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「ひとつの机、ふたつの制服」


三越前にある誠品生活に行った時、壁面の展示でこの「ひとつの机、ふたつの制服」の存在を偶然知り、台湾への旅に出発する前日に、映画館に観に行った。スクリーンで観れてよかった、としみじみ思えた。

舞台は、1990年代後半の台北。熾烈な受験に敗れ、名門女子高の夜間部に進学させられることになった小愛(シャオアイ)は、昼間部の優等生である敏敏(ミンミン)と、同じ机を使う桌友(机友、デスクメイト)として仲良くなる。互いの制服を交換したりして敏敏と学校をサボるなどしはじめた小愛は、バイト先の卓球クラブで知り合って気になっていた青年、路克(ルー・クー)に、敏敏が想いを寄せていることを知る……。

成績や容姿、貧富の差など、90年代の台湾で生きる女子高生ならではのコンプレックスをわんさか抱えている小愛は、咄嗟に嘘をついたり、隠してごまかしたりしながら、その時々の幸せをどうにか守ろうとする。やがてそれらがどうにもごまかしきれなくなった時、ある出来事をきっかけに、彼女は剥き出しの自分自身と向き合い、母親や敏敏との関係を繋ぎ直し、次への一歩を踏み出していく。小愛と敏敏と路克がその後どうなったのか、あえて明確に描かれないままだったのもよかった。

台湾という国に興味のある人には、迷うことなくおすすめできる映画。配信などで観られる機会があれば、ぜひ。

台湾での日々

昨日の朝、台湾から帰国した。マイルで取った特典航空券の枠の関係で、台北からいったん香港に飛び、そこから羽田に飛ぶという、意味のわからないルートでの帰国となった(苦笑)。

約一カ月間の台湾での日々は、気楽ではあったが、いろいろ得たものの多い日々でもあった。シンプルに旅を楽しむ中で、あらためて気づいたこともたくさんあったし、じっくり考えごとをする時間がたっぷりあったのもよかった。おかげで、あれこれ悩んでいたこともすっきり整理できで、気分的にもリフレッシュできた気がする。

行きたい場所に行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、やりたいことをやる。現地の人に負担や迷惑をかけないかぎり、旅はそういうものでいいのだと、あらためて思った。

一カ月ほど、台湾へ

あさってから一カ月ほど、一人旅に出る。行き先は、台湾。首都の台北から、主に台鉄を使って移動し、街ごとに数泊ずつしながら、反時計回りに一周してこようと思っている。

今週に入ってからは、その旅の最終的な準備で、まあまあ右往左往していた。予約するのが難しい阿里山森林鉄路の切符を、一部の区間だけだがどうにかゲットし、それぞれの街で泊まれそうな安宿もおおよその目星をつけ、キャンセル無料のところにはWeb経由で予約を入れた。旅程は今日の時点でもまだ調整しているが、だいたい固まった。最後の三日間は、有休を取った相方と台北で合流して、二人で観光をする予定。

台湾のような国だと、今はWebで検索するだけで、ありとあらゆる情報が手に入る。Googleマップはもちろん、乗換案内のアプリやeSIMのアプリなど、便利なツールも揃っている。そうした情報やツールは、もちろんある程度は準備しているけれど、あまり当てにしすぎないようにしようとも思っている。その日その場所でしか感じ取れないこと、体験できないことを大事にしたい。

とりあえず、標高四千メートルの高地でユキヒョウを撮るよりはラクだと思うので(笑)、ゆるりと行ってきます。

Tai Pei, Kaoh Siung, & Wu Tai

魯肉飯と蘿蔔湯

台湾を旅した時、魯肉飯を食べる機会が何度かあった。

魯肉飯は、さいの目切りにした豚バラ肉を煮込んで、ごはんにかけたもの。台湾には魯肉飯を出す店がそこら中にあるのだが、日本でイメージされているよりもずっと安価で気安く食べられる、汁かけごはんといった感じで出されていた。僕もその気安さがすっかり気に入ってしまって、帰国後、自分でも二度ほど作ってみた。

豚バラは締まりのある国産肉の方がよさそう。最初に八角をごま油でテンパリングし、生姜のみじん切りを炒め、さいの目に切った豚バラを炒める。砂糖、酒、黒酢、醤油、オイスターソースを加え、適量の水を足し、トロ火で4、50分煮込む。フライドオニオンを足すと、とろみをつけやすい。ゆで卵を一緒に入れておくと、いい感じの煮卵になる。煮えたら、炊きたてのごはんを丼によそって、その上にどばーっとかける。好みで花椒を軽く振ってもいいかも。煮卵のほかに茹でた青菜とかを添えると、華やかになる。

甘辛い魯肉飯と一緒に、さっぱり味の蘿蔔湯(大根のスープ)を用意すると、さらにいい感じに。大根は一口大くらいに切り、2、30分ほど煮る。ガラスープの素、ナンプラー、塩、胡椒などで適当に味付けして、最後に青ネギなどを投入すればOK。

魯肉飯と蘿蔔湯を晩ごはんに食べて、食後に台湾蜜香紅茶を飲めば、気分はもうすっかり、あっちの国である。