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家でアイスラテ

日に日に、じりじりと、蒸し暑くなってきている。

家で仕事をする時、朝はペーパードリップでコーヒーをいれ、昼をすぎてだれてきそうな頃にマキネッタでエスプレッソをいれる。ただ、夏になると、朝からホットコーヒーはちとしんどい。なので、朝飲む分は前日の夜にペーパードリップでいれておいて、サーバーごと冷水で粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしてアイスコーヒーにしておく。

マキネッタでいれるエスプレッソの方も、最近は冷たくして飲んでいる。冷凍庫の製氷皿で作っておいた氷をコップにぎっしり詰めておいて、エスプレッソを注ぎ(こうすると一気に冷える)、牛乳をちょい足して、アイスラテに。お手軽な作り方だが、これがなかなか、さっぱりしててうまい。これを書きながら、今、まさに飲んでるし(笑)。

それにしても、もう、夏か。今年は世の中がいろいろイレギュラーすぎて、何だかなあという感じである。

はじめてのポテサラ

生まれて初めて、ポテトサラダ、ポテサラを、自分で作ってみた。

ポテサラの作り方には、人それぞれいろんなやり方があると思うが、ちゃんと作ろうとすると、割と手間がかかる。まず、じゃがいもを皮付きのまま、弱火で1時間ほどゆでる。別の鍋でゆで卵を作って、殻を剥く。ゆでたじゃがいもは、熱いうちに手で皮を剥き、ボウルでざっくりつぶす。マヨネーズと粒マスタードを入れて混ぜ、荒く崩したゆで卵と、刻んだクレソンを入れてざっと混ぜ、塩胡椒で味を整える。手際よくやっても、何だかんだで1時間半くらいかかってしまう。

ポテサラは、子供の頃から当たり前のように実家の食卓に上っていた食べ物だったし、今もコンビニやスーパーに行けばほぼ必ず置いてある。だから、自分で作るとこんなに手間のかかる料理だとは、正直、実感できていなかった。当たり前のように手に入るものは、実は当たり前でも何でもないのかもしれない。ポテサラに限らず、どんなものでも。

ともあれ、今回作ってみたポテサラのレシピ、Webで見つけた高山なおみさん作のレシピだったのだが、とても良い感じで作れたので、気に入った。熱々のじゃがいもの皮を剥くときに指をアチチとさせながら、また作ってみようと思う。

それでも僕は、今日カレーを煮る

それにしても、新型コロナウイルス。なかなか、厄介である。

昨日、東京では、1日に判明した人数としては最多の41名の感染者が発見された。このペースがさらに加速すれば、非常事態宣言からの首都封鎖(ロックダウン)も現実味を帯びてくる。都知事は昨夜、今週末の外出の自粛を要請した(責任も取らないし補償もしないけど空気読めよな、という「自粛の要請」である)。それでどのくらいの効果があるのか、甚だ疑問ではある。

外務省は、全世界を対象に、レベル2の危険情報を出した。こんなことは前代未聞だ。インドは昨日から3週間、全土で外出禁止令が出ているし、世界各国の大都市でも似たような指示が出ている。イタリアやスペインでの死者数の激増のニュースは、本当に痛ましくて、やりきれない。

そうかといって、僕は医療従事者ではないし、マスクや消毒用アルコールを製造できるわけでもない。今の自分にできるのは、外出の後にうがいと手洗いを励行し、人混みを極力避けることくらいしかない。まあでも、今は、一人ひとりがそう心がけるのが、一番大事なのだと思う。

昨日、今後1週間くらいの自炊の献立を考え、無駄にしないように食材を吟味して、二人が1週間、問題なく食べていけるような準備を整えた。無闇に保存食を買い溜めるのではなく、生鮮食品も含め、献立に合わせて、必要なものだけを。週末はもともと外出しないつもりだったし、しばらくは主に家に籠もって、仕事をしたり、本を読んだり、料理をしたりして過ごそうと思う。

とりあえず、今夜は、カレーを煮る。チェティナード・チキンカレーと、カチュンバル。

エプロンを買う

ほぼ毎日、台所に立っているのに、今の今まで、エプロンを使ったことがなかった。だから、思い切って、買ってみた。自分専用のエプロン。

きっかけは、以前、西荻窪の広島風お好み焼きの名店、カンランに行った時のこと。店員さんたちが身につけていたオタフクソースのデニム製エプロンがとても良い感じで、ああいうのがあったらほしいなあ、と思っていたら、オタフクソースの公式オンラインショップで販売していたので、ぽちっと。

届いたものを身につけて使ってみると、なかなかいい。まず、デニムの風合いがとてもいいし、おなかのあたりにある左右のポケットにミトン(鍋つかみ)とかを突っ込んでおけるのも便利。胸にステンシルで入ってる「There is a smile around okonomiyaki, Borderless Happiness.」というコピーも、何だか笑える。

さて、食事の支度を始めるか、とこのエプロンを身につけると、それだけで何かのスイッチが入るような感じがする。家で原稿を書き始める前に、ペーパードリップでコーヒーをいれて、一口飲んだ時のような。インタビュー取材を始める前、筆記道具とICレコーダーを点検して、机上に並べた時のような。撮影の前に、カメラを首にかけ、指の腹でシャッターボタンやダイヤルの感触を確かめた時のような。

良い買い物だった。このエプロンとも、長い付き合いになるといいな、と思う。

台所に立つ

一人暮らしから二人暮らしに移行して、ほぼ毎日、食事の支度で台所に立つようになった。最近、それにすっかり馴染んできたように感じる。

八百屋やスーパーの店頭で、安くてぷりぷりにうまそうな野菜を吟味するのが好きだ。エコバッグから長ネギを突き出させながら、馴染みのパン屋で食パンを買うのが好きだ。冷蔵庫の中の食材を無駄なく消費していけるような献立を考えるのが好きだし、ちょっと珍しい調味料やスパイスもまんべんなく使い切れるようなレシピを考えるのも好きだ。ストウブの鍋でカレーをコトコト煮込むのが好きだし、鉄のフライパンを威勢よくふるってチャーハンを作るのも好きだ。初めて作ってみた料理で改善点を見つけて、二度目か三度目にもっとうまく作れた時は嬉しい。そして何より、仕事先から疲れた顔をして帰ってきた相方が、もぐもぐうまそうにごはんを頬張ってるのを眺めるのが嬉しい。

料理というのは、別の誰かにうまいうまいと食べてもらえると、さらに嬉しいものなのだな。だから僕は、今日も台所に立つ。