Tag: Life

はっと我に返る

昨日の夜のうちに仕訳帳を整理して数字の確認を終え、今日は昼のうちに、決算書や申告書類を作るための準備。これであとは、来週末以降に税務署に行って、最終的な書類を作って出すだけだ。ほとほと疲れ果てたけど、一番嫌な作業が片付いたので、ほっとした。

晩飯にレタスと根菜のスープを作って食べ、さて次は何の作業をすればいいのか……とりあえずシャワーを浴びながら考えよう……と思って、熱い湯を浴びているうちに、はっと我に返った。毎日々々、朝から晩まで、常に何かをやり続ける必要はない。それでなくても、ここしばらく、いろんな作業に振り回され続けていたのに。明日の昼には新しい本の再校もどっさり届くし、今夜くらい何もしない時間を作らないと、そのうち神経が焼き切れてしまう(苦笑)。

「時間のあるうちに、何かしておかなきゃ」という強迫観念に、いつのまにか飲み込まれかけていた。落ち着け自分。

残りの時間

昨日、本屋に入って、ぶらぶらしながら棚を眺めていて、ふと、僕にはもう、ここに並んでいる本を全部読み通すだけの時間は、たぶん残っていないのだろうな、と思い当たった。

世界地図を眺めてみると、確かに、今までに行ったことのある国はそれなりに多いけど、行ったことのない国、行きたい場所に全部行けるかというと、たぶん、そこまでの時間は残っていない。

今、僕は本を作る仕事をしているけれど、はたして、あと何冊、作ることができるだろうか。10冊? 5冊? それとも……。

願いを全部叶えるだけの時間は、僕にはない。結構歳も取ったし、そもそも人間の寿命なんてたかが知れている。残りの時間の中で、何を選び取るか。これからは、今まで以上に慎重に、考えなければならないのかな、と思う。

タフでありたい

以前、レーのノルブリンカ・ゲストハウスに泊まった日本人の方がメールで教えてくれたのだが、その人がデチェンに僕はどんな人間なのかと訊いたところ、デチェンは「タカ? タカはね、なかなかタフだよ」と答えたのだという。僕にとって、それはある意味、最上級の褒め言葉だ。実際、自分はタフかと問われたら、そうでもない、と答えると思うけど。

何かを誰かと競い合って、それを勝ち取りたい、周囲よりも優れた存在でいたい、とは、正直まったく思わないし、興味も湧かない。ただ、願わくば、タフでありたい、とは思う。ここで言うタフネスとは、単なる身体の強さというより、「人が人として生き抜くための強さ」だと僕は思う。生活をきちんと自己管理できる几帳面さ。面倒な作業でも粘り強く続けられる集中力。そのへんにあるものでささっと料理ができる腕前とか、何気ない会話で人の心を解きほぐせる気遣いとか、それから……。人としてまっとうに生き抜くために必要なことは、日々の暮らしの中に、本当にたくさん潜んでいる。

だから僕は、タフでありたい。今よりもタフになれたら、他の人に対しても、もっと何かをできる余力が生まれるかもしれないから。

生き方を自分で選ぶということ

年末年始に実家方面の人間たちと会った時、何かと話題に上っていたのは、春から高3になる姪っ子の進路についての話だった。

岡山で中高一貫の進学校に在学している姪っ子は、周囲の優秀な子たちと相対的に比べられることもあって、学内での成績はあまり良くはないそうだ。本人の勉強に対するモチベーションも、あまり高そうには見えない。将来、具体的に何かやりたいことがあるというわけでもなさそうだ。

母親(=僕の妹)をはじめ、周囲の大人たちは、半ば腫れ物に触るようなおっかなびっくりさで、それでも姪っ子の進路を案じている。その気持もわからないではないけれど、僕個人は正直、彼女がどこの大学に行こうが、何の職業に就こうが、ある意味、どこでも何でもいいと思っている。そんなことは、後からいくらでも取り返しがきく。生きていて、状況が許すかぎり、勉強はいつでもどこでだってできるし、仕事も何度でも変えられる。

特に若い時、やり方としてよくないのは、難しいから、苦手だから、という消極的な理由だけで、消去法で選択肢を狭めていってしまうことだと思う。考え抜いて選ぶべきなのは、大学でも、職業でもない。自分はどういう生き方をしたいのか、ということだ。周りの大人が「あなたはこうすれば大丈夫だから」と選択肢をあてがってやるのでは、まるで意味がない。それだと、失敗した時に他人のせいにしてしまう。自分自身で選び取った生き方なら、失敗しても自分の責任だと思えるし、その失敗を何らかの糧にして再び立ち上がることもできる。

生き方を選べる境遇にいるのなら、選ぶべきだ、自分自身で。生き方を消去法の他人任せにしたら、きっと一生後悔する。

大掃除

仕事の進行にちょっとだけ余裕ができたので、今日は昼のうちに、部屋の大掃除をすることにした。

考えてみたら、自分の部屋をまともに掃除したのって、9月以来か(苦笑)。取材でタイに行って、戻ってきたら仕事に忙殺されて、掃除といえばせいぜい、目立つところの埃を取り除いていたくらいだった。道理で、室内がすさんだ雰囲気になっていたわけだ。

あちこちに積もった埃を払い落とし、掃除機をかけ、雑巾で拭き、台所とトイレも掃除し……と、自分にしては結構まめに、徹底的に掃除した。作業中の書類とかを雑多に積んだままの一角もまだあるけれど、それは見なかったことにして(苦笑)。

それでもまあ、掃除をひと通り終えてみると、部屋も気分も、だいぶすっきりした。まともな人間が住んでる部屋らしくなったな(笑)。