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写真と言葉

終日、部屋で仕事。数日前に収録したインタビューの原稿を書く。

今取り組んでいるのは、ざっくり言うと写真をテーマにした仕事なのだが、写真についての取材をすればするほど、言葉の大切さのようなものを再確認させてもらっている気がする。もちろん、写真のみを次々見せていくやり方で何かを伝えようとする方法もあるとは思う。だが、最終的な成果に言葉が伴うかどうかは別として、少なくとも撮り手には、被写体と自分との間にあるもの、そして自分自身が抱えているものを言葉でも確かめようとする姿勢は必要なのかもしれない、とも思う。何となくいい感じ、みたいなセンスに頼るだけでは、写真を見る人の心は本当には動かせない。

自分はどうなのかな。そこまで深く掘り下げていけてるのかな。いや、まだまだだな。

バングラデシュの旅(2):バゲルハット〜ダッカ

バゲルハットで出会った少女

シュンドルボン国立公園を後にした一行は、世界遺産に指定されているシャット・ゴンブズ・モスジッドのある町、バゲルハットへ。他の人たちからしばし離れて、一人でぶらついていると、どきりとするほど美しい少女が、おずおずと「あの‥‥私の写真を撮ってくれませんか?」と声をかけてきた。

同じ思いを

帰国早々、やたらめったら忙しい。メールはひっきりなしに着弾するし、やらなければいけないことは山積み。一つひとつ順番に片付けていくしかない。

今日は昼から新宿へ。ニコンのサービスセンターでカメラを清掃に出した後、新しい本の件でとあるフォトグラファーの方との打ち合わせと取材。今回の本の取材、まだ始まったばかりなのだが、会う人会う人、みなさん話が面白い。こんなに楽しい取材が続くなんて、今まで経験したことがない。

なんでだろう‥‥と考えてみるに、たぶん、今回の件でご一緒させていただく方々とは、どこかで共通する同じ思いを大切にしているからなのだろう。それはもしかすると、多くの人々にとっては、どうでもいいことなのかもしれない。それでも、僕たちにとって大切なものは、確かにある。それを形にして、同じ思いを大切にしてくれる人に伝えていくのが、僕たちの役目なのだと思う。

がんばらねば、と何度も何度も、自分に言い聞かせつつ。

淡々と荷造り

バングラデシュ取材への出発が近づいてきた。いつものように、淡々と荷造り。僕の場合、常に旅に持っていくものをあらかじめまとめたチェックリストがあって、それを行き先や季節に応じて調整してるだけなので、ほんとに機械的にリストを見ながら荷造りしている。

今の時期のバングラデシュは、暑すぎるほどではなく、比較的過ごしやすい気候らしい。ただ、日本国内で空港までの行き帰りに着る最低限の防寒着は必要なので、スタッフサックに入れてコンパクトに収納できる薄手のダウンジャケットを持っていくことにした。靴は去年のタイ取材で履いたサンダルも考えたが、シュンドルボン国立公園でジャングルの中を歩くというので、無難にいつものローカットのトレッキングシューズにする。あと、ダッカ以外では連泊の予定がなく、洗濯のチャンスも少なそうなので、アンダーウェアはいつもより多めに。そのくらいかな、変更点は。

撮影に使うレンズは、標準ズームと標準単焦点があれば十分かなと思ったが、依頼元から「一応、望遠ズームも持っていってほしい」と言われた。シュンドルボン国立公園のジャングルの中で、もしかすると、何かの動物に遭遇するかもしれないから、と。そんなに都合よくベンガルタイガーやクロコダイルが現れてくれるとは思わないけど(笑)。