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収納の追求

三鷹から西荻窪に引っ越してきて、一年と少々が過ぎた。引っ越し当初はバッタバタだった部屋の中もだいぶ落ち着いてきて、しっくりくるようになってきた感はある。

1LDKの部屋での二人暮らしなので、そんなに広々と使えるわけでもなく、収納スペースも割と限られているので、二人分のモノをいかに邪魔にならないように収納するかが、引っ越し当初からの課題だった。特に僕の方が、異様に本が多かったり(引っ越し前にだいぶ処分はしたのだが)、カメラ機材も多かったり、その上なぜかアウトドア関係のウェアやグッズもたくさんあったり(たとえば寝袋が春夏秋用と厳寒期用と2つもあったり)で、相方にだいぶ迷惑をかけてるので、収納に関しては相当に頭を使った。

役に立ったのは、やはり無印良品。使いやすいサイズ感とバリエーション、コスパは最強だと思う。最近では、酒瓶とかを安定して保管するための薄型の棚とかを無印で調達している。この週末も、壁に取り付けるフックなどを無印で物色してこようかと思案中。

広々とした家に住むのはそりゃ快適だろうとは思うけど、こぢんまりした家であれこれ工夫しながら居心地よく暮らすのも、面白いなあと思う。

切れる縁、切れない縁

子供の頃は、友達と何かでもめてケンカしたりしても、割とすんなり仲直りできていたように思う。

ケンカした後もこじれたままになるようになったのは、高校生くらいからだろうか。それなりに頭がよくなって、自分の行動に理屈をつけられるようになったからか。相性のよくない人とはある程度距離を置く、という小賢しい方法も使うようになった。

大人になってから知り合った人とも、何かのきっかけで、うまくいかなくなることが時々ある。ふりかえってみると、僕の場合はほとんど、仕事で繋がりのあった人とのトラブルだった。

自分が大切にしている仕事に関して、不義理なこと、筋の通らないことをされたなら、たとえ相手が企業だろうが何だろうが、黙って受け入れるわけにはいかない。相手が自身に非があると認めないのであれば、それまでと同じように仕事のやりとりを続けていくことはできない。謝ろうとしない相手を許すことなど、できるわけがない。

子供の頃のように、感情的な好き嫌いとか、お互いのどこが悪かったとか、単純にわかりあえるなら、謝ることも、許すことも、簡単なのだろうなと思う。とかく大人は、自分で理屈をつけて言い訳してしまうから、めんどくさい。そういう人を相手に、個人事業主としてまっとうに筋を通して生きていこうとするだけでも、むつかしい。

その一方で、これはもう切れてしまうかなと思っていた縁が、切れずに繋がり続けたという経験も、少ないながらある。それはたぶん、お互いがお互いにとって大切な存在だったから、それぞれが少しずつ歩み寄って、繫ぎ止めることができたのだろうと思う。逆に言えば、何かがあっても歩み寄ろうと思えない間柄は、遅かれ早かれ、離れていくということなのだろう。

切れる縁は切れるし、切れない縁は切れない。そういうものなのかなと思う。

ぽんこつ物書き

本を書いている時の物書きは、脳内が常時、文字で埋まってしまってるので、往々にして、日常生活でぽんこつな振る舞いをしでかす。

たとえば、僕自身がついさっきやらかしたのだが、風呂に入りに行って、洗い場でシャワーを使って身体を洗った後、風呂そのものに浸かるのをすっかり忘れたまま、タオルで身体を拭いて出てきてしまったり。居間に戻ってからハッと気付いて、風呂に浸かり直しに行ったけども。

執筆の方はまだまだ始まったばかりなので、これからもいろいろぽんこつなことをしでかしてしまいそうで、ちょっと怖い。まあ、ぽんこつなのは、今に始まったことじゃないけれど。

留守番初日

相方は今日から二泊三日で、関西の実家方面に帰省。僕は新しい本の原稿に集中するため、東京に一人で残らせてもらうことになった。

考えてみると、僕が東京で一人で留守番をしてるという状況は、かなりレアだ。僕がどこかよその国に出かけて、相方が留守番をしてくれているという場合はよくあるのだが(というか1年のうち3、4カ月はそうなのだが)、逆のケースはほぼ初めてかもしれない。

原稿は原稿で粛々と取り組むとして、一人で過ごす二日半、何をして謳歌しよう……としばし考える。相方は「ちょっといい肉でも買ってきて、ステーキでも焼けばいいじゃない」と提案してくれて、僕も半分その気になってたのだが、中途半端に高い肉を買って焼いて「まあこんなものかな」と一人合点するより、確実にうまくてがっつり満足できる方がいいと思い直し、豚バラ肉を200グラム買って、たっぷり生姜焼きを作って、もりもり食べた。

ステーキ肉に投資するはずだった予算は、ちょっとお高いブルーチーズを買うのに回した。この後、風呂上がりにジントニックを飲む時のつまみにする。そんなこんなで、ささやかに留守番初日を謳歌していたりする。

山あり谷ありの中で

どうも、2019年という年は僕にとって、異様に浮き沈みの激しい、山あり谷ありな年になってしまっている。

年の初めに割と(かなり?)厳しめの取材をして、どうにか無事切り抜けたと思ったら印パ武力衝突でその後の取材を邪魔されて。去年から準備していた企画を春先から着々と発表していって、ここからアゲアゲだと思ってたら、そこから二度三度とひっくり返され、最終的に全部徒労に終わって。何か致命的なミスをやらかしただろうか、と自分で自分を省みてみたが、どう考えても何から何まで外的要因に振り回されての結果のようなので(苦笑)、自分ではお手上げというか、やれやれとため息をつくしかない。

それでも、以前相方に言われた「見てる人は、ちゃんと見てる。わかる人には、必ずわかる」という言葉がまったくもってその通りだったことは、身をもってしみじみ実感している。どうにもならない理由でしんどい思いをしていた時、僕なんぞに、どれだけたくさんの方々が優しい言葉をかけてくれたことか。本当に心の底から、ありがたいなあと思う。

そうした方々の思いにほんの少しでも報いるためにも、僕はこれから己の全力を賭して、新しい本に取り組む。必ず良い本にしてみせる。それが僕の役割だ、と思う。