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同じ思いを

帰国早々、やたらめったら忙しい。メールはひっきりなしに着弾するし、やらなければいけないことは山積み。一つひとつ順番に片付けていくしかない。

今日は昼から新宿へ。ニコンのサービスセンターでカメラを清掃に出した後、新しい本の件でとあるフォトグラファーの方との打ち合わせと取材。今回の本の取材、まだ始まったばかりなのだが、会う人会う人、みなさん話が面白い。こんなに楽しい取材が続くなんて、今まで経験したことがない。

なんでだろう‥‥と考えてみるに、たぶん、今回の件でご一緒させていただく方々とは、どこかで共通する同じ思いを大切にしているからなのだろう。それはもしかすると、多くの人々にとっては、どうでもいいことなのかもしれない。それでも、僕たちにとって大切なものは、確かにある。それを形にして、同じ思いを大切にしてくれる人に伝えていくのが、僕たちの役目なのだと思う。

がんばらねば、と何度も何度も、自分に言い聞かせつつ。

淡々と荷造り

バングラデシュ取材への出発が近づいてきた。いつものように、淡々と荷造り。僕の場合、常に旅に持っていくものをあらかじめまとめたチェックリストがあって、それを行き先や季節に応じて調整してるだけなので、ほんとに機械的にリストを見ながら荷造りしている。

今の時期のバングラデシュは、暑すぎるほどではなく、比較的過ごしやすい気候らしい。ただ、日本国内で空港までの行き帰りに着る最低限の防寒着は必要なので、スタッフサックに入れてコンパクトに収納できる薄手のダウンジャケットを持っていくことにした。靴は去年のタイ取材で履いたサンダルも考えたが、シュンドルボン国立公園でジャングルの中を歩くというので、無難にいつものローカットのトレッキングシューズにする。あと、ダッカ以外では連泊の予定がなく、洗濯のチャンスも少なそうなので、アンダーウェアはいつもより多めに。そのくらいかな、変更点は。

撮影に使うレンズは、標準ズームと標準単焦点があれば十分かなと思ったが、依頼元から「一応、望遠ズームも持っていってほしい」と言われた。シュンドルボン国立公園のジャングルの中で、もしかすると、何かの動物に遭遇するかもしれないから、と。そんなに都合よくベンガルタイガーやクロコダイルが現れてくれるとは思わないけど(笑)。

「地球の歩き方 タイ 2014〜2015」

「地球の歩き方 タイ 2014〜2015」2月7日(金)発売の「地球の歩き方 タイ 2014〜2015」で、データ取材と撮影の一部を担当しました。僕が主に関わっているのは、タイ北部と中部など。改訂版なので、写真は前年版で使われていた別の方が撮影されたものと混在していますが、巻頭の総トビラとグラビアの一部、章トビラの写真など、実はところどころで撮ってるということで(笑)、よろしくお願いします。

未踏の地へ

昼、千駄ヶ谷で打ち合わせ。これから作る新しい本のデザインをお願いする方と。一緒にお仕事をするのはひさしぶりなのだが、企画のコンセプトや狙いを説明させてもらってるうちに、自分でも気分がちょっとアガってきた。いろいろ困難はあるだろうけど、いい本にできるといいな。

その後は場所を変えて、編集者さんと今後の進め方などについて軽く打ち合わせ。別れた後、新宿でちょっと買い物をし、目黒へ移動。駅の近くの喫茶店で、編プロの方と打ち合わせに臨む。

何の打ち合わせかというと‥‥2月中旬から10日ちょっとの間、バングラデシュに行くことになったのだ。バングラデシュ政府観光局が主催する、各国のマスコミ関係者を対象にしたファム・ツアー。これに参加して、案内される各地の見どころを撮影してくるのが主なミッション。いきなり予想の斜め上すぎる展開だが、これも仕事だ。

未踏の地への旅は、ちょっと楽しみでもある。その取材の影響で、新しい本の制作スケジュールがキツキツになってしまうかもしれないので、油断はできないけど。まずは目の前のことを、一つひとつ確実にやっていこう。

スタートライン

午後、出版社の編集者さんからメール。今日開催された新刊会議で、僕が企画・編集する、新しい本の出版が承認されたとのこと。

この企画、一年前に打診して以来、長い時間を経て、去年12月にようやく実務者レベルの会議にかけられたものの、コンセプトがうまく伝わらずに再提出というがけっぷちの状態に。年末の会議で二度目の提出をしてどうにか踏みとどまり、今日の新刊会議で正式なゴーサインが出たという次第。

知らせを聞いた時、うれしかったというより、ただただ、ほっとした。この一年、ずっと胸の中につかえていた重苦しいものが、ようやく半分だけすとんと抜け落ちたというか。

僕の仕事は、本を出すこと自体が目標なのではない。書店でその本を手に取って買ってくれた人が「買ってよかった」と少しでも思ってくれるように、細かいところまで徹底的に心を砕いて、いいと思える本を作り、それを届ける。その最後の最後に行き着くところまでをイメージして、それを実現しなければ意味がないと思っている。

今はまだ、スタートラインに立っただけだ。