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不安とその克服

今日はひさびさに、一日家にいられる。昼の間に原稿を書き進めた後、夕方外に出て、散髪やら晩飯やらコーヒー豆の調達やらを二時間ですませると、家に戻って執筆再開。

特に書き仕事の場合、僕は、大変な作業を後回しにするより、なるべく早く終わらせてしまいたいと思うタイプだ。しんどいなあと思う作業を先送りにしてしまうと、それがまだ残ってることの方が気にかかって、不安にかられて集中できなくなってしまう。どのみちやるんだったら、先にそういうのをさっさと片付けてしまって、本当に集中したいことに気を散らさずに取り組める状況を作りたいのだ。

しかし今は、大変な作業が、あまりにも多すぎる‥‥。本当に乗り切れるのか、不安な日々は続く。

トイレの修理

数日前から、家のトイレの配管がぽたぽたと水漏れするようになった。スーパーでシーリング剤を買ってきて塗ってみたりもしたのだが、構造的に常に水圧がかかる部分らしく、水漏れは防ぎきれない。この忙しい時期に、面倒なことになったと頭を抱える。

とりあえずマンションの管理人さんに電話すると、管理会社経由ですぐに水道修理の業者さんがチェックしてくれることになった。夕方になって来てくれたのは二人の男性で、とても丁寧に挨拶してくれた後、てきぱきとしたチームワークで修理に取りかかってくれた。チェックの結果、古くなっていた短めの管とパッキンなどを交換することになり、二時間後にはすっかり直ってしまった。片付けを終えて帰る時の挨拶まで、すごく感じのいい二人だった。

けっして楽な仕事ではないと思う。行く先々の家にもいろんな人がいるだろうし、煩わしいことも多いと思う。でも彼らは、地味かもしれないけど、この世の中になくてはならない役割を果たしている。いろんな人のいろんな仕事によって自分の暮らしが支えられていることを、あらためて思い出させてもらった気がする。

僕も、自分の役割をきちんと果たさなければ。

夜桜

井の頭公園の夜桜

近所の木蓮もすっかり散ってしまって、今は桜が満開らしいのだが、今年はまだ桜の花を見かけてすらいない。それまで手こずっていた原稿が夕方までにどうにか形になったので、GR DIGITAL IVをひょいとカバンに入れ、吉祥寺まで歩いて、井の頭公園の桜を見に行った。

初めての店

終日、部屋で原稿を書く。週末とは思えないくらい、仕事のメールが頻繁に届く。忙しいのはどこも同じらしい。

夕方、晩飯を食べに外へ。最近、夜はあまり自炊できないでいるせいか、近所でよく行く何軒かの店に入るのは、間隔が短すぎてちょっと気が向かない感じ。だったらいっそ、初めての店に行ってやれ、と、駅前の通り沿いにある古びた中華料理屋へ。三鷹に住みはじめた頃からずっとあった店なのだが、なぜか今まで一度も入ったことがなかったのだ。

入口を開けると、中には誰もいない。奥から店のおじいさんが出てきて、甲高い声で席をすすめてくれる。700円の唐揚げ定食を注文。ほどなくしておじいさんが運んできてくれた定食は、大きな唐揚げが山盛りに、カボチャの煮付けの小鉢までついてる。ほうほう、と思いながら食べはじめる。味は‥‥普通。とてつもなくうまいわけではないけど、何というか、おうちで出てきそうな味。でも、こういう味だからこそ、この店はずっと地元の人に支えられて、淡々と続いてきたのかもしれない。

また、ふっと気が向いて、食べに来たくなる時があるかもしれないな。

去り行く人

午後、八丁堀で取材。今日は春の嵐が来ると天気予報に脅されていたが、取材がスムーズに終わったこともあって、行きも帰りもほとんど濡れずにすんだ。これを書いている今、窓には雨粒がひっきりなしに打ちつけている。

取材に行く電車の中で、友人のご家族の訃報を知った。僕自身は数回お見かけしたことがある程度なのだが、去り行く人の報せは、何ともやりきれない。それが、どんな人のもとにも等しく訪れるものであったとしても。

僕たちにできるのは、これからの日々の中で、自分にできる何かを、一つひとつ、丁寧に積み上げていくこと。そうして生きていけること自体の有難さを、あらためて感じておかねばと思う。