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『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』

『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』
文・写真:山本高樹
価格:本体1300円+税
発行:産業編集センター
B6変形判344ページ(カラー16ページ)
ISBN978-4-8631-1302-2

2021年6月中旬に、新刊を上梓することになりました。『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』から『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』までの間に横たわる、ラダック、ザンスカール、スピティで過ごした十年余りの旅の日々を、一冊に凝縮してまとめ上げました。これまで詳しい内容を発表していなかった各地でのトレッキングの記録をはじめ、十年間という歳月を積み重ねてきたからこそ書くことのできた、濃密な内容になったと思います。

すでにアマゾンなどでは予約を受付中です。よろしくお願いします!

竹沢うるま×山本高樹「空と山々が出会う地で、祈りの在処を探して」


写真家の竹沢うるまさんとのトークイベントに出演することになりました。昨年末に刊行された竹沢さんの紀行『ルンタ』と、僕が一年前に上梓した『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』のW刊行記念トークイベントです。

開催日時は4月17日(土)19時から、下北沢の本屋B&Bにて。少人数のご来場を受け付ける予定で、配信視聴による参加も可能です(アーカイブ視聴もご用意します)。サイン本付きの設定もあります(「冬の旅」のサイン本ご購入の方には「夏の旅」もお付けします)。予約方法や注意事項などの詳細は、下記のリンク先をご参照ください。

きっと面白いイベントになると思います。ご予約、お待ちしています!

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竹沢うるま×山本高樹
「空と山々が出会う地で、祈りの在処を探して」
『ルンタ』(小学館)『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)W刊行記念

インドのスピティやザンスカール、ネパールのムスタン、中国の青海省と四川省など、世界各地のチベット文化圏をめぐる足かけ3年に及ぶ旅を綴った紀行『ルンタ』を上梓した、竹沢うるまさん。

インドのザンスカールで真冬に催される幻の祭礼を見届けるため、極寒の世界を歩いて旅した日々の記録を、紀行『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』に綴った、山本高樹さん。

旅した地域やテーマにも共通点の多い、この二人の著作のW刊行記念イベントを開催します。

二人が旅したチベット文化圏は、今の私たちが暮らしている、あふれんばかりの情報や物資に満たされている社会とは、対極の存在にあります。あらゆることが不便であるはずの辺境の地で暮らす人々の表情は、不思議に穏やかで、満ち足りているように見えた、と二人は言います。それはいったい、なぜなのでしょう。

変わっていくものと、変わらないままのもの。祈りとは、心とは、人が生きる意味とは。旅の果てに、二人がそれぞれに見出したのは……。

旅や写真、チベット文化圏に興味のある方はもちろん、今の社会にどこかしら生きづらさを感じている方にも、ぜひ聴いていただきたい、注目のトークイベントです。

■日時:2021年4月17日(土)19:00〜21:00

■会場:本屋B&B
世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F
http://bookandbeer.com/

■参加費
【来店参加】:1500円(税別)
【配信参加】:1500円(税別)
【配信参加+サイン本】1500円+『ルンタ』2500円(税別)
【配信参加+サイン本】1500円+『冬の旅』1800円(税別)
【配信参加+サイン本】1500円+『ルンタ』2500円+『冬の旅』1800円(税別)
※書籍の発送はイベント後となります。

■参加方法
下記のページで、記載されている注意事項をお読みの上、お申し込みください。
https://bb210417c.peatix.com

■登壇者プロフィール
竹沢うるま(たけざわ・うるま)
1977年生まれ。ダイビング雑誌のスタッフフォトグラファーを経て、2004年より写真家としての活動を開始。2010年〜2012年にかけて、1021日103カ国を巡る旅を敢行し、写真集『Walkabout』と対になる旅行記『The Songlines』を発表。2014年第三回日経ナショナルジオグラフィック写真賞受賞。その後も、チベット文化圏を捉えた写真集『Kor La』(小学館)と旅行記『ルンタ』(小学館)など、写真と文章で自身の旅を表現している。最新作は写真集『Boundary_境界』(青幻舎)。「うるま」とは沖縄の言葉でサンゴの島を意味し、写真を始めたきっかけが沖縄の海との出会いだったことに由来する。

山本高樹(やまもと・たかき)
1969年生まれ。著述家・編集者・写真家。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、『地球の歩き方インド』『地球の歩き方タイ』の取材などで、世界各地を飛び回る日々を送っている。主な著書に『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)、『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』(地球の歩き方)など。

