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「カワイイ」がわからない

仕事の参考資料に、女性向けのカメラ雑誌を買った。

こういう雑誌を家でじっくり読むというのは初めての経験だったのだが、ある意味すごいなあと思ったのが、「カワイイ」に対する編集部のこだわりだ。子供、女性、ペット、花、小物、イルミネーション。あらゆるものをかわいらしく撮るためのコツやテクニックが網羅されている。それだけ世の中のカメラ女子の方々は、「カワイイ」写真に惹かれているのだろう。

正直、僕はそういう「カワイイ」写真の撮り方はよくわからない。そもそも、何が「カワイイ」かどうかの基準なのかがわからないし。僕が過去に撮ったラダックの子供の写真とかで、見る人に「カワイイなあ」と思ってもらえるものがあるとしたら、それは、元からかわいらしい子供にたまたま出会って、そのありのままの姿を、何も考えずに撮らせてもらっただけだ。

たぶん僕は、いつまでたっても「カワイイ」写真の撮り方がわからないままなんだろうな(苦笑)。

力を受け取る

夕方、吉祥寺で、今取り組んでいる企画に関係する取材と打ち合わせ。昨日は同じ企画で地方在住の方とスカイプで打ち合わせをした。明日も同じ企画絡みで取材が二件。来週以降も同じような感じで、取材や打ち合わせが絶え間なく続いていくことになる。

取材をすれば原稿の執筆もあるわけで、いつもなら忙しすぎてそれなりにへばってるところだが、今のところ、そうでもない。何しろ一件々々の取材が楽しいので、たいして苦にならないのだ。人に会って話を聞くたび、力になるものを受け取ってるというか‥‥。

そうして受け取る力は、もちろん預かる責任も伴うものだ。だから中途半端なことはできない。自分が持っている知識と経験のすべてを尽くして、一番いいカタチに昇華しなければ。楽しいけれど、身の引き締まる思いも感じる。

校了まで、ノンストップでいくぜい。

写真と言葉

終日、部屋で仕事。数日前に収録したインタビューの原稿を書く。

今取り組んでいるのは、ざっくり言うと写真をテーマにした仕事なのだが、写真についての取材をすればするほど、言葉の大切さのようなものを再確認させてもらっている気がする。もちろん、写真のみを次々見せていくやり方で何かを伝えようとする方法もあるとは思う。だが、最終的な成果に言葉が伴うかどうかは別として、少なくとも撮り手には、被写体と自分との間にあるもの、そして自分自身が抱えているものを言葉でも確かめようとする姿勢は必要なのかもしれない、とも思う。何となくいい感じ、みたいなセンスに頼るだけでは、写真を見る人の心は本当には動かせない。

自分はどうなのかな。そこまで深く掘り下げていけてるのかな。いや、まだまだだな。

バングラデシュの旅(2):バゲルハット〜ダッカ

バゲルハットで出会った少女

シュンドルボン国立公園を後にした一行は、世界遺産に指定されているシャット・ゴンブズ・モスジッドのある町、バゲルハットへ。他の人たちからしばし離れて、一人でぶらついていると、どきりとするほど美しい少女が、おずおずと「あの‥‥私の写真を撮ってくれませんか?」と声をかけてきた。