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つまらなくなる街

午後、ぼうぼうに伸びた髪を切ってもらうため、三鷹の南口にある理髪店へ。

駅を抜けて階段を降り、細い道に入ると、左右に並ぶ店が、軒並み閉店してしまっている。このあたりに再開発で高層ビルが建てられるという話は、少し前から聞いてはいたが‥‥。昔ながらの喫茶店やごはん屋さんが、ひっそりと入口を閉じ、閉店のお知らせの貼り紙を貼っている。無念さのにじむその文面を見ていると、何だかやるせなくなる。

三鷹だけでなく、中央線沿線のあちこちで、似たような再開発が次々に行われていると聞く。再開発を十把ひとからげに悪いと決めつけるつもりは毛頭ないけれど、どこもかしこも、つるんときれいな外観のビルに、どこかで見たような小洒落たテナントが並んでいる街は‥‥つまらないんじゃないかな、やっぱり。少なくとも、個人的には。

本当の意味で、街を面白く、居心地よくするのは、大仰な都市開発とかではなく、一人ひとりの小さな営みなんじゃないかと、僕は思う。

年初の挨拶

夕方、年明け恒例のひばスタ開催中のリトスタへ。肉団子とサブジとピタパンのセットと、かぶのポタージュ(これが超うまい)、ひばり屋さんのコーヒーとタルトタタン。晩ごはんは軽めにと思っていたので、ちょうどよかった。お店のみなさんに、年初のご挨拶。

仕事関係の人たちとメールや電話で年初の挨拶を交わすのは、明日の月曜からになる。それと同時に、取材やらイベントやら何やら、いろんなことが再び動き出すのだろう。正月は終わり、日常が戻ってくる。そのことにどこかほっとしている自分もいる。

さあ、顔を上げて、再び、前へ。

スキップ

冷たい雨の降る朝。7時に起き、コーヒーをいれて、昨日買っておいたパンを食べながら飲む。今日は午前中から、ラジオ番組の収録だ。カフェインで頭をしゃっきりさせておかなければ。

半蔵門にあるラジオ局の前では、併設のホールで何かのアイドルのコンサートが催されるらしく、整理券待ちの長い行列ができている。あまりに雰囲気が違うので、一瞬、場所を間違えたのかと思った(苦笑)。スタジオのあるフロアまで上がり、軽い打ち合わせの後、約一時間半の収録。例によって緊張したけど、パーソナリティのお二人にも助けられて、どうにかこうにか乗り切れたような気が‥‥する。あとは、編集でどうにか‥‥(苦笑)。

今年最後の仕事を終え、ラジオ局の外に出ると、雨は止んでいた。四ツ谷まで歩き、かつれつたけだでカキのバター焼定食を食べる。至福の味。ようやく肩の荷が下りてほっとしたからか、やたらに眠い。

電車で三鷹に戻り、駅から家までの道を歩いていると、少し前を、若いお母さんと女の子が歩いていた。ぴょんぴょんとスキップしながら歩く女の子に合わせて、お母さんも、ぴょんぴょん、と時々スキップ。美しい光景だなあ、と思った。

錯覚

この間、ネット通販でフェローズのバンカーズボックスを買った。仕事関係の資料、特に海外取材で手に入れるパンフなどは簡単に捨てられないのでたまる一方だし、テントやマットレスといったアウトドア道具もかなりごちゃごちゃ増えてきて、置き場に困っていたのだ。

バンカーズボックスは組み立ても簡単だし、容量も、強度も十分。とりあえず目につくものをかたっぱしから放り込んで、部屋の隅に3箱積み上げてみたが、見た目も白くてしゅっとしたデザインなので、違和感がない。普通のダンボール色の箱だったら、引っ越し直前みたいな雰囲気になっちゃうし。

それまで雑然としていた部屋の中が一気に片付いたので、すっきりしたなー、と、ちょっといい気分になっていたのだが、冷静に考えると、部屋にあるものが減ったわけでもなんでもなくて、単に箱に放り込んで、目につかないようにしただけなのだった。錯覚というか、問題の先送りというか(笑)。まあ、いいか。

クリスマスイブ

終日、部屋で仕事。タイのグラビアの初校をチェックして戻し終え、ほっと一息ついたと思ったら、別の仕事関係のメールが立て続けに着弾。そうすんなりとは仕事納めをさせてもらえそうにない。

夕方、食材の買い出しのため、外へ。近くのコンビニやパン屋の前では、サンタコスプレに身を包んだ女の子たちが、冷たい風に身を震わせながらチキンやケーキを売っていた。クリスマスイブの今日も、みんなそれぞれの場所で、それぞれの戦いをしながら生きている。

うちも、今夜の晩ごはんはチキン。スーパーのお惣菜の唐揚げだけど。うまいよ、唐揚げは(笑)。