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懐かしい味

今日はカレーが食べたいな、と思い立つ。いつもなら、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、豚肉と、清く正しい日本のカレーライスを作るのだが、今日は何だかメンドクサくなって、冷蔵庫にあったカリフラワーとカレーペーストを使って、インド風のカレーを作ってみることにした。

ショウガとニンニクとタマネギをみじん切りにして炒め、小さく刻んだカリフラワーを投入して炒め、カレーペーストと水を適量加えて、15分ほど弱火で煮る。本当は、トマトかトマトピューレを少し入れた方がいいのかもしれない。ともあれ、あっというまにゴビ・サブジの完成。

ショウガをたっぷり刻んで入れたのが正解だったようで、我ながら、なかなかおいしい。ぱくぱく口に運んでいると、ラダックでよく食べていたサブジを思い出して、懐かしくなってしまった。インドでは、カリフラワーはカレーの具としてポピュラーな野菜で、夏場はレーの町でもよく食べられている。トレッキングで標高5000メートルの世界を旅していた時、ホースマンが晩飯に作ってくれたゴビ・サブジの、はらわたに沁みるうまさは忘れられない。

そうか、作ろうと思えば作れなくはないんだな、あの時の味が。標高はだいぶ違うけど(笑)。

ラダックを書く

午後、中野にある風の旅行社へ。同社が発行している情報誌「風通信」の次号に、ラダックについての文章と写真を寄稿することになったため、その打ち合わせ。あと、水面下で進めている他の企画についても話し合う。

普段、ラダックの文章を書く仕事にはなかなか出会えないので、こういう時はやっぱり、モチベーションが上がる。文章のテーマも写真のセレクトも、ほぼ僕の好きにしていいということだったので、なおさらだ。さて、何について書こう‥‥と、思いは頭の中をぐるぐる回り、今抱えている他の仕事をうっかり忘れそうになる(笑)。

僕にとって、ラダックを書くということは、自分自身の中にある思いを書くことでもあるのだな、と思う。なぜだかわからないが、他のどんなテーマの文章よりも、ラダックの文章を書く時が一番素直に自分自身の言葉が出てくる。たぶん、もう骨の髄までラダック色に染まっているのだろう(笑)。

風通信」の次号は四月初旬に刊行される予定とのこと。興味のある方は同社にお問い合わせを。

Facebook雑感

終日、家で仕事。ラダック脳とIT脳を頻繁に切り替えなければならないのが、やりにくいといえばやりにくい(笑)。

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昔、Webデザイン専門誌の創刊に関わったりしていたこともあって、新しいWebサービスが現れたら、とりあえず試すようにはしている。ミクシィやTwitterも比較的早い時期から始めていたし、最近話題のFacebookのアカウントも以前から一応持っている。

ただ、Facebookに関しては、今のところあまり積極的に活用しようという気にはなれない。とにかく、インターフェイスの使い勝手が悪すぎる。世間では、「Facebookが日本でイマイチパッとしないのは、日本人が匿名でのネット利用に慣れているからだ」と分析する向きもあるが、僕は単純に、インターフェイスデザインの未熟さが原因だと思っている。日本人は扱いにくさを我慢することに慣れていない。

とはいえ、便利な面もある。それは、海外に住んでいる知り合いともコミュニケーションが気軽にできるということ。ラダック人の知り合いとのやりとりは、最近はすっかりFacebookに一本化された。ついさっきも、ノルブリンカ・ゲストハウスの次男のジミからメッセージが来て、それを読んでいたら、長男のアチュクがチャットに呼び出してきた。何なんだあの兄弟(笑)。

ともあれ、Facebookにはもうちょっとこなれてスマートになってほしいな、と思う。

流れに乗る

昼、リトスタで打ち合わせ。相手はとあるNPO法人に関わっている、またしても初対面の方。

そのNPO法人は以前、ラダックに関するかなり有名な本を訳出したことがあるのだが、今回、数年前から絶版になっているその本を新たな形で復刊させることになったらしい。で、それに載せるラダックの写真が必要ということで、僕のところに打診が来た‥‥といういきさつ。

先週といい今週といい、年明け早々、僕の周囲ではラダック絡みの話が立て続けに持ち上がっている。もちろん、全部が全部ちゃんとした仕事に結びつくかどうかはまだわからないが、少なくとも、それほど悪い流れでもなさそうだ。流れに乗れるなら、抜け目なく乗ってしまうにかぎる。

ここのところ、企画の仕込み中心でしばらくのんびりしていたけれど、また忙しくなりそうな気配。

いきなり本丸

昼、リトスタで人に会う。とある旅行会社の方で、今月末から視察も兼ねてチャダル・トレックに行くため、僕にいくつか聞きたいことがあったのだという。

お互いにラダックや他のチベット文化圏をよく知っていることもあって、話はずいぶん盛り上がった。でも、一番驚いたのは、僕が水面下で進めている本の企画について話した時。「あそこの出版社から出せるといいんですけどねー」と何気なく口にしたら、「あ、その出版社の編集部の方、知り合いですよ。ご紹介しましょうか?」という申し出を受けたのだ。詳しく聞いてみると、まさに僕が企画の持ち込みを打診しようとしていた部署の責任者の方だった。これから城攻めに取りかかろうと思っていたら、いきなり本丸に突入してしまった感じ。びっくり。

その後、話はトントン拍子に進んで、再来週あたりには最初のプレゼンをさせてもらえそうなところまで漕ぎ着けた。この企画が先方の社内で生き残れるかどうかはまだわからないけど、うまくいけば、ちょっと面白いことになるんじゃないかと思う。手持ちの武器を各種取り揃えて、プレゼンに備えるとしよう。