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つかのまの日本

昨日の朝、2カ月ぶりにインドから日本に戻ってきた。

今年のインド滞在は、大小いろんな仕事が入り乱れていて、あれやこれやとあたふたしてるうちに、いつのまにか終わっていたという印象。出発前には心配事がたくさんあったし、実際に渡航してからも、特にスピティでありとあらゆるトラブルに見舞われたのだが、最後の最後でツキに見放されずに、どうにか乗り切ることができた。そういう意味では、今年もソデチャン(ツイてる人)でよかったなあと思う。

で、ひさしぶりに日本に帰ってきたのはいいのだが、10日後には再び日本を離れることになってしまった。プレスツアーに同行しての取材で、南アフリカに10日間。そのツアーから戻ってきた後、10月初旬からは、毎年恒例のタイ取材に4週間。何が何だかわからないうちに、このまま2015年が終わってしまいそうな気配だ。

今も南アに出発する前にやらなければならない仕事が山積なのだが、とりあえず深呼吸でもして、目の前のものに一つずつ、確実に取り組んでいこう。

それは本ではない

神戸連続児童殺傷事件の犯人が書いた本が、週間ベストセラーランキングで1位になったそうだ。版元は初版の10万部に加え、5万部を増刷。その一方、一部の書店では販売を中止する動きも増えているという。

この本については、出版社と著者が事前に遺族の了解を取っていなかったというその一点だけで、完全にアウトなので、内容の是非を論ずるに値しないと僕は考えている。出版社の社長がこの本についてどれだけそれっぽい社会的意義を並べ立てても、遺族の了解という絶対に外してはいけない手続きを確信犯的に外している事実に変わりはない。正直、反吐が出る。この本を書いた今では少年ではなくなった男にも、出版社の関係者にも、そして、遺族の了解を得ていないとわかっていながらこの本を買った人にも。

本は、人に寄り添い、支えるためのものだ。絶対に、傷ついた人の心をさらにえぐるようなものであってはならない。そんな本があるとしたら、それは本ではなく、紙クズ以下のものだ。

本を作る仕事に携わる者として、力を貸してくれるスタッフや書店員さんたち、そして読者に顔向けができないような本だけは、絶対に作らないようにしなければ、と思う。

膝上と膝下

今年の夏は、男性用の服でもショートパンツが流行ってるらしい。アパレルショップにもたくさん並んでるし、街の中でも、もう結構大勢の人がショートパンツを穿いて歩いている。

僕自身、グラミチのクロップドパンツを新旧合わせて3本持っていて、夏の外出時にはローテで穿いている。ただ、個人的には、膝下まであるクロップドなら問題ないけど、膝上丈のショートパンツを外出用に穿くのは、正直ちょっと気後れしてしまう。何というか‥‥膝小僧が露出すると、守備力が下がっちゃうような気がして(笑)。

そのうち慣れっこになって、部屋着で穿いてるスウェットのショートパンツと同じような感覚で街にも繰り出すようになるのかもしれないけど。まあ、それ以前に、もうええ歳こいたおっさんだしね(苦笑)。

明けによろしく

今日は取材のため、茨城県の水戸へ。午前中に家を出て、中央線で東京まで行き、そこから特急に乗り換え。水戸駅からは機材を積んだカメラマンさんの車に同乗して目的地へ。なかなかの遠出である。

世間的にはすっかりゴールデンウイークに突入したと思われる、うららかな春の日に、こんなことになろうとは。東京駅の地下で買ったイベリコ豚重弁当を車内で食べて、ほんのちょっぴり、行楽気分を味わう。

「いや、今日は平日だから、取材が入ったって暦通りでしょ」と思う人もいるかもしれない。それは確かにそうなのだが‥‥ライターという仕事は、取材したら、原稿を書かなきゃならないのである。いつ書くか? 連休中だよね、そうだよね、進行とか考えると、「明けによろしく」って感じだもんね。

あー。仕方ない。これも仕事だ。

名前は覚えた

今の時期、家で仕事をしていて本当にうっとうしいのは、選挙カーである。今週末、武蔵野市議会議員選挙の投票があるからだ。

うちのマンションは三鷹駅北口の住宅地の中でもかなり奥まった場所で、普段は車もめったに通らないような静かな立地だ。国政選挙や市長選挙の時も選挙カーはここまで入ってこないのだが、市議会議員候補のみなさまは、なりふりかまってられないのか、閑静な住宅地であることなどおかまいなしに選挙カーで入り込んできて、スピーカーからでかい音で名前を連呼。原稿に集中してキーボードを叩いている時も、休憩で音楽を聴きながらコーヒーを飲んでいる時も、そんな騒音で邪魔されたら、ほんと、だいなしである。

選挙カーで名前を連呼しながら走り回ることに、何の意味があるのだろう。さんざん金を無駄遣いして、騒音で住民に迷惑をかけるだけなのに。いや、名前を刷り込ませて覚えさせるのには、少しは効果はあるのか。

よし。うちの近所で騒いでた候補者の名前は覚えておこう。その人たちには投票しないようにするために。