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マタルの味

実家から送られてきた野菜の中にグリーンピースが入っていたので、それを使って豆ごはんを作ることにした。

米をいつもより若干少なめにして、いつもの量の水を入れ、酒と塩を少し。ごはん鍋を火にかけて、沸騰してきたらグリーンピースを投入し、蓋をして弱火で炊き、蒸らせばできあがり。

グリーンピースはインドでは「マタル」と呼ばれていて、ジャガイモとグリーンピースのカレー(アルー・マタル)など、インド料理ではよく使われる野菜だ。インドの中でも一番上等なマタルは、スピティ産のものだと言われている。標高四千メートルに達する高地の村々で栽培されるマタルは、畑でもいでさやから取り出し、生のまま頬張っても、まるで果物のように甘い。去年の夏、スピティの村から村へと歩いて旅していた時、収穫に精を出す村人たちが、もぎたてのマタルをよく手づかみで分けてくれたっけ。

僕にとっては懐かしい、マタルの味。もうすぐ、またあそこで味わえるかな。

エベレスト盛り

何が何でも、豚肉のしょうが焼きが食べたい。今日はなぜかそんな気分だった。

スーパーでそれ用の豚バラ肉を買ってきて、しょうがをおろし、タレを作って肉を漬け込む。その間につけあわせ用のキャベツを千切りに。中途半端に残っていたので、えいやっと全部刻むと、何だかすごい量に。皿にうずたかく盛りつけたら、文字通り山のようになってしまった。

聞けば今日、三浦雄一郎さんが80歳にしてエベレストに無事登頂したとのこと。ええい。その記念だ。豚肉のしょうが焼き、キャベツエベレスト盛り。肉もキャベツもおいしくいただいた。満足。

春キャベツのスープ

最近、晴れたり降ったり、蒸し暑かったり急に冷えたり、イマイチ定まらない天気が続いている。その変化に身体もついていけないのか、昨日の朝は、起きたら軽い頭痛がして、少し横になっていた。たいしたことはなかったけど、イマイチしゃんとしないことは確か。

こういう日は、身体が暖まって、しっかり野菜を摂れる料理にしようと思って、冷蔵庫にあった春キャベツとソーセージでスープを作ることにした。鍋でオリーブオイルを熱し、刻んだニンニクとショウガを投入し、ソーセージを炒め、ざっくり切ったキャベツを放り込み、ひたひたに水とコンソメキューブを足して、軽く煮る。塩こしょうで味を調整して完成。簡単。

はふはふとスープをすすっていると、ほんとに身体の内側からぽかぽかしてくる。こういう天気だからって、冷たくてさっぱりしたものばかり食べてるといけないな。うまくバランスを取らねば。

冷凍ごはんの解凍

自炊をする時、うちではごはん鍋で米を炊いている。一度に二合炊けるので、それを三回くらいに分けて食べる。その日食べる分を差し引いた二食分は冷凍して保存。これまではラップにくるんだり、電子レンジで使える適当な容器に入れたりしていたのだが、これがどうにも具合が悪かった。ラップだと解凍した後にしょっちゅうアチチッとなるし、適当な容器だと解凍の具合にムラができたりして、あまりおいしくならなかったのだ。

で、先日、ふとスーパーで見かけて買ってみたのが、ごはんを冷凍保存する専用容器。これが何気にすごい。同じように電子レンジで解凍したごはんなのに、めっちゃうまいのだ。底が内側に凹んでいることで加熱ムラを防いだり、フタの蒸気弁から蒸気を適度に逃がしたりする構造がその理由のようなのだが、1個あたり100円かそこらの商品でこれだけの恩恵を受けられるのだから、こういう分野での人間の創意工夫というのは素晴らしいなあと思う。もちろんくりかえし使えるから、毎回ラップを消費するよりエコだし。

‥‥なんかまた、ものすごくどうでもいいことをつらつら書いてしまったような‥‥いや、どうでもよくない。おいしいごはん、大事。

菜の花炒めのっけ丼

今日は一日中、自宅作業。書かなければいけない原稿は、文字通り山のようにあるけれど、こういう時に焦ってバタバタしても仕方ない。やるべきことを一つずつ、淡々と進めていくだけだ。

まずはゆっくり寝て起きて、おひるを食べてコーヒーを淹れ、昨日届いた亡命チベット人の歌のCDを聴きながら、明日の取材の準備をする。夕方、近所のスーパーに行って、当面必要な食材をまとめ買い。野菜売場に三鷹産の菜の花があったので、晩飯はそれをソーセージとニンニクと一緒にオリーブオイルで炒め、塩こしょうとゆずぽん少々で味付けして、ごはんの上にのっけてどんぶりに。単純だけど、うまい。毎年この時期になるとよく作る、春ならではの味。

ここしばらく、なかなか料理する時間も取れなくて、ありあわせのものや適当な外食ですませていたけれど、簡単でもちゃんと自炊した料理を食べると、身体がしゃんとする気がする。食べるのは大事だな、ほんとに。