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黄葉、落葉

まだ安心できるような状況ではないが、抱えている仕事の一つがかなり整理できてきた。夕方、ごはんを食べに、外へ。

家のすぐ近所にある公園のそばを通りがかって、愕然とした。ほんのちょっと前まで、黄葉するまでもうしばらくかかるかなと思っていた大木の木々の葉が、今日は黄葉どころか、それを通り越して半分近くも散り落ちていたからだ。もっと早く気付けるタイミングもあったはずだが、頭の中に余裕がなさすぎたのだろう。まるで、2、3週間ほどタイムスリップしてしまったような、妙な気分だ。

いかんいかん。もう少し、立ち止まる余裕を持たねば。

産毛の変化

昨日、ひさしぶりに髪を切ってもらいに近所の理髪店に行った。カットとシャンプーが終わり、顔を剃ってもらう段になって、いつも担当してくれている理容師さんが僕の頰を軽く触りながら、「ああ、元に戻りましたね」と言った。

「戻ったって、何がですか?」と聞くと、「夏の終わりに、インドからお戻りになった後にうちにいらした時に気づいて、でもその時は言わなかったんですけど……あの時はすごかったんですよ、お顔の産毛が、ごわっとしてて。でも今はいたって普通ですね」

スピティやラダック、ザンスカールで約2カ月を過ごした後、僕の顔の皮膚は、理容師さんが剃刀を当ててびっくりするくらい、産毛でごわごわになっていたのだそうだ。高地で極度の乾燥と紫外線に晒されるうちに、身体がしぜんと防衛体制を取っていたのだろう。かたや、ふんだんに湿気のあるタイでは、そこまで防御する必要はなかったということか。

しかし、「元に戻った」か……どっちが「元」なんだろうな、僕にとっては。

ルーティンに従う

終日、部屋で仕事。タイから帰国して新しい本の執筆・編集作業に入って以来、仕事をする日の行動パターンは、毎日ほとんど同じ。

午前中遅めの時間に起床。シャワーで完全に目を覚まし、ラジオのスイッチをオン。朝昼兼用の食事は、インスタントラーメンと即席うどんとトーストのローテーション。食後にコーヒーをいれ、飲み終えたらラジオを切って、作業開始。夕方、必要に応じてスーパーに食材の買い出しに行き、適当に自炊して晩飯。食べ終えたら作業再開。その日のノルマと決めたところまで進んだら終わり。腕立て伏せ、腹筋、スパイダープランク、スクワット。晩酌のビールは1日おきに1缶。気が向いたらブログを書いて、だらだらネットを眺めて、深夜に寝床に潜り込む。

意外と思われるかもしれないが、僕は、こういうルーティンを守ること自体は、別に苦にならない。特に、本の執筆のように大きな仕事に取り組んでいる時は、ルーティンに従って行動していた方が、余計なことに気を取られずに作業に集中できる。で、そのうち、毎日ルーティンに沿って動き回っている自分を、別のところから客観的に眺めているような気分になってくる。そしてそれが、少し滑稽に思えたりもする。

まあ、物書きの日常なんて、そんなものである。

冷やし中華はもう終わっていた

夕方、近所の中華料理屋へ。ここで晩飯を食べるのはずいぶんひさしぶりだ。

カウンターの前に貼られた写真付きメニューの中に、冷やし中華が載っていた。まだやってるのかな、今日は蒸し暑かったしな……と思って、「冷やし中華、ありますか?」と聞くと、

「あー。冷やし中華は、終わっちゃいましたねー」

と、元ヤンっぽい新顔の女の子の店員さんに、ばっさり切って捨てられてしまった。そうか。冷やし中華の季節は、もう終わってしまってたのか。

代わりに豚肉ニラもやし炒めかけごはんを食べ、家までの帰り道。公園の大木から、一匹だけ、セミの鳴き声が聞こえていた。

一歩も出ず

終日、部屋で仕事。インドで撮ってきた写真のセレクトと現像作業。今年はいつも以上に時間がかかる。なかなか終わらない……。

作業の合間には、電話やメールであちこちと打ち合わせ。最近は立て続けに、いくつかの雑誌から仕事の依頼をいただいている。ありがたいことだなと思う。まあ、その分、全体の作業スケジュールがさらに切羽詰まってきているわけだが(苦笑)。十日後からはタイ取材だし……。

午後半ば頃から、雨が降ってきた。家にはまあどうにか一日しのげるだけの食糧があったので、結局今日は、家から一歩も出ず。さすがに運動不足だ。あとで忘れずに腕立て伏せとプランクをしておこう……。