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徒歩15分

僕が住んでいる部屋は、三鷹駅から徒歩15分の場所にある。

部屋探し中に不動産屋さんでそう聞いた時、「ちょっと遠いかな」と思った。それまで一人暮らしをしてきたいくつかのアパートは、どこも最寄り駅から徒歩5分か10分の範囲内だったからだ。でも、実際に何年かここで暮らしてきて、徒歩15分というのは、結構絶妙な距離だなと思うようになった。

駅にもよるけど、徒歩5分とかだと、周辺の交通量や店の多さ(三鷹ならパチスロ店とか)が、住んでるうちにうっとうしくなる可能性がある。でも、徒歩15分の今の場所だと、完全に住宅街なので、駅周辺の喧騒から離れて暮らすことができる。かといって、不便に感じるほど遠すぎることもない。そもそも僕は、歩くのが無駄に速いし(苦笑)。

今日も、駅を通って反対側の南口にあるまほろばさんまでコーヒー豆を買いに行ったのだが、本屋に寄り道しつつ往復してくれば、1時間ほどの散歩になる。部屋に籠りっぱなしで運動不足になりがちな身には、ちょうどいい環境なのかもしれない。

次にどこか引っ越すとしても、また徒歩15分を基準にしてみようかな。

灰色の兆し

終日、部屋で仕事。原稿を書こうにもなかなか調子が上がらず、こまごました連絡業務にも振り回されて、自炊する余裕もなく、近所の中華料理屋へ。

いつもよく食べるホイコーローのかけごはんを注文したら、いつのまにか値上がりしてることに気付いた。700円だったのが、750円に。ほかのメニューも軒並み値上げのようだ。消費税やら、急な円安やらに振り回されて、飲食店も大変なのだろう。

牛丼チェーン各社が200円台の牛丼を300円台にするとかで巷ではニュースになっているが、もともと価格競争で安くなりすぎてたものが元に戻っても、まあそんなものかなと思う。でも、なじみのごはん屋さんが、たぶん値上げしたくないのにこらえきれず値上げに踏み切ってるのを見ると、今の状況、これでいいのかと思わなくもない。

経済に限らず、今の日本の社会全体に、どんづまり感が漂っているような気がする。認めたくないものから目をそらし、都合の悪い指摘には耳を塞ぎ、理不尽な強要にも仕方ないとあきらめる。憂さ晴らしに他の国の人々を匿名のネット上で悪罵して、日本の国は美しいなどと持ち上げる記事や本を読み漁って悦に入る。くだらない。

世界から色が失われ、灰色に変わっていく兆しなのだろうか。

冬の足音

夕方、コーヒー豆を買うために、外へ。

日が暮れるのが、ずいぶん早くなった。朝から降ったり止んだりの雨で、近所の公園のイチョウもずいぶん葉を散らしている。今日はまだ、雨上がりで風もぬるいけれど、たぶん明日か明後日からは、ぎゅうっと冷え込んでくるのだろう。

秋は唐突に終わりを告げ、冬の足音が、ひたひたと聞こえる。

まるっとお見通し

先週の後半から取り組んでいた、タイ案件のグラビアページの作業がほぼ完了。少し間を空けて推敲をかけて、写真も一通りチェックすれば、今週中には納品できるだろう。

夕方、まほろば珈琲店までコーヒー豆を買いに外に出て、帰りに啓文堂書店で、ジュンパ・ラヒリの「低地」を購入。前から気になっていた本だったので、今の仕事が一段落したら読もうと思ったのだ。

で、家に帰りながら何の気なしにiPhoneでメールをチェックしたら、大学案件の取材依頼が。まるで、すべてまるっとお見通しだったみたいだな‥‥大阪の担当さん、さすがだ(苦笑)。

巻き戻るもの

終日、部屋で仕事。ここ最近、ずっとかかりきりだったタイ取材のデータチェックの取りまとめや写真のセレクトがようやく終了。明日の打ち合わせにも間に合いそうだ。

帰国して以来、何かといろいろ気忙しかったけれど、それも四週間以上休みなしで駆けずり回っていたタイでの日々に比べれば、だいぶマイルドな状態だったと思う。気候も穏やかで、ごはんはおいしいし、たっぷり寝られるし。家で自炊したり、コーヒーをいれたりしてると、いろんなものが本来の位置に巻き戻っていくような気がする。

まあ、すっかり日本時間に巻き戻ったら巻き戻ったで、そのうちまたそわそわしてきて、どこそこに行きたいなどという妄想が頭をもたげてくるのだろうな。困った病だ(苦笑)。