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唐突に仕事納め

昨日、今日と、家に籠って仕事。ゴリゴリ作業を進めたおかげで、直近に終わらせなければいけない仕事は、どうにかほぼ片付いた。少し前に依頼されたエッセイの原稿がまだ手付かずなのだが、依頼元の掲載媒体の進行自体が大幅に遅れているようなので、そのエッセイに関しては脳内でプロットを練りつつ、もう少し様子を見た方がよさそうだ。

というわけで、気がつくと、唐突に仕事納めという状況になった。まあ、たぶん明日も、メールを介しての連絡業務はちょこちょこあるだろうから、仕事机には向かうけれども。

週の後半には何本か映画を観に行くつもりだから、明日はとりあえず、そうだな、ソファに寝転んで、本でも読もう。夜はカレーでも作ろうかな。

サンタクロースは実在するのか問題

同年代の友人に子持ちの人が増えてきて、クリスマスの季節になるとみんな異口同音に、「子供にサンタのことをどう説明するか悩んでいる」という書き込みをFacebookやTwitterでつぶやいている。幸か不幸か、僕にはそういう悩みはないのだが。

先日、吉祥寺の古書店book obscuraで開催された写真家の角田明子さんのトークイベントにお邪魔した。何年も前から日本や北欧のサンタクロースの撮影を続けている角田さん自身も、かつてお子さんから「サンタは本当にいるの?」と訊かれて答えに窮したことが、このテーマでの撮影を始めたきっかけだったという。

北欧諸国では、グリーンランド国際サンタクロース協会が認定したサンタクロース約120人が、福祉施設や小児病棟への訪問など、サンタとしての活動を行っている(フィンランドはちょっと事情が別らしい)。角田さん曰く、サンタクロースとしての志、サンタ・スピリットを胸に抱いて日々活動している彼らのような人たちがいるのだから、サンタが実在するかどうかを話題にすること自体、ある意味ナンセンスなのだ、という。公認サンタクロースだけではない。親であれ、誰であれ、サンタ・スピリットを持っている人なら、その人はサンタクロースなのだと。

「サンタはいるの?」と訊かれたら、僕も「いるよ、もちろん」と答えよう。自信を持って。

冬至快楽

午後、近所の理髪店で、今年最後の散髪。

年末年始の予定を聞かれたので、「実家の人間たちと2、3日過ごした後、1月9日の夜から、2週間ほどラオスに行きます」と言うと、「出発まであと3週間もないじゃないですか」と返され、ちょっと愕然とする。そうか、もうそんなに近づいていたのか、出発の日が。

散髪を終えて外に出ると、まだ5時にもならないというのに、あたりはすっかり薄暗い。茜色の光が、西の空を染めている。そういえば、今日は冬至だった。時の経つのが早すぎて、やるべきことが何一つ追いついていないような気がしてくる。

まあ、焦っても、しょうがないけど。

まずはかっぱ巻き

昨日は、僕や関さんがガイドを務めているツアーを催行している旅行会社さんのオフィスで、忘年会。何人かの写真家さんたちも集まって、わいわいとにぎやかに、たくさん飲んで、たくさん笑った。

この間、関さんが名取洋之介写真賞を受賞したということで、旅行会社さんはそのお祝いも兼ねて、回らない寿司屋から握り寿司の大皿を用意してくれていた。トロ、赤身、ウニ、イクラ、ホタテ、エビ。華やかな握りが、ずらりと並んでいる。

「じゃあ、まずは関さんからどうぞ!」と僕たちが言うと、「あ、ありがとうございます! じゃあ!」と言いながら関さんが最初に箸をつけたのは、かっぱ巻き(笑)。

「なんで関さん、最初がかっぱ巻きなんだよ! トロいくでしょ、トロ!」「それじゃほかの人が食べられないよ!」

謙虚というか何というか、関さんらしいなあ(笑)。ほんと、いい人だ。

世界一のクリスマスツリー

午前中から夕方まで、八王子で取材。帰りにココイチでスープカレーを食べ、家まで戻ってくる頃には、すっかり日が暮れていた。

近所にあるキリスト教系の幼稚園のベランダが、この時期恒例の電飾で彩られている。この建物は教会でもあるので、電飾もおとなしく、品のようなものがある。同じ電飾でも、三鷹駅北口ロータリーで年末灯される電飾は、正直言ってあまり品がない。青や白のLEDを大木の枝にむやみに絡めつけていて、人間の身勝手さを感じてしまう。

神戸港に先日持ち込まれたという、「世界一のクリスマスツリー」とやらのことを思う。氷見の山から根ごと引っこ抜かれ、はるばる神戸まで運ばれ、震災の鎮魂とかいう被災者の感情をもろに逆撫でする惹句を後付けでまぶされ、クリスマスの後は切り刻まれて神社の鳥居にされる予定という、世界一のクリスマスツリーのことを。

そもそも、何が世界一なのかもよくわからない。高さなら、国内外にもっと大きな、しかも自生しているツリーがあるという。子供たちが願い事を書いたオーナメントをくくりつけた数で世界一ともいうが、つけたそばから風で割れてバラバラ落っこちて、ろくに回収もされていないという。あのプロジェクトに関わっている人間たちの愚かさという点では間違いなく世界一だが、それではそんな愚かな人間たちに無理やりツリーに仕立てられたあげく鳥居にされてしまう、樹齢150年のあすなろの木(かどうかも実ははっきりしない)が可哀想だ。

世界一、無残な、クリスマスツリー、なのだろうな。