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人前に出ること

終日、部屋で仕事。手元にある書き仕事は昨日のうちに終わらせたので、今日は写真のセレクト。とりあえず、再来月にやる予定のトークイベント用の写真から。

今年は、春先に小規模なトークイベントに二つ出たのだが、来月末に一つ、再来月にも(僕にしては)かなり大規模なトークイベントに出ることになっている。今年はラジオからも何度か出演依頼を受けたし‥‥すべてラダック絡みとはいえ、いったいどうしたんだろ。

人前に出るのは本職ではないし、どちらかというと苦手だ。未だにイベントでもラジオでも、口の中がカラカラにひからびて粘膜がくっついてしまうくらい緊張する(苦笑)。でも、自分が取り組んでいること、自分が大切にしていることを一人でも多くの人に知ってもらうためには、こういう人前に出る機会をコツコツ積み重ねていかなければならないことも、身にしみてわかっている。

あー、人前に出ても口の中がひからびない方法って、ないかなー(笑)。

谷に吹く風

ひさしぶりに、ブログをプチリニューアル。ヘッダの写真を変えてみた。スピティの、キー・ゴンパ。

この写真を撮った時は、ちょっと手間取った。当初は、トレッキングの出発地点でもあったこのキー・ゴンパまでジープをチャーターして移動し、ここでゴンパの撮影をした後に何日かトレッキングを行い、帰りは別の村からローカルバスでカザに戻るという計画だった。ところが、キー・ゴンパに着いた時は、あいにくの曇天。写真は撮れなくはなかったが、どんよりとして面白味に欠ける絵柄だった。

で、ガイドのタンジン(テンジンという名のスピティ流発音。ラダックではスタンジンと発音する)と相談して、帰りに天気がよかったら、バスを途中下車してもう一度キー・ゴンパに行って撮影をし、そこからどうにかしてカザに戻ろうと決めた。なぜだかわからないが、このゴンパの写真は、それだけの手間をかけてもしっかり撮る価値があると感じたのだ。

結果は、ごらんの通り。焦点距離12mm(35mm判換算で18mm)のレンズで、スピティの谷に屹立するゴンパを気持よく捉えることができた。考えてみれば、ここまでワイドな画角でうまく画作りできるゴンパって、ラダックには意外と少ないかもしれない。この日も晴れていたのは朝の数時間だけで、昼にはまた曇り空になってしまった。ツキにも助けられた。

今年の夏のスピティでは、ほかにも割と納得のいく写真が何枚か撮れたのだが、次に作る本のことなどもあるので、しばらくは出し惜しみしようかな、と思う。

出発前夜

明日からしばらくラダックに行くので、朝からその準備に追われる。ベッドシーツやら何やらを洗濯して乾かしたり、荷造りの仕上げをしたり。夕方までにどうにか終わったが、レーまで抱えていくガイドブックの見本誌10冊の重さに、早くも心が折れそうになる(笑)。

夜はリトスタで、恒例の最後の晩餐。冷やしナスの胡麻醤油だれ、アジフライ、レタスと塩豚の酢蒸し。しばらくはこういうものも食えなくなるなあ。まあ、仕方ない。メギで我慢しよう(笑)。

というわけで、こちらのブログは更新をしばらくお休みします。帰国は8月20日(月)の予定です。では。

再びラジオ収録

午後、六本木のJ-WAVEけやき坂スタジオへ。J-WAVEの番組に出演して、ラダックの話をすることになったので、その収録に。毎度のことながら、ラジオの収録はほんとに緊張する。いつまで経っても慣れない。

今回の話を持ちかけてくださった構成作家さんやDJの方をはじめ、番組スタッフのみなさんはほんとに感じのいい方々で、こぢんまりとしたスタジオの中も、とてもアットホームでいい雰囲気だった。マイクテストを兼ねての雑談の時から、すごく自然にリラックスした空気を作ってくださっていたのも、さすがだなあと思った。‥‥それでも緊張したけど(苦笑)。

本番中は、「‥‥あ、俺、緊張してる」と思ったら本当に固まってしまうので、無心の状態で、昨夜から考えておいた自分が今日話すべきことを、DJの方のフリに合わせて、あわてず話すように心がけた。うまく話せたのかな‥‥。終了後、「めっちゃ緊張しました‥‥」と言うと、「嘘でしょ? すごくゆったりと話してましたよ」と言われたので、それなりにはうまくいったのかもしれない。あとは、類まれなる編集術で何とかしてもらえれば‥‥。

そんなこんなで、どうにかおつとめ終了。さて、ぼちぼち荷造りを始めなければ。

力を出せる場所

先月下旬に発売された「ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット」が、まずまずの売れ行きを示しているらしい。もちろん、インドの山奥のマイナーな地方についてのガイドブックだから、何万部も飛ぶようにというわけにはいかないけど、その割にはまずまず、というところらしい。

僕はこれまで、いろんな雑誌の編集者やライターを務めてきた。だから、著作のラインナップに関しても、マルチというか雑食というか、言うなれば節操がない感じなのだが(苦笑)、他のテーマの本と比較すると、ラダックについて書いた本は、僕のところまで寄せられる反響の数が桁違いに多い。それ以外のテーマで出版社から執筆や編集を依頼された本でも手を抜いたりはしないが、やっぱり、自分が本来の力を一番出せる場所というのはあると思うし、また、それをこそ待ってくれている読者の方々もいるのだと思う。

吹けば飛ぶよなフリーランサーが日々の糧を得ていくには、ヨロズ屋稼業にならざるを得ない時期ももちろんある。でも、自分が一番力を出せる場所はどこか、読者が一番待ち望んでいるのは何かということは、常に考えていなければならない。特に最近は、自分本来のありようをもっとわがままに追求していってもいいのではないかと感じている。

今年の夏、再び彼の地を訪れて、誰もが呆れるようなことをやらかそうとしてるのには、そういう理由もある。