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汗と塩

タイで取材に明け暮れた日々は、とにもかくにも、暑かった。

灼けつく日射しはチリチリと肌を焦がし、じっとり湿った空気は濡れたシーツのように身体にまとわりつく。最初のうち、汗は文字通り滝のように流れ出るが、こまめに水を補給しないと、汗すら止まって、頭の中がぼーっとかすんでくる。

そもそも、地元のタイの人たちも、一番暑い昼下がりには、むやみに外を出歩いたりしない。取材のノルマを抱えてるとはいえ、そんな暑い時間帯にあくせく外を歩き回ってる僕の方が悪いのだ。

そんなわけで一日が終わる頃には、疲労困憊ぶりも半端なかったので、消耗した分を補うべく、食事はできるだけちゃんと摂るようにしていた。するとそのうち、目玉焼きにふりかける塩とか、ナムプラーの塩辛さとか、そういうしょっぱい味がやたらにうまく感じられるようになった。

無理もない。毎日汗をだくだくかきまくって、しまいには汗もろくに出なくなって、肌の表面からは塩が噴き出してガサガサになっていたのだ。南国では、塩の補給が大切なのだと、身に沁みて実感した。

タイ 旅の断片(2014)

サタデーマーケット、チェンラーイ
今年も九月下旬から約四週間、取材でタイを旅してきた。訪れた街は去年とおおむね同じだったのだが、通常のリサーチ取材に加えて、グラビアで使う写真の撮影のノルマもあって、なかなか大変だった。のんびり気楽に自分の好きな写真を撮るような余裕はほとんどなかったのだが、取材の合間に、あるいは取材の一環として撮った写真の一部を、何枚かここに載せてみようと思う。

最初の写真は、チェンラーイの街で土曜の夜に催される、サタデーマーケットにて。

ひたすら眠い

昨日の朝、タイ取材を終えて帰国した。

約四週間もの間、南国の太陽に灼かれて黒焦げになってた割には、特に大きく体調を崩したりすることもなく、元気に戻ってくることができたのだが、とりあえず今は、ひたすら眠い。昨日は昼寝もしたし、夜も結構どっぷり寝たのに、まだ全然寝足りない。今日は「撮り・旅!」のパネル展の設営などで朝から出歩いてたのだが、夕方頃には、もう歩きながら寝落ちしてしまいそうなくらい、眠くてたまらなくなった。

つーわけで、今日もビール飲んだら、とっとと寝ます。あー、眠い。

北から南へ

ついこの間、アラスカから戻ってきたと思ったら、明日はもう、タイへ出発。去年とほぼ同じ、約四週間の取材。

昨日と今日、あらかじめ準備しておいたチェックリストを見ながら荷造りをしていたのだが、アラスカの時と比べて、あまりにも荷物が少ないので笑ってしまう。たぶん、3分の1かそれ以下。向こうではほぼTシャツと短パン、サンダルだけで過ごすので、服がとても少ない。寝袋もいらないし、もちろんテントもマットレスも、フリーズドライの食料もいらない(笑)。一番重いのは撮影機材だが、アラスカでは重要だったヘビー級の望遠ズームは持って行かないので、ずっとましだ。

とはいえ、いろいろと予測不可能なことが起こりやすいのは、アラスカよりも断然タイだと思う。去年の取材である程度各地の土地勘はあるけれど、体調管理も含め、油断しないようにせねば。

帰国は10月23日(木)の予定。ではまた。

旅装を解く

昨日の夜、アラスカからシアトル経由で日本に戻ってきた。ワンダーレイクで吹雪に見舞われたこと以外、特にトラブルらしいトラブルにも遭わず(雪が降るのも想定内だったし)、僕にしては至極順調な旅だった。

家に戻って、写真のバックアップだけは何よりも先にやらねばならないので、クラクラして寝落ちしそうになりながらも、どうにか昨日のうちに終わらせた。それから10時間くらい前後不覚に寝て、今朝は割と元気になったのだけれど、旅の荷物を整理してしまわなければならないのが、とにかくものすごくめんどくさい。洗濯物もたんまりあるし、テントも汚れを落としておかなければならないし。

ていうか、二週間後にはまた荷造りをして、タイに行かなければならないというのが、何ともせわしないなあという感じである。