Tag: Editing

あえて、待ってみる

昼のうちに近所で散髪をすませて家に戻ると、今作っている本の初校PDFが届いていた。さっそくざざっとチェックして、関係者のみなさんに一通ずつメールをしたため、PDFを添付して送信する。明日の午前中には、赤字集約用の紙の初校ゲラも届くし、来週明けには残り20ページほどの初校もすべて出る。表紙の最初のデザイン案も届いた。編集作業が一気に動き出す。

そんなわけでここ数日の、ひたすら惰眠を貪る怠惰な日々は終わった(笑)。

でも、つかの間でも少し息を抜ける時間があったのは、よかったと思う。あれこれと、ゆっくり考えごともできたし。

少し前までは、今作っている本が完成したら、その後は通常の自分の仕事とは少し違う、個人的な取り組みを始めようと考えていた。ただ、今はもう少し動かずに、待ってみようと思っている。その取り組み自体が間違っているとは思わないし、いつか実現させたい計画なのは確かだ。でも今は、いろんなことのタイミングが、あまりよくない。今作っている本がどんな結果を出せるのかまだわからないし、それ以外の仕事の見通しもつきにくい状態だ。本筋ではない仕事関係だと、タイでクーデターが起こったりもしてるし。

あえて、待ってみる。時が来るのを待つ。今はそういう時なのかもしれない。いつかチャンスが目の前を通りがかったら、すかさず跳ね起きて、つかみ取れるように。

五里霧中

昼、千駄ヶ谷で、今作っている本のデザインの打ち合わせ。大半のデータを託すことができたので、気分的にかなり楽になった。

考えてみると、これくらいガチで編集の仕事に取り組んでいるのは、ずいぶんひさしぶりだ。で、今のように本づくりにどっぷりハマってると、この本が面白いのかどうか、自分でもだんだんよくわからなくなる(苦笑)。これって、本当に面白いんだろうか? 客観的に判断することができなくて、自信がなくなってくる。

そうなってる時点でもう、編集者にあるまじき状態なのかもしれないが、それでも「たぶん‥‥こっちで大丈夫なはず!」と、霧の中を先頭を切って突き進んでいくしかないのだと思う。その道が正しいかどうか、行ってみなければ誰にもわからないわけだし。

五里霧中の道をイチかバチかで突き進む、本づくりはもうしばらく続く。

見えてきたゴール

ちょっと蒸し暑いくらいの天気。終日、部屋で仕事。届いた原稿を整理し、デザイナーさんに渡せる状態にデータを整える。

今回の本には20人近くの外部の方々に協力をお願いしているのだが、みなさんお忙しいのに、ちゃんと〆切を守って下さって、おかげで必要な素材はほぼ揃ってきた。たぶん連休が明けたら、ほとんどのデータをデザイナーさんに託すことができるだろう。

ついに、うっすらと見えてきた、ゴールの影。ちらりとでも見えると、俄然気力がよみがえるものだ。まあでも、調子に乗って、すっ転んだりしないようにせねば‥‥。あのゴールだって、蜃気楼かもしれないし。

今回の本は今まであまりにも苦難続きだったので、すっかり疑心暗鬼になってる(苦笑)。何も起きませんように。

地味な一日

朝からずっと雨。気圧が低いからか、寝床から起き上がっても手足までむくんで動かないような感じで、身体がしゃんとするまでしばらく時間がかかった。

晩飯に作るつもりのカレーの材料も昨日のうちに揃えておいたし、どうせ雨に降りこめられるならと、日がな一日、仕事にいそしむ。預かっている原稿を精読しつつ、デザイナーさんに渡すためのデータをコツコツと揃えていく。地味。果てしもなく地味。でもこれが、本づくりの仕事の本質。

果てしもなく地味な作業は、夜の11時を過ぎた頃、ようやく一段落。明日はまた、朝から大学案件の取材。ところで、連休って何?

干上がる言葉

昼、カメラを携えて、井の頭公園へ。今作っている本の解説記事に必要な素材写真の撮影のため。よくある写真だが、なければないで困るので、粛々と撮る。

撮影を終えて三鷹まで戻り、帰りにちょっとだけ寄り道して水中書店に行くと、リトスタのミヤザキ店長とばったり。お店の方を紹介していただき、しばし談笑。こういう静かで居心地のいい古書店に来ると、あれもこれもと目移りするが、ミヤザキさんにひょいと手渡されたコヨーテのアラスカ特集号を一冊買う。

それにしても‥‥ここしばらく、本をまったく読めていない。新しい本の制作に突入するといつもそうなのだが、今回は特に大学案件の繁忙期と重なったこともあって、毎日ひたすら原稿に追われ、キーボードを叩き続けるだけでいっぱいいっぱい。脳みその容量に空きスペースがまったくない(苦笑)。

とはいえ、アウトプットばかり続けていては、言葉もいずれ干上がってしまう。もうちょっと余裕ができたら、一日のうちほんの少しでもソファで本のページをめくる時間を作りたい。そのためには‥‥とにかく今を乗り切らねば。