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いちごの味

晩飯の食材の買い出しに近所のスーパーに行った時、何の気なしに、いちごを1パック買った。ついでに練乳も。いちごに練乳をかけて食うなんて、もう、いつ以来だか思い出せない。何十年ぶり、くらいかもしれない。

実家のある岡山は気候が温暖で、果物栽培も盛んだった。子供の頃、果物は当たり前すぎるくらいいつも食卓にあった。マスカットや白桃など、東京で買うと目玉が飛び出るくらい高価な果物も(もちろん地元で出回るずっと安いものだが)、季節になれば毎日のようにぱくぱく食べていた。

いちごも確か、親戚が露地栽培していた記憶がある。子供の頃、収穫の手伝いというか、もいでは食べ、もいでは食べ、していた記憶もある(笑)。あの時食べた、小さないちごの味だけは、今も不思議によく憶えている。すっぱかった。でも、たまらなくおいしかった。お日さまの恵みが、ぎゅうっと詰まったような味だった。

二日連続日帰りで群馬

取材のため、昼から外出。昨日に引き続き、今日も群馬へ。昨日は板倉で、今日は前橋。そういえば、先月は高崎にも行ってたっけ。なんでこんな急に群馬ばっかり行く羽目になっちゃったんだろう。

今日は東京駅から高崎まで新幹線を使えたのだが、それでも家を出てから取材先まで、片道2時間半くらいかかる。群馬自体がどうこうではなく、とりあえず、家から遠いのがつらい。何やってるんだろ俺、と、車窓を流れていく景色を眺めながら、ちょっとたそがれた気分になる。

来週の金曜も、また高崎で取材がある。やれやれである。

パン屋と和菓子屋

午前中に駅前の歯医者に行き、帰宅後、連絡業務などもこなしつつ、原稿を書く。今週前半の風邪の影響で進捗が遅れているので、まめに書き進めないといけない。

夕方、Twitterで流れてきたニュース。小学校の道徳の教科書に対する初の検定が行われたらしい。

小学1年生のある教科書では、申請段階では、物語に友達の家のパン屋を登場させていましたが、「国や郷土を愛する態度」などを学ぶという観点で不適切だと意見がつけられ、教科書会社は「パン屋」を「和菓子屋」に修正しました。

心の底から、げんなりした。和菓子屋は国や郷土を愛していて、パン屋は愛してないとでもいうのか。こんな偏屈なものの見方をする人間が、教科書の内容を取り仕切っているのか。国や郷土を愛する前に、人間として忘れてはならない大切なものがあることを、見落としてるんじゃないのか。

僕はパンも和菓子も好きだけど、今の日本という国を動かしている連中には、本当に、うんざりだ。

批判と憎悪の違い

終日、部屋で仕事。明日の取材の準備をして、昨日取材した分の原稿を少し書き進める。

ネット上では、大阪のトンデモ幼稚園&小学校の話題がかまびすしい。いろんな情報や憶測が飛び交う中、右寄りな人と左寄りな人との間でやりとりされている言葉の異様な尖り具合には、個人的には正直、結構ドン引きするものがある。

理路整然とした根拠に基づかない批判、あるいは度を越した怒りの感情に任せてくり出された批判は、相手には憎悪として受け取られてしまう場合が多い。それに対する返答もちゃんとした根拠に基づいていなかったり、怒りに任せたものであったりすると、同じように憎悪として受け取られてしまう。そうするうちに、互いに相手を理解しようとすることなく、批判を受け止めようともせず、ただただ憎悪の投げつけ合いをくりかえすようになる。

今の日本では、いろんなところで、そういう不毛な投げつけ合いがくり広げられている。あと、たぶん、世界中のあちこちでも。

確定申告とマイナンバー

朝、早起きして、確定申告のため、税務署へ。開場時間ちょうどくらいに着いたのだが、すでに長蛇の列。早くも心が折れそうになる。幸い、割と早い段階で、行列から青色申告専用のコーナーに誘導してもらえた。

去年までの教訓をふまえ、今年は申告関係の書類を作るための準備をかなり入念にしておいた。そのかいあって、税務署内での作業と手続きは、1時間ほどで全部終わった。計算間違いとかで変にトラブったりしなくて、ほっとした。すべてを提出し終え、税務署の建物を出て、雲ひとつない青空を見上げた時の解放感たるや。

ところで、今年から申告時にマイナンバーの入力を求められたり、本人確認書類の一つとしてマイナンバーカードの有無を聞かれたりするようになったのだが……あれだけ申告会場内にうようよ人がいる状況下で、税務署員にカードや番号を見せて確認してもらうというのは、どうにも危なっかしい気がしてしまう。ぶっちゃけ、マイナンバーなんて制度がなくても、今まで別に何も困ってなかったし、これからも何も困らないはずなのだ。ほんと、愚策だと思う。