4月20日(土)発売予定のカメラ雑誌「CAPA」2019年5月号の連載企画「安田菜津紀がいま伝えたい・聞いてみたい ドキュメンタリー写真家のメッセージ」に、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんと僕が対談をさせていただいた記事が掲載されます。記事の中では、僕の撮った写真として、これまでどこにも出していない撮りたてホヤホヤのザンスカールの写真が数枚掲載されています。発売後に書店で見かけたら、お手に取ってご覧ください。
Tag: India
本の佇まい
本には、佇まいのようなものがある、と思う。
ぱっと見た時。手に取って、表紙を開き、ページをめくった時。全体のサイズ感。持った時の重さ。紙の質感。インクの色味。文字組。余白。写真。イラスト。作り手の細かな気配りの一つひとつが、匂い立つような気配を本にまとわせていく。良い本かどうかは、そうした佇まいでだいたい感じ取れる、と僕は思っている。大手出版社の本かどうかとか、贅沢な仕様の本かどうかとかは、僕の言う本の佇まいとはまったく関係ない。
自分が仕事で本を作る時も、良い本としての佇まいが現れているといいなあ、といつも願わずにはいられない。もちろん、それは読者の方々に判断してもらうしかないのだが、少なくとも、雑に作った本だとは絶対に思われないように、文章の一字々々、写真の一枚々々に、丁寧に気持を込めながら作るように心がけている。まだまだ未熟者ではあるけれど。
昨日受け取った「LADAKH LADAKH」の見本誌を眺めながら、そんなことを考えている。また一冊、本を作ることができた。
カレーはいつでも
毎年、インドで長逗留した後に帰国すると、「しばらくはカレーとか食べたくないんじゃないですか?」という意味のことを割とよく言われる。たいていは「そうですね〜、しばらくはノーサンキューですね(笑)」みたいな感じで軽く返すのだが、実のところ、インドに長い間いた後でも、僕はカレー味の食べ物が嫌になるということはない。
帰国直後は、インドではほぼ食べられない牛肉とか、ラーメンとか、しばらくご無沙汰していたものを優先して食べたりはするが、カレーはカレーで目の前に出されたら、まったく抵抗感なく食べられる。日本のカレー屋さんのカレーは、本場仕様のものから個性的なものまで、日本人向けにきめ細かくアレンジされている場合が多いので、現地の食堂で食べる味とはかなり違うと思うし。
家にいる時、おひるに冷凍ごはんをレンチンして、無印良品のレトルトカレーをかけて食べることが割と多いのだが、気がつくと3日連続くらいでおひるにカレーを食べ続けていることもある。そんなわけで、カレーはいつでも、ウェルカムである。
人並みに戻る
帰国して、3週間が経過。インドにいる間に4キロ減った体重は、2キロほど回復した。
食事の方は、帰国直後のようにやたらめったら肉を食いまくる(笑)という状況よりはだいぶ落ち着いて、普通の飲み食いで十分足りるようになった。家での自重筋トレも以前より少し軽めの負荷で再開して、無理のない範囲で続けている。各部の筋力はもうひと息、以前の水準にまで近づけたいが、体重や脂肪のつき方は、「動ける」状態を維持しつつ普通に過ごすなら、今くらいがベストなのだろうとも思う。筋肉だけ、あと500グラムほど上乗せしたい感じ。
帰国直後に一度会った知人と先週また会ったのだが、「この間よりもだいぶ元に戻りましたね!」と言われた。「帰国された直後は、頰から首筋のあたりとか、肉が削げ落ちちゃってた感じで、正直かなり引きました」とも言われた(苦笑)。4キロ減という数値以上に、身体の維持に本来必要な分の脂肪や筋肉もごっそり持って行かれてた、ということなのだろう。
ともあれ、身体はだいぶ人並みに戻ってきた。来週か再来週あたり、焼肉とか食べに行きたいな。
失われた季節感覚
インドから戻ってきて以来、周囲の他の人から「最近暖かくなってきましたね〜」とか「今日は冬に逆戻りしたみたいに寒いですね!」とか話しかけられても、うまく答えられずにいる。暖かいんだか寒いんだか、自分でも正直よくわからないのだ。
1月中旬から2月中旬までは、厳寒期のラダック。最低気温はマイナス20℃、最高気温でも氷点下。そこからデリーに移動すると、一年で一番寒い時期とはいえ、最高気温が26℃。そこからさらに暑いアムリトサルを経由してダラムサラに移動すると、まさかの吹雪に見舞われ(苦笑)、シムラーでもみぞれ混じりの冷たい雨。で、またデリーに戻ってくると、上はTシャツ1枚で過ごせるほどの陽気。行く先々の天気や気温が乱高下すぎて、季節感覚が結構ポンコツになってしまっているのだと思う。
まあ、風邪とか引いてるわけではないので問題ないといえばそれまでだが、いろいろまともな状態に戻れるのは、いつになることやら。