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冬が来ていた

ここしばらく途切れなく続いていた連絡業務や打ち合わせも、今日になってやや小康状態。午後、ひさしぶりに散髪へ。外は灰色の雲がたれこめ、じめじめと肌寒い。セーターに薄手のダウンを羽織って出かける。

理髪店では予想通り、タイ帰りで妙に日焼けしてることを店員さんにいじられる(苦笑)。特に首の後ろ側のあたりが未だに真っ黒らしい。ともあれ、髪を切ってもらってさっぱりしたところで、まほろば珈琲店まで歩いてコーヒー豆を補充。帰りにたかねでたい焼きをひとつ買い、歩きながら尻尾からかじる。中の餡から湯気がたちのぼる。

交差点での信号待ちの間、両手を上着のポケットに突っ込んで、空を見上げる。冬はもうそこに来ていた。

薄暮の中を

昼の間にタイの写真のセレクトと現像を少し進め、午後の遅い時間に目黒まで出かけて打ち合わせ。東京に戻ってきてからというもの、仕事、仕事で、毎日がやたらせわしない。

打ち合わせ場所の喫茶店から外に出ると、太陽は姿を消し、空は淡い紫色に染まっていた。一日の中で、このほんのわずかな薄暮の時間、地面から影が消えてうっすらと夜が漂ってくる時間が、僕は好きだ。

ひんやりとした空気の中を、フリースベストのポケットに手を突っ込んで、ぶらぶらと恵比寿のあたりまで歩く。温かいラーメンが、すきっ腹にしみる季節になってきた。

気温差

昨日の夜は10時間くらい、たっぷりと寝た。目が覚めると、外は冷たい雨。やれやれと思いながら、傘をさして、昼に食べるパンを買いに行く。寒い。気温は12、3℃くらいだろうか。一昨日までのタイとの気温差、20℃以上。

毎年のことながら、タイはとにかく暑かった。10月は乾季に入りはじめるので、空気は少しカラッとしているのだが、それでも昼の間、ぎらぎらと太陽が照りつける中をカメラバッグを担いで歩き回るのは、かなりしんどい。地元の人たちはみんな日陰で昼寝とかしてるのに(笑)。4週間の間、ずっとTシャツと短パンとサンダル。毎日毎晩だくだくに汗をかき、身体中の汗腺は開ききってザルみたいになってたと思う。

そんな状態で、いきなりこの気温差。僕的には、もうすっかり冬ってことで身構えようと思う。風邪をひかないようにせねば。

金木犀

連休中、というより先週アフリカから戻ってきて以来、ほとんどずっと働きづめだったので、今日は丸一日オフ。昼から昭和記念公園に出かける。

今日のお目当ては、満開になっているというコスモスの花と、以前たまたま食べて以来ぞっこんの五浦ハムのハム焼きだったのだが、思いのほか心を掴まれたのは、金木犀の香りだった。西立川の駅を降り立ったとたん、青空の下を吹き渡る風に乗って、何とも言えない爽やかな匂いが漂ってくる。深く呼吸をして吸い込むと、身体の中の澱みがすっかり洗い流されていくような気がする。

公園内を歩いていると、それこそ至るところで金木犀の木々が花を咲かせている。昔、この公園の設計をした人は、秋になるとこんな風に金木犀の香りがたちこめることを想像していたのだろうか。だとしたらその人に、こんな清々しい気持にさせてもらったお礼を言いたいような気がした。

カビとの戦い

海外取材で家をしばらく留守にする時、一番神経を使うのが、カビ対策。

今住んでいるのはマンションの一階なので、普通に暮らしていても革製品などをやられることがあるのだが、海外に出かけると、場合によっては数カ月も部屋を閉め切ったままにするので、何の対策もしないでいると、本当に恐ろしいことになる(汗)。なので、出発前にはベッドシーツなどをすべて洗濯し、除湿剤を各所にセットし、クローゼットは閉め切らず、靴や革製品はなるべく湿気の少なそうな広めの場所に置く。そうしたカビ防止策の準備にも、それなりに慣れてきたと思っていた。

しかし、今年の夏は手強かった。猛烈に暑い日々が続いた後、僕が帰国する頃から毎日のように雨。部屋に戻ってみるとむわっとした湿気がたまりにたまっていて、革ベルトが2本、枕カバーが1枚、それから今年初めまで使っていた古いカメラバッグの外側がカビにやられていた。ベルトはカビを落とした後にエタノールで除菌し、枕カバーもしっかり洗濯したが、カメラやレンズにはカビが大敵なので、カメラバッグはどうにもならない。廃棄するしかなさそうだ。

嗚呼、湿気の少ない部屋に引っ越したい(苦笑)。