて感じたのは、今回の一連の災害で、みんな少なからず不安と焦燥を抱えているのだな、ということ。ストレスで体調を崩して、一時帰省していた人もいた(それはそれで、全然ありだとは思うけど)。それに比べて、自分ときたら‥‥開き直りすぎてやしないか? と思わないでもない(苦笑)。

自己分析すると、僕自身は別に度胸があるわけではなく、間違いなくヘタレの部類に属する人間なのだが、ここ数年、インドの山奥で突拍子もない経験を重ねてきたせいで、いつのまにか、自分の中で危険信号が発動する基準がえらく高いところに設定されてしまったらしい。「去年の夏は洪水で死にかけたけど、今の東京は別に‥‥」という感じで、東京で自分が置かれている状況が危険だとは、あんまり思えないのだ。

逃げたくても逃げられない人が被災地には大勢いるのに、東京でおたおたしても始まらない。開き直っていこう。

疎開について思うこと

近頃、巷では「疎開」という言葉がよく使われている。依然予断を許さない状況が続く福島第一原発や、未だに時折発生する余震、計画停電や物資の不足などに不安を感じて、東京から西日本に疎開する人が増えているのだという。

個人的には、今の東京の状況は、あわてて逃げ出さなければならないほどの非常事態とはどうしても思えないのだが、疎開をすること自体は、別に周囲に引け目を感じる行為でも何でもないと思う。実際に危険かどうかは別として、東京から離れることで精神的な安定を得られるのであれば、そうした方がいい。特に、幼い子供を家族に持つ方は、子供の心のケアのためにも、考慮していい選択肢だと思う。

でも、そうして疎開をする人には、絶対に忘れてほしくないことがある。こうしている今も、地震に見舞われた被災地の避難所には、逃げたくても逃げられない状況で、飢えや寒さに耐えながら、それでも必死に生きようとしている人たちがいるということを。

僕は東京で暮らしながら、今の自分にできることをやっていく。

課せられた不自由の中で

東北関東大震災が起こってから、一週間が過ぎた。被災地の状況は依然として深刻だ。今は一人でも多くの人が救出されて、安全な場所に避難されることを祈るしかない。郵便局で募金くらいしかできない自分が、つくづく歯がゆい。

ラダックのブログでも書いたのだが、今、被災地でない安全な場所で暮らしている人たちができるのは、「課せられた不自由の中で、できるだけいつも通りに生活すること」なのではないかと思う。死者を悼む気持は大切だし、被災者の方々を常に思いやることも忘れてはならない。でも、必要以上に不安にかられて縮こまっていては、心がかちこちにこわばって、そのうちぽきりと折れてしまう。これから被災者の方々を支えていかなければならない側の人たちが、そんな状態では話にならない。

計画停電や交通網の乱れ、買い占め(苦笑)による物資やガソリンの不足などは、被災地に比べればちゃんちゃらおかしいレベルの不自由だ。そうして課せられた不自由の中で、家族や友達と話し合ったり、遊んだり、一緒にごはんを食べたりして、できるだけいつもと同じように暮らす。そうすればきっと、気持がふっと和らいで、他人を支える余裕も出てくる。

僕自身、そうした日常の大切さを、今、あらためて噛みしめている。

リンバンテイデン

今日は夕方から夜にかけて、うちの界隈で停電になるらしい。昼からJ-WAVEを聴きつつ仕事に集中していたら、思いのほかはかどった。いつもこのくらい集中できればいいのに(笑)。

停電が始まるはずの時間になったが、まだ通電している。ま、そのうち消えるかもしれないし、と身支度をして外に出て、吉祥寺までぶらぶら歩いていくことに。途中、中道通り商店街にさしかかったところで、市の防災センターのアナウンスで、該当グループで停電が始まったとの知らせ。吉祥寺方面は問題なさそうなので、そのまま駅前に向かい、リトルスパイスでキーマカレーを食べ、ドトールでカフェラテを飲む。店内にはそこそこお客さんがいる。停電夜組の人たちが、同じように時間を潰しているのかもしれない。

同じ停電のグループで自宅にいる人たちが「電気が点いた」とツイートしはじめたので、店を出て、家に戻る。街が暗い分、夜空が澄んで見える。

停電に備えて

昨日の夜は、自分でもびっくりするほど、ぐっすり眠れた。外を歩いていても、街はすっかり平静を取り戻したかのように思える。お店はどこも開いているし、電車も時刻通りに運行していたし。

でも、明日から関東一帯では、電力の供給不足に伴って、計画停電が実施されることになった。各地域で、時間帯別に一日三時間ほど停電になるそうだ。明日は多分、いろんな面で、相当な混乱をきたすのではないかと思う。せめて、停電になる時間があらかじめきっちりわかっていればいいのだが‥‥。

僕の家では、いつも集中して仕事をしている時間帯のど真ん中で停電するので、その時はネットも使えないし、読書でもするしかないかな、と思っている。場合によっては、日が暮れてから停電になる地域もあるかもしれないが、当面、ろうそくは使わない方がいい。余震でろうそくが倒れると、火事につながるので。

もし夜に停電してしまった場合、周囲に話し相手になる人がいないと、たぶん、ものすごくヒマになると思う。そんな時はiPodを用意しておいて、音楽でも聴こう。僕が以前ラダックで暮らしていた時、停電は日常茶飯事で、丸一日電気が来ない日もざらだったのだが、iPodは暗闇の夜を過ごす時の良き友だった。

今度の計画停電がどのくらいの期間続くのかはわからないけど、まずはやってみるしかない。