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今さらの風邪

我ながらどうかと思うのだが、今頃になって、風邪をひいた。極寒のアラスカではなく、春間近の日本で。

風邪といっても今のところそんなにたいしたことはなく、鼻づまりと喉がいがらっぽいくらい。昨日の夜からちょっと怪しかったのだが、とりあえず昼の段階で薬局で買ってきた葛根湯を飲み、寝床にもぐり込んで3時間くらい昼寝した。食欲はあるし(さっきも菜の花とベーコンの炒め物をたっぷり作って食べた)、身体がしんどいという感じもない。このまますんなり治ってくれればいいのだが。

旅と取材の強行軍続きで、疲れがたまってたところにつけ込まれた。今夜もしっかり寝ておこう。明日からはまた取材、取材の日々だ。

春、夏、秋、冬、ぬかるみ

この間、アラスカで滞在したロッジで、オーナー一家の若夫婦が、アラスカの四季の移り変わりについて、こんなことを話してくれた。

「ここでは、4月と5月は雪解けでそこら中がぬかるんでしまって、大変なんだ。どこに移動するにも苦労する。スノーモービルは使えなくなるし、水上飛行機を使おうにも湖面には氷が残ってる。そういう時期が過ぎて、僕らの感覚では、6月が春。7月が夏。8月が秋」

「……あとは全部、冬なんだね(笑)。一番好きなのはどの季節?」

「それはものすごく難しい質問だなあ……。どの季節も、毎日、違う表情がある。年によっても全然違う。だから、全然飽きないんだよ」

アラスカの原野で、日々を生きていくことの、厳しさと愉しさ。朗らかに笑いながら話してくれる彼らが、本当に羨ましかった。

確定申告とマイナンバー

朝、早起きして、確定申告のため、税務署へ。開場時間ちょうどくらいに着いたのだが、すでに長蛇の列。早くも心が折れそうになる。幸い、割と早い段階で、行列から青色申告専用のコーナーに誘導してもらえた。

去年までの教訓をふまえ、今年は申告関係の書類を作るための準備をかなり入念にしておいた。そのかいあって、税務署内での作業と手続きは、1時間ほどで全部終わった。計算間違いとかで変にトラブったりしなくて、ほっとした。すべてを提出し終え、税務署の建物を出て、雲ひとつない青空を見上げた時の解放感たるや。

ところで、今年から申告時にマイナンバーの入力を求められたり、本人確認書類の一つとしてマイナンバーカードの有無を聞かれたりするようになったのだが……あれだけ申告会場内にうようよ人がいる状況下で、税務署員にカードや番号を見せて確認してもらうというのは、どうにも危なっかしい気がしてしまう。ぶっちゃけ、マイナンバーなんて制度がなくても、今まで別に何も困ってなかったし、これからも何も困らないはずなのだ。ほんと、愚策だと思う。

GDP向上策

ここ数日、確定申告の準備作業に、時間も気力も奪われてしまって、すっかりやさぐれた気分になっている。

毎年この時期、日本全国津々浦々のフリーランサーたちが確定申告の不毛な作業に奪い去られている時間と労力と忍耐力を、それぞれの本業で果たすべきクリエイティブな仕事に振り替えられるなら、日本のGDPも結構上昇するんじゃないかと割と本気で思っているのだが、どうだろう。

いや、もう、ほんとに……早く全部終わらせて、楽になりたい……。

春一番と微笑がえし

目を覚まして寝床から起き、居間の窓辺に行くと、やけに強い風が吹いている。春一番が吹いたらしい。もうそんな季節か、早いなあと思ったが、それでも去年よりは3日遅かったそうだ。外に出ると、もう4月かと思うくらい、空気がぬくい。

「春一番」と聞くと、今でも反射的にキャンディーズの歌が脳内にこだまするのは、一番脳がやわらかい小学校低学年の頃に、彼女たちの歌をたっぷり刷り込まれたからだと思う。でも、「春一番」で最初に浮かんでくるのは、このタイトルそのものの曲ではなく、「微笑がえし」の方だ。歌い出しが「春一番が〜♪」なので、そういう連想をしてしまうのだと思う。

……こういう文章を書いてみても、そもそも「キャンディーズ」をリアルタイムで知っている人がもはや周囲にあまりいないという現実……深まる孤立感……(苦笑)。