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朝のサッカー

午前中から都心で打ち合わせの予定があったので、今朝は七時に起きた。

シャワーを浴びてから居間のテレビをつけると、ワールドカップのアメリカ対ガーナの試合が。先制しながらも劣勢のアメリカ、押し込みながらも追いつけないガーナ。昨日のうちにコンビニで買っておいたサンドイッチをかじりながら、寝ぼけた頭でぼんやりと試合を見る。

こんな朝早くの爽やかな時間に、地球の裏側では、屈強な男たちが汗と芝と泥にまみれながら一つのボールを追いかけ、それを世界中の人たちが固唾を呑んで見守っている。その一方、世界の別の場所‥‥ウクライナや、イラクや、シリアでは、無益な内戦に血を流し合う人たちがいて‥‥。

世界って、人間って、何なんだろ。どうにも答えが見つからない。

劣勢だったアメリカは、ガーナに追いつかれたものの、土壇場のセットプレーからの得点で突き放し、そのまま逃げ切った。

やれることはやる

ワールドカップ開幕の日。打ち合わせの予定があったので、開幕戦より睡眠時間を優先。さすがに五時起きは無理だった。

朝のうちはいい天気だったのに、出かける頃になって急に雷鳴が轟き出し、どしゃ降りの雨が。ぎりぎりまで待つうちに止んでくれたので、濡れずにすんだが、最近の天気、ほんとに油断ならない。

今日の打ち合わせは、今作っている本のプロモーションについてのもの。僕みたいな外部の編集者からそういう場を設けてほしいと申し出るケースはあまりないそうなのだが、やってよかったなと思う。本の内容や狙い、それをどう書店やメディアに伝えていくか、みっちり話し合うことができた。

本づくりの仕事では、本そのものを作るだけでなく、それをできるだけいいやり方で読者に届けることも大切になる。やらなければいけないこと、やろうと思えばやれることは、いくらでもある。だから、やらなきゃ。力を貸してくれた人たちのために。

徹夜で観戦

今朝は5時からサッカーのベルギー対日本の生中継があった。昨日の夜の段階で、いったん寝てから早起きするか、それとも寝ずに夜明かしして試合を見るか迷ったのだが、寝てしまうと起きられなさそうな気がして、結局、寝ないままキックオフの時間を迎えた。

こういう時はよく、芳しくない試合結果にぐったりしながら次の日を過ごすパターンになりがちなのだが、今日は思いのほか面白い試合展開で、日本は敵地で格上相手の戦いながら、逆転して一点差で逃げ切った。ひさびさの快勝に溜飲を下げた人も多かったんじゃないだろうか。

試合が終わってからもにまにましながらネットのニュースを見てたりしたのだが、さすがに眠くなって、その後はばったり倒れて、昼まで寝ていた。来年のワールドカップ、開催地は地球の真裏にあるブラジル。こんな寝不足がえんえんと続く日々になるのだろうか。ああ眠い。

中東の笛

梅雨らしい、じめじめした天気。昼間のうちに原稿を書き、パスタを茹でて晩飯にし、ワールドカップ予選の日本対オーストラリアの試合を観る。

この試合、日本とオーストラリアの戦いというよりも、両チームの選手と主審の戦いという様相を呈していた。今回はサウジアラビアの主審だったのだが、ひどいというか、わけがわからない。ファウルを取るか流すかの判断基準も明確でないし、不用意にカードを連発するし。あれじゃ、両チームの選手たちもかわいそうだ。この審判、ネットで検索してみたら、南アフリカのワールドカップでもカードを連発して試合を壊した実績の持ち主だった。さもありなん。

欧州などに比べてアジアのサッカーが低く見られがちなのは、こういうところにも要因があるのだな。選手はそれぞれ一生懸命やってるのに、審判に試合を壊されてしまったら、観てる方もがっかりする。精進したまえ、審判も。

誇りに思う

アジアカップの決勝で、日本がオーストラリアを破って優勝した。開催国のカタール、永遠の宿敵である韓国、そしてFIFAランキングで日本より上位にあるオーストラリアをすべて破ったのだから、本当に価値のある勝利だと思う。

連戦で蓄積された疲労で、選手たちの動きは決してよくなかった。加えて、オーストラリアが徹底してロングボールを前線に放り込んで高さで勝負する戦術を仕掛けてきたので、特に序盤は押し込まれる場面が目立った。しかし、藤本に代えて岩政を投入し、今野を左サイドにスライドさせて長友を前に出すというザッケローニの采配が見事にハマる。そして延長後半、左サイドで完全に競り勝った長友のクロスから、李の美しいゴールが生まれた。

全員が労を惜しまず走り回り、数的優位を作ってボールを奪取したら、縦への動きを意識したすばやいパス&ムーブで相手ゴールに向かう。今の日本代表の試合を見ていると、以前、代表監督を務めたイビチャ・オシムが目標に掲げていた「日本らしいサッカー」とは、こういうサッカーだったのではないかと思う。加えて、逆境に次ぐ逆境をことごとく跳ね返したことで、選手たちは貴重な経験とともに大きな自信を手に入れた。このチームには、まだまだ伸びしろがある。これからザッケローニが戦術を浸透させ、選手同士の連携を熟成させていけば、もっと強くなるはずだ。

試合直後のインタビューで、ザッケローニは「日本の国民の皆さん、こんな代表チームがあることを誇りに思ってほしい。本当に素晴らしいチームです」と語っていた。僕も、素直に誇りに思う。