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ママ友会

昨日の夜は、古民家を改装した静かで感じのいいレストランで、ちょっとぜいたくな晩ごはんを食べた。

たいていのお客さんは黙々と料理に集中して食べていた(つまりそれくらいおいしい)のだが、昨日はひと組、かなりにぎやかなグループがいた。大きなテーブルを囲んでいた女性ばかりのグループで、大きな声で漏れ伝わってくる内容によると、ママ友の方々の集まりらしい。「女子会」と言ってたけど、「ママ友会」の方が合ってるだろう。

とにかくにぎやかだったので(苦笑)、聞こうと思わなくても、いろいろ聞こえてきた。どこそこのナントカ君は少年野球で前途有望だとか。あそこのナントカちゃんはうちの子とああだこうだとか。夫と子供を朝送り出して、家事を一通り片付けても、時間が余ってしょうがないから、ネットでついつい買い物をしてしまうとか。

僕の知り合いにはまずいないタイプの人たちの会話だったので、ある意味新鮮だったのだが、何というか、まあ、世の中にはいろいろあるんだなあと。スケールの差こそあれ、いろんな人が、いろんな場面で、悩んだり、戦ったりしてるのだな。

まあ、それはともかく、もうちょっと周りの空気を読んで、静かにごはんを食べてほしかったな、というのはある(苦笑)。

スープ割り

午後、南大沢で、ひさびさに大学案件の取材。帰りに吉祥寺で途中下車して、晩飯につけ麺を食べる。

つけ麺の麺を食べ終えた後につけ汁をスープで割ってもらう「スープ割り」というシステムを知ったのは、確か23歳くらいの時だった。今も荻窪の南口にあるはずの、丸長というお店。おひるにバイト先の社員の人たちに連れて行かれて、「ここではな、食べ終えた後につけ汁をスープで割ってもらうんだぞ」とちょっとうれしそうに教えてもらったのを憶えている。あの頃はまだ、つけ麺を出すお店はそんなに多くなかったんじゃないかな。丸長のつけ汁はとても濃厚で、スープで割ってもらったのをちびちび啜る時の充足感は格別だった。

あれから東京では、いや他の地方もか、つけ麺を出すラーメン屋さんがものすごく増えた。つけ麺専門店なんてのも当たり前。で、つけ麺のノウハウもこなれてきたのか、最近はスープ割り用のスープを魔法瓶に入れて、カウンターに並べて置いてある店ばかりになった。確かにお店側としては、いちいち客から器を受け取ってスープを足して返すより、客の側で好きに作ってもらった方が、オペレーション的には楽に違いない。客の側でも、その方が気楽でいいと思ってる人が多いのかもしれない。

でも‥‥ちょっと味気ないな、という気もする。麺を食べ終えた後、「すみませ〜ん。スープ割り、お願いします」と店員さんに声をかけるの、嫌いじゃなかったから。なじんできた儀式というか段取りが端折られてしまうのは、何だか少しさみしい。どうでもいいといえば、どうでもいいことなのかもしれないけれど。

みんなで食べると

昨日の夜はひさしぶりに、荻窪の潮州へ。総勢六名という、団体行動が苦手な僕としては(苦笑)割と珍しい大きめの宴会だったのだが、みなさんとても気さくで、なごやかな宴になった。

潮州のような中華料理店では、人数が多いと、普通では無理な品数の料理をあれこれちょこちょこ食べられるので、いつになく満足度が高かった。一人や少人数で気楽に食べるごはんのよさもあるけれど、みんなで食べるからこそ楽しめるごはんのよさもある。中華料理とかは特にそうだし、タイ料理も屋台系のもの以外は割とそうだと思う。

いや〜、それにしても、ほんとにうまかったなあ‥‥。あまりにうますぎたからなのか、今日は別に胃もたれとかまったくしてないのに、あんまり食欲がなかった(笑)。

本場の味

夜、吉祥寺へ。駅の近くのラオス料理店で、食事をしながらの打ち合わせ。ビアラオを飲みつつ、黒米入りのカオニャオと一緒にラープやガイヤーンをいただく。

その味が悪かったというわけではまったくないのだけれど、食べながら思い出していたのは、この間のタイ取材の時に、行く先々の安食堂や屋台で食べていた料理の味だった。ガイヤーン、パッタイ、ソムタム、カオマンガイ、センレックナーム‥‥安くて、さりげなく、それでいて鮮烈で、何とも言えずうまい。気候などにもかなり影響されていたとは思うが、あれらは文字通り、本場ならではの味だったのだろう。

そう考えると、僕はとてもぜいたくな経験をさせてもらえていたのだと思う。まあ、取材はほんとにきつかったけどね(苦笑)。

辛味の伏兵

タイ料理は辛い、というイメージを持っている人は結構多いと思う。実際は、何から何まで手のつけようがないほど激辛な料理というわけではない。辛味だけでなく、甘味や酸味、香草の風味などをいろんな食材と組み合わせて楽しめるのが、タイ料理のいいところだ。

道端の露店や安食堂でよく出てくるカオマンガイやパッタイ、汁麺の類にしても、基本的には別に全然辛くなくて、日本人好みの味だ。まあ、地元の人たちがそれに粉末トウガラシをばんばんふりかけてるのも確かだけど(笑)。

とはいえ、うまいうまいと何でもかんでも食べてると、時々、とてつもなく辛いのにぶち当たってしまって、ヒーヒーと大変な目に遭う。トウガラシが丸ごとゴロゴロ入ってるような料理はある程度警戒して臨めるのだが、本当に辛いタイ料理は、往々にして見た目はとてもおとなしいというか、「あら、ワタシ全然辛くありませんことよ?」とすました顔をしてるのが多い。たとえばラープとか、ソムタムとか、ヤムウンセンとか。で、つい油断してぱくっと頬張ると、ヒェーッと口から火を吹くことになるのだ(笑)。

タイ料理は、辛味の伏兵にご用心を。