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そば屋で飲む

この間の金曜日は、夕方に知人のデザイナーさんと打ち合わせ。終わった後、ちょっと飲もうということになり、西麻布のとあるそば屋に連れていってもらう。

蒸し暑い日だったので、とりあえずビール。よく冷えた小さめのグラスでちびちびと。コハダの酢締め、小アユの唐揚げ、そら豆など、夏らしい料理をつつく。二杯目から冷酒に切り替え、これまたちびちびと。最後は温かい具沢山のつけ汁の田舎そば。

こんな風にしてそば屋でちびちび飲むというのは、いい年の大人の特権なのかも、と思う。少なくとも、自分が二十代の頃はそば屋で飲むという発想はなかったし、実行してたとしても似合わなかっただろう。まあ、それだけおっさんになったということか。

これで、昼間からそば屋で冷酒を飲んだりすると、さらに背徳感が増してうまいんだよな(笑)。

積み重ねたもの

梅雨入りしたとは思えないほど、爽やかな午後。吉祥寺界隈をぶらぶら散歩し、夜、リトスタへ。

リトスタは、昨日の六月一日で九周年。昨夜はさぞや混雑しただろうと思っていたら、常連さんたちは同じような予測をして牽制し合ったらしく(笑)、むしろ今日の方が混んでいて、開店直後からほぼ満席。合鴨スモークとフルーツのサラダ、手羽元とジャガイモのスープごはんなど、たらふくいただく。

自分でレストランやカフェをやってみたいと考えてる人は、世の中にたくさんいると思う。たぶん、お店をオープンするだけなら、本気でやろうと決意すればかなりの数の人が実現できる。でも、それを続けていくことは本当に難しい。リトスタがオープンしてから九年間、同じ商店街で、どれだけ多くの店が開店と閉店をくりかえしたことか。

リトスタが歩んできたこの九年間も、大変な苦労の連続だったと聞いている。日々のやらなければならない仕事と、こうすればもっとよくなるんじゃないかという工夫の、地道で丹念な積み重ね。僕らが何気なくすする一杯のコーヒーにも、淹れ方からお客さんへの出し方まで、彼らが積み重ねたものがたくさん籠っている。

九周年、おめでとう。次は十周年記念ライブで(笑)。

どうにか乗り切る

午前中、東小金井で取材を一件。これで、今月の取材ラッシュはどうにか乗り切った。昼過ぎに三鷹まで戻り、ひさしぶりに文蔵に寄る。

行ったことのない場所で、初対面の人に、限られた時間内で、自分たちの記事を作る都合に合わせて、根掘り葉掘り話を聞く。相手側にしてみれば、取材というのはそれだけで十分不躾な行為なのだと僕は思っている。だから事前の準備は欠かせないし、遅刻は厳禁。取材中も相手の話や場の空気を読みつつ、必要な質問をしながら流れをコントロールしなければならない。少なくとも、ただICレコーダーを持って相手に会いに行けば済むような仕事ではない。

取材が一本終わるたび、どっと疲れが噴き出して、それがくりかえされると澱のように身体にたまっていく。僕にはむしろ、取材後に原稿を書く作業の方がはるかにラクだと感じる。

一カ月で25本分の原稿の取材を終えた後にすすりこむ文蔵のラーメンは、たまらなくうまかった。

春は過ぎ行く

午後、池袋で取材。今日は一件だけだったので、さくっと終わった。電車で三鷹まで戻ってきたのもまだ早い時間。髪の毛がぼさぼさに伸びていたことを思い出し、駅の近くの理髪店へ。頭が軽くなって、さっぱりした。

家に戻る前に、ひさびさにたかねをのぞく。商品棚の中に、道明寺と柏餅が並んでいる。どうしようかなと思ったが、持ち帰りで道明寺を二つ注文。するとお店の人が「よかった、道明寺、今年は今日の分で終わりなんですよ」と。夜のテープ起こし作業の後にいただくことにする。

桜が散って、道明寺が終わって、いつのまにか、春は過ぎ行く。ぼやぼやしてると、見失ってしまうもの、忘れてしまうこと、たくさんあるのかもしれないな。

揚げ物オーダーミス

朝から四ッ谷で取材。昼までにどうにか無事に終わったので、帰る前に四ッ谷界隈でおひるを食べることに。

以前エリーゼのあった場所で営業している揚げ物専門店で、ポークカツ定食を注文。しばらく待っても来ないので、どうしたのかなと思っていたら、店員さんの声が。

「おーまたせしましたー! おおきなチキンカツでーす!」

いや、僕はポークで‥‥と言いかけた僕は、店員さんが間違って目の前に置いた皿を、思わず二度見。でかっ! 下の白い皿がほとんど隠れるくらいの、フリスビーみたいな大きさのチキンカツ。こ、こんなでかいのを、昼からたいらげる人がいるのか‥‥?

恐縮した店員さんが後で運んできたポークカツは、幸い、常識的な大きさだった。あー、びっくりした。