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明けによろしく

今日は取材のため、茨城県の水戸へ。午前中に家を出て、中央線で東京まで行き、そこから特急に乗り換え。水戸駅からは機材を積んだカメラマンさんの車に同乗して目的地へ。なかなかの遠出である。

世間的にはすっかりゴールデンウイークに突入したと思われる、うららかな春の日に、こんなことになろうとは。東京駅の地下で買ったイベリコ豚重弁当を車内で食べて、ほんのちょっぴり、行楽気分を味わう。

「いや、今日は平日だから、取材が入ったって暦通りでしょ」と思う人もいるかもしれない。それは確かにそうなのだが‥‥ライターという仕事は、取材したら、原稿を書かなきゃならないのである。いつ書くか? 連休中だよね、そうだよね、進行とか考えると、「明けによろしく」って感じだもんね。

あー。仕方ない。これも仕事だ。

名前は覚えた

今の時期、家で仕事をしていて本当にうっとうしいのは、選挙カーである。今週末、武蔵野市議会議員選挙の投票があるからだ。

うちのマンションは三鷹駅北口の住宅地の中でもかなり奥まった場所で、普段は車もめったに通らないような静かな立地だ。国政選挙や市長選挙の時も選挙カーはここまで入ってこないのだが、市議会議員候補のみなさまは、なりふりかまってられないのか、閑静な住宅地であることなどおかまいなしに選挙カーで入り込んできて、スピーカーからでかい音で名前を連呼。原稿に集中してキーボードを叩いている時も、休憩で音楽を聴きながらコーヒーを飲んでいる時も、そんな騒音で邪魔されたら、ほんと、だいなしである。

選挙カーで名前を連呼しながら走り回ることに、何の意味があるのだろう。さんざん金を無駄遣いして、騒音で住民に迷惑をかけるだけなのに。いや、名前を刷り込ませて覚えさせるのには、少しは効果はあるのか。

よし。うちの近所で騒いでた候補者の名前は覚えておこう。その人たちには投票しないようにするために。

思い出横丁

昼に東小金井、夕方に白金台で取材。今日は朝から不穏な空気で、雨混じりの強い風に傘があおられ、裏返って壊れないかとヒヤヒヤしながら歩く。

取材を終えた後、打ち合わせのため、新宿へ。てっきり喫茶店とかで会うのかと思っていたら、指定された場所は思い出横丁の脇にある居酒屋(笑)。もちろん、最初の1時間で打ち合わせはばっちりやったのだけれど、その後はそのまま楽しい飲み会になってしまった。

思い出横丁、ひさしぶりに通りがかったのだが、海外から来た人たちがすごく多かった。しばらく前からそうなのかな? あの横丁の佇まい、確かにフォトジェニックだし、観光で来た人にはたまらないと思う。街並って、ただすっきりきれいで歩きやすければいいってものでもなくて、猥雑な空気が時に人を惹きつけ、和ませることも確かだから。東京に海外からの観光客をもっと呼び寄せたいなら、あんまりどこもかしこも同じようにきれいにしすぎると、かえってダメだと思う。

さて、酒量は控えめにしておいたし、明日も明後日も取材だ。いろいろがんばろ。

ストレスとのつきあい方

これも、仕事で書いていた原稿に出てきた話題なのだけれど。

人間という生き物は、生きているかぎり、常に誰かと関わりながら生きていく。原野の中に小屋を建ててたった一人で暮らしていても、自分自身という人間と向き合わなければならない。誰かと関わっていれば、何かしらのストレスは生じる。どんな世界に生きていても、何らかの理由で多かれ少なかれストレスは感じるものだし、それはけっしてゼロになることはないのだという。そしてストレスは、避けようとすればするほど、逆に溜まっていくものでもあるという。

ラダックのようにのどかな場所でも、それは同じだ。確かに日本のように複雑でややこしい仕組みの社会ではないけれど、周り中の誰もが知り合いという狭いコミュニティの中で、変わらない日々を生きていくことにストレスを感じている人は少なからずいると思う。あと、ジャンムーなどラダックの外にある大学に進学したラダック人の若者には、学業に悩んで自殺する人が結構多いのだという。そういう種類のストレスに対する免疫があまりないからかもしれない。

ストレスは、ゼロにするのでも、避けるのでもなく、うまくつきあって、乗り越えていくべきものなのだそうだ。何か原因がありそうなら、それに関わる人たちと話をすれば、意見が一致しないまでも、互いの考え方の違いを知るだけでずいぶん気がラクになったりするという。いきなり大きなハードルを乗り越えようとすると往々にしてしんどいので、まずはほんの小さなハードルでいいから、トライして、乗り越えてみる経験を少しずつ積み重ねていく。そうするとだんだん、自分自身の力でストレスを乗り越えていくことができるようになるのだという。

まあ、世の中、そんなにすんなり乗り越えられることばかりじゃないし、むしろ僕の場合は断崖絶壁ばかりのような気がしないでもないけど(苦笑)、自分なりによじ登る術を身につけねばと思う。