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鈍感になっていく

午前中から、新宿で取材。家を出る前にネットを見ていたら、中央線が人身事故で大幅に遅延というニュース。とりあえず予定より早めに三鷹駅まで行き、総武線の始発で新宿へ。それでも少し遅れはしたが、待ち合わせにはどうにか間に合った。

昨日も昼に曙橋の方に行く用事があったのだが、新宿駅で都営新宿線に乗り換えようとしたら、人身事故で完全に止まっていて、総武線で市ヶ谷の方から迂回しなければならなかった。最近、こういうのが多い。というか、常に多い。人身事故が、日常茶飯事のようになってしまっている、東京では。

列車の遅れで大事な予定が大幅に狂うと、正直言って「迷惑だなあ」と思わないでもない。誰もがあまり気にしないようにして、なるべくすぐに忘れてしまおうとしているようにも見える。でも、そうやってどんどん鈍感になっていくのは、ある意味、とても怖いことのようにも思う。

人の命が消えていったことに対して、胸の奥に感じる痛みを、ほんのいくばくかでも、忘れないようにしたい。

カレー肉談義

インドから帰国して、10日ほど経った。当初予定していた作業以外に、新規の仕事の打診をすでにいくつかいただいていて、ありがたいことだなあと思う。進行スケジュール的には、だんだん余裕がなくなってきたけれど(苦笑)。

というわけで、今日は午後から夕方まで、依頼された原稿の一つを書いていた。夕食は、昨日のうちに買っておいた食材を使って、ビーフカレーを煮てみた。牛肉は概して高いので自炊ではあまり使わないのだが、昨日は安いカレー・シチュー用の牛肉が手に入ったので。作ってみると、牛肉、やっぱりうまい。牛肉だけのことはある(笑)。

とはいえ、自炊のカレーに使う肉の種類で一番気に入っているのは、カレー・シチュー用の豚バラ肉。煮込んでも柔らかく仕上がるし、脂の旨味がたっぷりルーにしみ出るような気がする。コスパもいいし。自炊ではなく、外食で食べるカレーだと、欧風カレーならやっぱり牛肉。インドカレーならマトン派だ。マトンカレーのおいしいインド料理店は、ほぼ間違いなく当たりだと思う。

……とりとめのないカレー肉談義をつらつらと書いてしまった。仕事に戻ろう。

便利な生活

今日は一日、部屋でゆっくり。おひるにそうめんをゆでてごまだれで食べ、まほろばさんの豆でコーヒーをいれ、InterFMをかけ流しつつ、インドで撮ってきた写真の現像作業。疲れたら、ソファに寝転がってうとうとしたり。

日本での生活は、あらゆることが便利だ。電気は停電することなく常に流れ、シャワーは一定の温度に保たれたお湯がふんだんに出る。本屋に行けば雑誌や本に情報があふれかえっている。インターネットは光回線でYouTubeでも何でも見放題だし、スマホも4G回線でスイスイつながる。友達が今どこで何をしているのかは、SNSでだいたい筒抜け。近所のコンビニまで歩いていけば、たとえ真夜中でも、何でも買える。アマゾンを使えば、家から一歩も出なくても、たいていのものが買えてしまう。

便利だ。確かに便利だけど……そういう便利さは、人が生きるという行為の本質ではない、という気もする。もっと不便で物が手に入らない場所でも、人は人として、あるがままに、のびのびと生きていける。ラダックで、アラスカで、僕はそう教わってきた、と思っている。

土壇場で荒行

昨日は朝の4時半起きで、電車と新幹線を乗り継いで、福島へ。現地にある大学で3人の方に取材。梅雨時の割に天気がよくて助かったが、なにしろ遠いので(苦笑)、なかなか疲れる。

それでもどうにか首尾よく取材を終え、在来線の最寄り駅までダッシュして飛び乗ったはいいものの、福島駅で乗り継ごうとした新幹線は満席で、結局そこから1時間待ち。新幹線の中で食べようと考えていた駅弁は駅構内では売り切れ。トホホな気持ちですきっ腹を抱えつつ東京駅まで戻り、八重洲のエリックサウスでミールスを瞬殺(笑)。

そして今日は、起きてすぐに都議選の期日前投票に行き、それから昨日取材した分の原稿を3本、ガリガリと一気に書き上げる。普段ここまで急いで書くことはあまりないのだが、何しろ、あさってから2カ月インドだし、明日はいくつか予定もあるので、今日書かないわけにはいかない。机の前でよれよれになりつつ、「そもそも何でこんなタイミングで取材引き受けちゃったんだろ?」と、今さらながら自問自答。

出発前の土壇場での荒行。やれやれである。

終わりの始まり

今日は午前中から武蔵境で取材。始まるまでの少しの待ち時間、関係者の人との雑談で、最近の国会の話題になる。驚いたことに、びっくりするほど、関心が薄い。

加計学園? 森友学園? たいした問題じゃないでしょう。ほかにも政治家とつるんで何かしてるところはたくさんあるでしょうし。共謀罪? 我々には別に関係ないですよ。野党だって、あやしい素性の人とかいるじゃないですか。

……こんな調子だったので、それぞれのツッコミどころに淡々とファクトを示していくと、その人も次第に言葉に詰まっていってしまった。

その人は、単に興味がなかったから、何となくのぼんやりしたイメージでしか、物事の推移を見ていなかったのだ。たぶんそんなにたいした問題じゃない。たぶん自分には関係ない。多くの日本人がそうしてぼんやりスルーしていくうちに、この国はもう、取り返しのつかないところまで堕ちてしまった。終わりの始まりだ。

自分たちの保身のためになら平気で嘘をつき続けるような姑息な人間たちに、今、この国は牛耳られている。