ぼっち合宿のたくらみ

先月の半ば頃から、原稿の執筆に取り組んでいる。来年出す予定の、ラダックについての新しい本の原稿。

書き始める前に、全体の構成や各部分のプロットはきっちり決め込んでおいたし、原稿自体もまずまずのペースで書き進めているのだが、何しろ、まるごと一冊書き下ろしなので、それなりに時間はかかる。この間試算してみたら、最後まで書き終わるのは来年の二月、推敲とリライトが終わるのは三月頃になりそう。長丁場である。

こういう長丁場の仕事は、日々淡々とマイペースで取り組み続けるしかないのだが、たまにはスカッと気分転換したいし、家とは違う環境で執筆に集中できるならなおいい。そこで、しばらく前から噂で聞いていた、温泉旅館での原稿執筆プランというものに申し込んでみることにした。このプラン、1日3食の食事付きで、朝と晩には温泉に入れて、それ以外の時間はずっと和室の客室で原稿に取り組めるというもの。無料オプションで原稿進捗の確認や読後の感想なども頼める(僕は頼まないけど、笑)。この原稿執筆プランを、来週明けから3日間ほど使ってみようと思う。

泊まるのは、超高級とまではいかないものの、それなりに良い旅館で、普段ならそう何泊もできないお値段なのだが、今回は例のGO TOなんちゃらで宿泊料金が35%オフになるのを利用することにした。あの一連の政策自体にはいまだにまったく賛成できないが、それの原資が自分の納めた税金からむしり取られてるのも事実なので、極力ほかの人に迷惑をかけない原稿執筆ぼっち合宿というやり方で、納めた分を取り戻そうと考えた次第。

まあ、自分の性格上、自腹を切って合宿したら、元を取るべくめちゃくちゃ集中して書くと思うので(笑)、いい形でスパートをかけられるよう、頑張ります。

ヨーイドン

午後、千石で打ち合わせ。来年出すことが決まった、新しい本について。

オンラインとかでなく、対面で仕事の打ち合わせをするのは、たぶん半年ぶりくらいだ。今回の打ち合わせも、「いつもなら小さめのミーティングスペースでやるんですが」と担当編集さんに案内されたのは、14、5人での会議もできるくらいの大きな会議室。ドアも開けて換気にも気を遣っていただいていて、ありがたいことだなと思う。

打ち合わせ自体は、とてもスムーズかつなごやかに進み、諸条件も特に問題なく合意し、つつがなく終えることができた。春先に企画を提案して以来、だいぶ時間がかかってしまったが、これで本格的に執筆に取りかかることができる。ヨーイドン、と自分で自分に声をかけたくなる気分だ。

……ぶっちゃけ、先方で検討してもらっている発売時期を考えると、そんなに悠長に構えてもいられなくなったので、実はちと焦っている(苦笑)。

次の本へ

四月下旬に『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』を雷鳥社から刊行したばかりだが、来年、別の出版社から、ラダックとその周辺についての新しい本を出すことが決まった。

本の企画を提出したのは四月、サンプル原稿を提出したのは五月だったから、決まるまでちょっと時間がかかったのだが、どうにか。具体的な刊行時期は、来年のうちに、という程度のおぼろげな状態。昨今のコロナ禍の影響で、どこの出版社も刊行スケジュールがいろいろ変更になっていて、てんやわんやなのだそうだ。それでもまあ、このご時世に、出版社から書き下ろしの新刊を出せることになったというだけでも、ありがたいことではある。

この本のために必要な材料はほぼ手元に揃っているので、これから半年くらいの間は、ひたすら家に籠もって原稿を書くことになる。考えてみると、去年の後半とほぼ同じ図式である。ただ、去年は十月に恒例のタイ取材が入ったことで執筆スケジュールが相当厳しかったのだが、今の状況だと、海外取材の仕事は来年春くらいまで入ってこないだろう。直近の収入源が減るのは確かに痛いが、その分、新刊の執筆に集中できると割り切って、ポジティブシンキングで取り組んでいこうと思う。

ああでも、楽しみだなあ。また一冊、本を作ることができる。今度もせいいっぱい頑張って、良い本にしよう。

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川内有緒著・中川彰撮影『バウルを探して〈完全版〉』読了。ベンガルの吟遊詩人バウルを追ってバングラデシュを旅した紀行で、七年前に刊行されたものが約100ページの写真とともに生まれ変わった。武田百合子の『犬が星見た ロシア旅行』をほんのり思い起こさせる軽やかな(でも時々ドライな)文体で、自分自身の内面を手探りしながらの旅の様子が誠実に描かれている。初版の刊行直前に亡くなった中川さんがフィルムで遺した旅の写真と、その中川さんに宛てて書かれた川内さんの「手紙」が、刊行から月日を経たこの本を、文字通りの「完全版」にしている。作られるべくして作られた一冊だったのだな、と思う。