半年間ほどお休みをいただいていた、小学館のアウトドア雑誌「BE-PAL」Webサイトでの週イチ連載。おかげさまでネタも少したまってきたので、10月4日(水)から、また週イチペースでの連載を再開することになりました。以降は毎週水曜日の朝に更新していく予定です。週に一度、通勤途中の暇つぶしにでも、さくっとご一読いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
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「WILDERNESS No.7」
9月28日(木)発売のエイ出版社のアウトドア雑誌「WILDERNESS No.7」の巻頭コラム「Mapping the world」で、ザンスカールのチャダル・トレックについての文章と写真を寄稿しました。チャダルについての文章を書いたのは、ずいぶんひさしぶりです。書店で見かける機会がありましたら、お手にとってご覧になっていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
写真と現像と作為
終日、部屋で仕事。夏の間にインドで撮ってきた写真のセレクトと現像作業が、ようやく一段落。今年は新しい本を作るのに必要な撮影がたくさんあったので、いつもの年よりずいぶん時間がかかったが、とりあえずほっとした。
写真の現像作業、僕はニコンのデジタル一眼レフで撮影したRAWファイルを、アドビのLightroomというソフトで調整して、JPEGファイルに書き出している。Lightroomというのは便利なソフトで、これと同じアドビのPhotoshopとがあれば、それこそありとあらゆる加工処理を写真に施すことができる。
ただ、僕がデータの現像作業の時に意識しているのは、なるべく余計な加工をせず、最低限の調整ですませるようにすること。カメラとレンズのキャリブレーション、ホワイトバランス、露出。必ず確認するのはそれくらい。ハイライトやシャドウ、明瞭度、彩度、その他もろもろのパラメータは、必要に応じて、ほんのちょっとずついじる。撮影した時のまま何も加工していない「撮って出し」と思われるくらい自然な仕上がりが、ある意味一番理想的かもしれない、と思っている。だから、海外の写真愛好家の作品でよく見かける、HDRバリバリのCGチックな写真は、とても苦手だ(苦笑)。
撮影して現像する側の作為のようなものは、写真を見る側の人になるべく伝わらないようにしたい。見たまま撮ったまま、あるがままのイメージを、そのまま伝えたい。現像作業による調整作業は、撮影者が実際に目にしたイメージにできるだけ忠実な写真になるように微調整するためであって、撮影者が心の中で膨らませたドラマチックで絵画的なイメージに改変するためではない。少なくとも、僕の場合はそうだ。
それはある意味、写真を撮影する行為そのものにも通じることかもしれない。撮影者の作為が透けて見え過ぎる写真は、時としてあざといと受け取られてしまう。作為の枠の外にある、偶然のような何物かの流れを捉え、あるがままに受け止めること。そういう撮影ができるようになれたら、と思う。
一歩も出ず
終日、部屋で仕事。インドで撮ってきた写真のセレクトと現像作業。今年はいつも以上に時間がかかる。なかなか終わらない……。
作業の合間には、電話やメールであちこちと打ち合わせ。最近は立て続けに、いくつかの雑誌から仕事の依頼をいただいている。ありがたいことだなと思う。まあ、その分、全体の作業スケジュールがさらに切羽詰まってきているわけだが(苦笑)。十日後からはタイ取材だし……。
午後半ば頃から、雨が降ってきた。家にはまあどうにか一日しのげるだけの食糧があったので、結局今日は、家から一歩も出ず。さすがに運動不足だ。あとで忘れずに腕立て伏せとプランクをしておこう……。
チーム再結成
午後、都心へ。来春出す予定の新しい本について、デザイナーさんと印刷会社の担当者さんを交えての打ち合わせ。
この顔ぶれで集まって本を作るのは、これで2冊目。再結成したチームの、お互いによくわかっているという安心感と信頼感。そしてまた、本をまるまる1冊、一緒に作れるのだという、ぞくぞくするような期待感。仕事なんだけど、作りはじめる前から作業が楽しみで仕方ない。きっと面白い仕事になるし、必ずいい本にしてみせる。そして、一人でも多くの読者のもとへと届ける。よっしゃ。
……その前に、今、目の前で山積みになってる、先に片付けとかなきゃいけない別の仕事を、なんとかします……。