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再び極北へ

来年の夏の終わり頃に計画しているアラスカへの旅の準備を、少しずつ始めた。まだ、おおまかな日程を考えて、現地に問い合わせを入れた程度だが。

今年は、年明けにザンスカールで結構厳しい取材に挑んで、その時の話を本にするために今も原稿を書いているところなので、正直、アラスカの方に振り分ける時間と余力が、まったくなかった。来年の春までに今取り組んでいる本を無事に完成させられれば、夏以降はある程度余裕ができるはずなので、来年こそは、と思い立った次第。アラスカ関係には、今くらいの時期から動いておかないと間に合わなくなる手配もあるので。

ひさしぶりに、あの極北の空気を吸いに戻れるかも、と思うと、心がすっと軽くなる。ラダックやザンスカールとは違う形で、アラスカという土地に親しみと憧れを感じている自分がいる。

アラスカでの撮影取材に一人で取り組むようになって、デナリ国立公園でのキャンプ、南東アラスカの無人島、厳寒期のロッジ滞在、北極圏の村への訪問など、いくつかのトライを積み重ねてきた。「アラスカについて、まとめた形で発表しないんですか?」とよく訊かれるのだけれど、今までの旅のエピソードをそのまま写真と文章という形でまとめるのは、自分的に何かしっくりこないというか、納得しきれない感触がある。今まで積み重ねてきたものはまったく無駄ではないとは思うのだが、アラスカについて、自分自身が「これだ」と納得できるものを形にするには、違うアプローチが必要になりそうだ、と感じている。逆に言えば、中核となる「何か」を形にできたら、今までの蓄積もすべて活かせるとも思っている。

うまく言えないが、来年の計画も含めて、今までのアラスカでの旅の経験をさらに積み増ししていくことで、そう遠くない将来に「これだ」と思えるトライをできるのではないか……と、ぼんやり考えている。経験、スキル、視点、思考……いろいろ含めて。

ともあれ、来年は、再び極北へ。楽しみだ。

「PEAKS」2019年10月号

9月14日(土)発売のアウトドア雑誌「PEAKS」2019年10月号の巻頭特集「ニッポンのロングトレイル」で、海外のロングトレイルを紹介するコーナーに、4分の1ページ程度の扱いですが写真と情報を寄稿しています。僕が紹介したのは、スピティとラダックの間を結ぶパラン・ラ・トレックについて。少なくとも、マニアック度では群を抜いていると思います(笑)。

書店で見かける機会がありましたら、お手にとってご一読いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

初夏の丹沢


一昨日、約一年ぶりに、ヤビツ峠から丹沢表尾根を縦走してきた。本当はもう少し早く、梅雨入りする前にと思っていたのだが、5月6月はいろいろ忙しくて、結局この時期になってしまった。天気予報を見つつ、平日に晴れそうで仕事も入らなさそうな日に……ということで日程を決めたのだが、これが大当たり。この時期にしては珍しいくらい、すっきりとよく晴れた天気の山行になった。


梅雨のこの時期の山歩きなので、眺望にはまったく期待してなかったのだが、この日は本当によく晴れていて、海の向こうには房総半島や伊豆大島まで見えるほどだった。風も爽やかで、夏山を満喫できた。


三ノ塔を越えたところに佇んでいるお地蔵さん。今年もファッショナブルで、お元気そうで何より。


この日はとにかく暑かったので、特に登りでは飛ばしすぎないように用心しながら歩いていたのだが、塔ノ岳の手前で他の登山者を追い越した時(本当は追い越したくなかったのだが、道を譲られてしまったので)、ペースが乱れて、両腿の大腿四頭筋に軽く痙攣が来てしまった。まあ、塔ノ岳のこのポイントでは、毎回足がぴくぴくするので、想定内ではあったのだが。すぐに頂上に着いて、おひる(モンベルのカレーリゾッタとフリーズドライのスープ)を食べてるうちに、すっかり治ったけれど。

家に戻った後、途中でメモしていた今回の各ポイントでの通過時間を見てみると、一年前に歩いた時とほとんど同じ所要時間で歩いていたので、びっくりした。大倉から渋沢駅に戻るバスも同じ時刻の便だったし。面白いものだ。

ラダックに行く前に日本で一度、こういう山歩きをしてほどほどに足を慣らしておくと、向こうで山道などを歩く時も問題なく歩けることは、経験上わかっている。なので、今年も準備完了というところ。

リフレッシュ

今年から請け負うことになって、5月中はその執筆作業にほぼかかりきりだった仕事が、どうにか一区切りついた。まあ、初校が出たらまた別の種類の作業が発生するのだが、とりあえず少しだけ肩の荷が下りた。

午後、渋谷で打ち合わせ。新しい本について。いい本を作りたい、とあらためて思う。それが実現できるかどうかは、これから僕が自分自身をどれだけ追い込めるかにかかっているのだけれど。

打ち合わせの後、ひさしぶりに公園通りのマメヒコに行き、アイスコーヒーとフルーツサンドをいただきながら、しばし読書。読みかけの分厚いハードカバー、ようやく半分くらいまで読めた。その後は、キャットストリートをぷらぷら歩いて原宿まで行き、電車で西荻まで戻る。晩ごはんはフレンチカレースプーンで、Wトロ肉増しフレンチカレー。

何というか、いろいろ解き放たれて、リフレッシュできた気がする。ふう。

大阪と京都へ

先週末は、大阪での「LADAKH LADAKH」刊行記念トークイベントだった。

金曜の朝に日野駅に集合し、レンタカーのハイエースに売り物の本を積み、東京組の関係者一同が同乗して、出発。途中、浜松のあたりのサービスエリアでおひるを食べ(桜海老のぶっかけうどんを食べたのだが、めっちゃうまかった)、夕方17時過ぎに大阪着。会場に本を搬入し、ホテルで他の関係者と合流。心斎橋からなんばまでぶらぶら歩き、そこから鶴橋に移動して、空という有名なホルモン焼肉屋さんで宴会。ホテルに戻ってからも遅い時間まで酒を飲みながら写真談義。大阪に来た本来の目的をうっかり忘れそうになるほど(笑)。

土曜は昼過ぎからトークイベント。おかげさまで大阪でも本当に大勢のお客さんにお越しいただいて、ありがたいかぎり。トーク自体もいい感じで盛り上げることができて、ほっとした。撤収完了後、関係者は現地解散。ハイエースですぐ東京に戻る組を見送り、僕は金曜と同じホテルで一人でもう一泊。金龍ラーメンでチャーシューメンを食べ、わなかでたこ焼きを買って、部屋でビールと一緒にいただいた。東京と大阪、どうにか無事に終えられたという、安堵感。

日曜は午前中に宿をチェックアウトして、京阪本線で京都へ。「LADAKH LADAKH」の取り扱いを打診しに何軒かの書店にご挨拶に伺い、その後はイノダコーヒー本店でビーフカツサンドのおひる。で、午後半ばの新幹線で東京に戻ってきた。

帰りの新幹線に乗ったあたりから、鼻がぐすぐすしはじめて、一晩明けてみると、のども何だか腫れぼったい。ひさしぶりに風邪をひいてしまったようだ。まあ、無理もないか。結構な強行軍だったし、土曜は司会役で3時間しゃべりっぱなしだったし。気合いで治して、仕事に復帰することにしよう。