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ところ変われば

午後、横浜中華街へ。今日からスタートする写真展の設営をしに行く。脇にはA2サイズのパネルを収めた袋を抱え、背中のバックパックには売り物の本やら何やら。先週の打ち合わせの時にA3のパネルだけ先に搬入しておいて、ほんとよかった。

パネルの設営は、一人で淡々と、3時間くらいかけて慎重に進めた。リトスタに比べると壁の凸凹が多いので、脱落しにくいようにパネルを固定するためにあれこれ検討しながら、壁にマスキングテープを貼り、その上から粗面用の両面テープでパネルを貼っていく。今回は2週間だし、何とかもってくれればいいのだが。

パネルをすべて貼り終えて会場を見回すと、三鷹の時とはまたひと味もふた味も違う、旅の情感がぐるりと渦巻いているような、とても濃密な雰囲気の展示になったように感じた。ところ変われば、写真の見え方も受け止められ方もずいぶん変わるものなのだなと思う。

横浜中華街での展示は、6月29日(水)まで。未見の方は、ぜひに。

京都一泊二日

恵文社一乗寺店で開催されるトークイベントに出演するため、土日の一泊二日で、京都に行ってきた。

恵文社一乗寺店は本当にうっとりするほど素晴らしい本屋さんで、店内をぶらぶらするだけでも、何時間でも過ごせそうな気がした。イベント会場の雰囲気もすごくよくて、あんな場所で大勢のお客さんを前に話をさせてもらえたのは、本当にいい経験になったと思う。

イベントの後は関係者の方々と近くで打ち上げをし、夜半前に、あらかじめ予約しておいた四条のホテルへ。何の変哲もないシングルルームだったが、よく眠れた。

で、今日はお昼前から京都市内のその他の本屋さんを何カ所か回った。誠光社では店長の堀部さんがご不在だったのが残念だったが、店内で棚を眺めているだけで、何かもう胸がいっぱいになってしまうほど幸せな気分になれた。そこからホホホ座、善行堂と、ちょっと蒸し暑い中をてくてく歩いて回った。行く先々で買った本で、ボストンバッグはどんどん重くなっていった。

おひるはイノダコーヒー本店へ。風情のある旧館の窓辺のソファ席に通してもらえた。一番深煎りのジャーマンブレンドと、ビーフカツサンド。このビーフカツサンドがめっちゃうまくて、もしかしたら自分史上過去最高のサンドイッチかもしれない。高かったけど、その価値はある。

気分もおなかもすっかり満足して、修学旅行生でごったがえす駅の近くで自分みやげに黒七味を買い、帰りの新幹線に乗った。小さな旅だったけれど、いい旅だった。

取材で水戸へ

日帰り取材で、水戸へ。去年のGW前に行ったのと同じ大学だ。東京駅から特急に乗って、水戸まで1時間以上かかる。水戸駅からはバスで20分。乗り継ぎ時間も半端ないし、やれやれという感じの遠さである。

こういうしんどい遠距離取材の時は、せいいっぱいおいしいものを食べてないとやってらんないので、往路は去年と同様、東京駅地下でイベリコ豚重弁当を調達。取材を終え、ヘロヘロになって東京駅に戻ってきた時は、八重洲地下のエリックサウスで、サバと焼きネギのアチャーリーフィッシュ。おかげでだいぶ癒された。食べ物の力はすごい。

しかしまあ、少しは平和になるかと思ってた5月、全然その兆しが見えない……6月も厳しいことになってきてるし……早くラダックに逃げたい……。

WORLDWIDE SESSION 2016

wws2016
明け方の嵐が過ぎ去った後、嘘のように晴れ上がった空。昼、電車を乗り継いで、新木場へ。今日は前から楽しみにしていたWORLDWIDE SESSION 2016の日。松浦俊夫さんとジャイルス・ピーターソンがキュレーターとなって、選りすぐりのアーティストを集めた新しいスタイルのフェスだ。

開場と同時に人がわっと集まる中、コロッケパンとビールで腹ごしらえし、臨戦態勢。松浦さんのDJの後、最初のアクトはミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル。まるでペルシャ絨毯のように緻密で繊細で、隅々まで感覚の行き届いたジャズ。その次に来たのは、大本命、サン・ラ・アーケストラ! ジャイルスによるコンピは前から聴いていたのだけれど、彼らの本当の凄さはライブでなければ体感できないということを思い知らされた。まもなく92歳になるという御大マーシャル・アレンがお茶目で、でもカッコよすぎて、最高だった。音楽って、こんなにも自由なのか。

ジャイルスによる約1時間のDJ(これもカッコよかった……)で場内はさらに盛り上がり、僕はその間にもう一本ビールを補充。トリはSOIL & “PIMP” SESSIONSと日野皓正さんのコラボ。日野さん作曲の「くまモンブルース」最高(笑)。ラストの曲が「Loud Minority」だったのも粋なはからいだった。最後の松浦さんの挨拶、なかなかうまく言葉にできないでいたけれど、このイベントに注いでいた気持が伝わってきた。

「希望的観測」とかでは全然ないと思うので(笑)、来年、またぜひ。

トレーニング中

最近、ずっと忙しい状態が続いていて、朝早くから取材に出かけなければならない日も多い。そういう時は前日のうちにコンビニで翌朝の朝ごはんを買っておく。サンドイッチとか、おにぎりとか。だから近頃は、ほぼ毎日のように近所のコンビニに立ち寄っている。

そのコンビニ、しばらく前から急に、店内にいる店員さんがほぼ全員、外国人の若者たちに切り替わった。誰も彼もみな、胸に「トレーニング中(名前)」という名札をつけている。二つあるレジを両方ともトレーニング中の彼らが担当してるのだが、彼らを指導する立場の日本人のスタッフはどこにも見当たらない。思い切ったことをするというか、極端な切り替えだなあ、何か裏であったのだろうか、と僕は一人訝っていた。とはいえ、彼らトレーニング中の若者たちは、みんな丁寧な言葉遣いで、すごくがんばっているように見えた。

で、今日の夕方、そのコンビニに立ち寄ってみると、ひさしぶりにレジ打ちの店員さんがみんな日本人だった。しかし……何だろう。変な感じに場慣れしちゃってるというか、いろいろいい加減というか。妙にカッコつけた巻き舌っぽい口調、商品を扱ってるのに荒っぽい手つき、おつりの雑な渡し方。

この間のトレーニング中の外国人の子たちの方が、よっぽど丁寧だった。君ら、再トレーニングした方がいいよ。