Tag: Seasonal

風花

昼、都心での打ち合わせのため、外に出かける。冷え冷えとした風に乗って、ちらちらと雪が舞っている。風花というのかな、これは。まだまだ寒い日々が続いている。

今日の打ち合わせは、ガイドブックに載せる地図を作っていただく方との顔合わせ。あらかじめ用意した資料を手渡して、台割に沿ってたどたどしく説明していく。今回担当していただく方は、以前、インド北部のヒマラヤエリアの地図を作った経験があるとのこと。すでに草稿を書き上げたと僕がいうと、えっ、と目を丸くされていた。地図の前に原稿ができているというのは、この世界ではレアなケースらしい(笑)。

編集者さんとも細かいポイントを確認して詰めていく。こうした地ならしが終われば、いよいよ本格的な編集作業が始まる。始まれば始まったで、あちこちを現場合わせで調整していくことになるとは思うけど、大きなトラブルが起きないように、しっかり準備しておかなければ‥‥。

打ち合わせを終えてビルの外に出ると、また、ちらちらと風花が舞っていた。

寒さと湿気

夕方、晩飯を食べるために駅前に出かける。ここしばらく寒い日が続いていたけど、今日はとりわけ寒い。風が冷たくて、まるで氷で肌をなでられてるような気がする。

前にラダックで冬を過ごした時は、それはそれでものすごく寒かった(マイナス20度とか、30度とか)のだが、東京の寒さとは肌で感じる感触がかなり違う気がする。ラダックは、さらさらと乾いた寒さ。東京はどこか湿気のある寒さで、冷気がぞわぞわと沁み込んでくる感じなのだ。うまく言えないけど。

来週は、また寒波がやってくるらしい‥‥。冬眠希望。ま、そんなヒマないんだけど。

東京の雪

朝、何かうるさいなあと思って起きたら、マンションの窓のすぐ外で、また道路工事をやっている。ダダダダダ、と部屋の中のものが震えるくらいの振動で、ラジオの音もまともに聴こえない。こりゃダメだ、と思って、駅前までいくつか用事を片付けに出かける。帰りにスーパーで食材を仕入れ、晩飯に豚汁をたっぷり仕込む。寸胴にいっぱい作ったから、たぶん、あと二食は豚汁でいけるだろう(笑)。

晩飯の後、机に向かって仕事をしていると、暖房をつけているのに、部屋の中が底冷えしてきた。Twitterでみんなが「雪だ!」とつぶやいている。窓を開けると、直径五センチくらいの大きなぼた雪が、ぼたぼた、ぼたぼたと降っていた。地面が、生け垣が、向かいの屋根が、みるみる白くなっていく。

積もりそうだな、これは‥‥。どうなるんだろ、明日。

卒業論文

今の時期、大学四年生の人はそろそろ卒論を提出する頃なのだろうか。自分が卒論を提出した時のことを、今でも時々思い出す。

大学時代、僕は本当に不真面目な学生で、授業もろくすっぽ出ず、評価も「可」に相当する「C」や「D」ばかり。スレスレで単位を取っているような状態だった。西洋史専攻だったので、卒論も何か歴史に関すること(当たり前だ)を書かなければならなかったのだが、思案した挙句、選んだテーマは「グラフ・ジャーナリズムの歴史的展開」。20世紀初頭、新聞や雑誌に写真が使われはじめた頃からの流れを、フォトジャーナリストたちの人生とともにまとめるという目論見だった。歴史といえば歴史だが‥‥(苦笑)。

とりあえず、書かなければ絶対卒業できないということで、資料をあれこれ突き合わせながら、どうにかこうにか3万字ほど書き上げ、年末の〆切までに提出。で、その少し後に、卒論の担当教授との面接審査が行われることになり、僕はなぜか、いの一番に呼び出された。問題児は最初に呼ばれるということか‥‥と、僕はすっかり観念して、研究室のドアをノックした。

ところが、担当教授は思いのほか上機嫌だった。

「山本君、これ、面白かったよ! 特にこの章のこの部分の表現が、洒落てていいね! それからここも‥‥」

え? これ、卒論の審査じゃ‥‥?

「でもね、面白かったんだけど、これにいい評価はあげられないなあ。これは論文というより‥‥読み物だよね!」

僕は椅子からずり落ちそうになった。そっか、論文じゃないのか‥‥(苦笑)。

「まあでも、読み物としては面白かったから、この論文は返却せずに研究室にキープさせてもらうよ。いいかね?」

そんなわけで、僕の「読み物」は無事に単位をもらって、研究室に保管されることになったのだった。今でも、あそこにあるのかな?

二十歳の頃

終日、部屋で仕事。‥‥そうか、今日は成人の日か。

自分が二十歳の頃は‥‥もう本当に何もできない、何の役にも立たないデクノボーで、どれくらいダメかというと、自分のダメさ加減を自分でわかってないくらいにダメなやつだった(苦笑)。それに比べれば、僕が今知ってる二十歳くらいの人たちは、性格もものの考え方もすごくしっかりしてるなあと思う。ちゃんとしてる、本当に。

一方、二十歳から長い年月を経た今の自分はというと‥‥あいかわらず、ミンナニデクノボートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ、という感じ。とりあえず、人様に迷惑だけはかけないようにしなきゃ。仕事、がんばろ。