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友チョコ

年末に安曇野で、実家の人間たちと過ごしていた時のこと。

姪っ子(中2)がひまつぶしに、自分のiPhone(さすがデジタルネイティブで、親よりも自然に使いこなしてる)に入れている写真を見せてくれた。その中に、きれいにラッピングされたチョコレートがたくさん写っている写真があった。

「これは?」「前のバレンタインデー」「あげたの?」「ううん、もらったやつ」

最近は、女の子同士でチョコをプレゼントし合う「友チョコ」という習慣がすっかり定着して、ごく当たり前のことになっているそうだ。そうなのか‥‥何しろおっさんなので、まったく知らなかった(苦笑)。

「じゃあ、男子にはあげないの?」と聞くと、姪っ子はきょとんとして、こう言った。

「男子にチョコあげるような人は、だいぶ変わり者じゃと思うよ」

‥‥時代の移り変わりを感じる(汗)。いつか、チョコをあげたい男子が現れたら、周りに変わり者だと思われないように、こっそりあげたまえよ。

年初の挨拶

夕方、年明け恒例のひばスタ開催中のリトスタへ。肉団子とサブジとピタパンのセットと、かぶのポタージュ(これが超うまい)、ひばり屋さんのコーヒーとタルトタタン。晩ごはんは軽めにと思っていたので、ちょうどよかった。お店のみなさんに、年初のご挨拶。

仕事関係の人たちとメールや電話で年初の挨拶を交わすのは、明日の月曜からになる。それと同時に、取材やらイベントやら何やら、いろんなことが再び動き出すのだろう。正月は終わり、日常が戻ってくる。そのことにどこかほっとしている自分もいる。

さあ、顔を上げて、再び、前へ。

みっともなくても

昨日はずっと家にいて、一昨日の取材の原稿を書いていた。晩飯にキャベツとコンビーフを煮て、仕事を終えた後、カマンベールチーズをつまみにビールを飲んだ。淡々と過ごした一日だった。

Facebookには、たくさんの人から誕生日祝いのメッセージが届いていた。僕自身はそういうことに無頓着なので、何だか申し訳ない気もする。僕の人生は、たぶんとっくに折り返し点を過ぎ、ぜいぜいと喘いでいるうちに、終わりが近づいているのだな、と思う。

その残された時間の中で、自分に使える力のできるだけ多くの部分を、旅にまつわる本たちを作ることに注ぎ込んでいく。たとえ、どんなにみっともないことになっても、人生が続くかぎり、旅の本にこだわって取り組んでいく。この一年は、そんな覚悟のようなものを、自分自身の中で固めた一年だったような気がする。

とはいえ、まあ、いろいろしんどいけれど(苦笑)、やれるだけやってみようと思う。

バトン

午後、豊田にある大学キャンパスでの取材を終えた後、都心に移動。今夜は代官山蔦屋書店で、九月に亡くなった旅行コンシェルジュの森本剛史さんのお別れの会。

会場には、びっくりするくらい大勢の人が集まっていた。100人は余裕で超えてたんじゃないだろうか。お別れの会というものにありがちな湿っぽさはほとんど感じられなくて、誰もが旧交を暖めながら、森本さんの思い出話をしては笑顔を見せていた。ここに集まった人たちはみな、森本さんが結びつけた人たちなのだ。そう考えながら周囲を見回すと、とても不思議な気持になった。

会の終わりに、会場の壁面に、映像が映し出された。森本さんが住んでいた部屋だった。壁際の棚という棚にぎっしりと詰め込まれたままの、旅にまつわる、ありとあらゆる本。次に書く本の構想を書き留めた分厚いノート。森本さんにとっては、最後の最後まで、すべてが旅であり、本だったのだ。

ふいに、ぽん、とバトンを手渡されたような気がした。いつもの、気軽な調子で。

ヤマモト君、今度はどこに旅に行って、どんな本を作るんだい? いいのができたら、持って来なよ。

それは、最後の最後まで、旅の本を作り続ける、覚悟のようなものなのかもしれない。受け取ったバトンを手に、僕はどこまで走れるのだろう。そう思うと、ぎゅっと、胸が締め付けられるような気がした。

電話不精

基本的に、電話が苦手である。かかってくると、びくっとするし、自分からかけるのも、できればなるべくしたくない。仕事柄、時には急いで電話をかけて打ち合わせをしたりしなければならないこともあるけど、そういう時は、結構心の準備が要る(苦笑)。

思うに、僕と電話の関係は、昔からそんな感じだった。そもそも、電話にあんまりいい思い出ないし(笑)。世の中でインターネットやメールといったものが発明されなければ、僕は本当にコミュニケーション断絶人間になっていただろうし、今のような仕事の仕方もできていなかったと思う。

今の僕の外界とのコミュニケーション手段は、TwitterやFacebookの機能も含めたメールやメッセがほとんど。iPhoneから電話をかけたりとかはめったにしない。この間の機種変の時も、料金の履歴を見た店員さんは、通話定額プランをまったく薦めてこなかった(笑)。

そんなわけなので、友人のみなさま、電話はなるべく最後の手段ということでお願いします。なにせ、心の準備が要るので(笑)。