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消えていく写真店

昼、電車で新宿へ。写真を何枚か引き伸ばしてプリントする必要が出てきたので、新宿西口にあるキタムラに行く。

実は昨日、吉祥寺のヨドバシで一度プリントしてみたのだが、申し込む時にうっかり補正を相手任せにしてしまったところ、写真全体を思いっきり黄味がかった処理にされてしまった。少々なら目をつぶるが、色の転び方が完全に許容範囲を超えてしまっていたので、店を変え、補正なしにして出力し直すことにしたのだ。今度はまずまずうまくいった。

考えてみれば、写真店で写真をプリントしてもらったのも、何年かぶりだ。以前は三鷹駅北口界隈に二軒ほど写真店があり、もっぱらそこでプリントしてもらっていたのだが、今はその店もなくなってしまった。フィルムの衰退や高性能な家庭用プリンタの普及とともに、写真店はどんどん減っていく運命にあるのだろう。

フィルムカメラを使っていた頃、どこかに旅に出て帰ってくるたびに、選んだ写真を手焼きプリントで引き伸ばしてもらって楽しんでいたのが、遠い昔のことに感じられる。何だか寂しい。

暖房改革

この冬、うちの部屋ではまだ、暖房にエアコンを稼働させていない。机の下の足元でデロンギの小さなオイルヒーターを使ってはいるのだが、それ以外の暖房はいっさいなし。

うちの部屋に備え付けのエアコンはかなり古く、音がうるさい上に電気代も食うという代物。前から使うのにあまり気が進まなかったのだが、去年の夏、バルミューダのGreenFan miniを導入してからエアコン冷房の使用頻度をかなり減らすことができたので、冬もなるべくエアコンを使わないようにできないかなと思ったのだ。

とはいえ、机の下の小さなオイルヒーターだけでは、十分に暖を取るにはやや力不足。でも、その不足分は、ものすごくシンプルな方法で埋めることができそうだ。つまり、厚着をするということなのだが(笑)。

厚着といっても、やたらめったら服を着込んでるというわけではない。ポイントは、靴下と腹巻だろうか。靴下は昔、ザンスカールのチャダル・トレックで履いていた極厚ウールの登山用ソックス。これを薄手のソックスの上から履く。腹巻は前に人からもらったごく普通のものだが、こうしてポイントを絞って保温するだけでも、体感温度にはかなりの差があると思う。あとは、着古した薄手のダウンとかを羽織っていれば、ほとんど問題ない。

一月と二月でどれくらい冷え込んでくるかわからないけど、この調子でいけば、冬のエアコンの稼働時間は最小限に抑えることができそうだ。電気代も節約したいし、がんばろ。

ごはんの記憶

夜、リトスタで今年最後の食べ納め。ブリと白菜のサラダ、カキフライ、菜の花とベーコンの塩炒めなど、たらふくいただく。

同じ時間帯に、小さな女の子たちのいる家族連れのお客さんが来ていたのだが、女の子のうちの一人が、ごはんを前にきゃいきゃいはしゃいだり、ちょっと何かあってむずがって泣いたりしていた。でも、なんだかそれもほのぼのなごむというか、リトスタらしい情景だよなあ、とあらためて思う。

きっとあの子の記憶の片隅には、今夜のことが、この先もちょこっと残り続けるのだ。古い雑居ビルの階上にあるお店で、みんなと一緒に「おいしいね〜」と言いながらごはんを食べたり、どうでもいいことで泣いたりした記憶が。そのちょこっとしたごはんの記憶は、ささやかだけど、かけがえのないものでもあると思う。

そういうごはんの記憶が宿る場所を、誰も見てないところで毎日一生懸命に準備しながら作り続けている、リトスタのスタッフのみなさん。今年もごちそうさまでした。来年もまたよろしくお願いします。

近場の取材

朝から吉祥寺で取材。今年の二月にやったのと同じ大学が収録現場で、家から歩いて15分ほど。たとえば県外で朝イチからの取材とかだと、寝坊しないようにというプレッシャーや通勤ラッシュの混雑で、到着までにほとほと疲れきってしまうのだが、歩いて行けるというのはほんとに気楽だ。まあ、めったにないんだけど(笑)。

今日の取材は、全部で四件。それぞれの間が一、二時間ほど空いていたので、昼は吉祥寺の街の中心まで出ておひるを食べて、ついでにロフトで来年の卓上カレンダーを買ったりした。で、午後の取材開始前の待ち合わせ場所に戻ると、他の方々がみな、「ヤマモトさん、家まで戻っておひる食べてたんですか?」と聞いてくる。いや、さすがにそれはない。家まで戻ってしまったら、完全にくつろいでしまっちゃうし(笑)。

明々後日は、同じ現場で再び取材。次は件数が多い上にスケジュールもタイトなので、気を引き締めてかからねば。

想像力

夕方、本屋に行ったついでに、駅前の揚げ物定食の店に入る。わかる人にはわかると思うが、そのチェーンの本社ビルの一階に入ってる店。味噌カツ定食を注文。

しばらくすると僕の分が運ばれてきたのだけれど、料理が載ってる黒いトレイが、およそ四分の一くらい、びっちょり濡れている。水滴がついてるというレベルではない。ただの水ならまだいいけど、お茶とかソースとかだったら嫌なので、通りがかった店員さんに聞く。

店員「あっ、これは‥‥水ですね。お取り替えしましょうか?」
僕「いや‥‥水ならいいです」
店員(手に持ってたテーブル拭きを見せて)「お拭きしましょうか?」
僕(かなりドン引きして)「いや、いいです」

何というか‥‥この間書いた、メールに返事を書かない編集者の件もそうだが、結局、想像力の問題なんだろうな、と思う。びっちょり濡れたトレイで料理を出されたら、相手がどう思うか。懇切丁寧にしたためて送られてきたメールを無視したら、送り主がどう思うか。そういうところを想像しようとするだけで、いろんなことがずっとうまく回るようになるのに。

自分自身、いろんな場面でそういう想像力を忘れないようにしようという、戒めも込めて。