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いちごの味

晩飯の食材の買い出しに近所のスーパーに行った時、何の気なしに、いちごを1パック買った。ついでに練乳も。いちごに練乳をかけて食うなんて、もう、いつ以来だか思い出せない。何十年ぶり、くらいかもしれない。

実家のある岡山は気候が温暖で、果物栽培も盛んだった。子供の頃、果物は当たり前すぎるくらいいつも食卓にあった。マスカットや白桃など、東京で買うと目玉が飛び出るくらい高価な果物も(もちろん地元で出回るずっと安いものだが)、季節になれば毎日のようにぱくぱく食べていた。

いちごも確か、親戚が露地栽培していた記憶がある。子供の頃、収穫の手伝いというか、もいでは食べ、もいでは食べ、していた記憶もある(笑)。あの時食べた、小さないちごの味だけは、今も不思議によく憶えている。すっぱかった。でも、たまらなくおいしかった。お日さまの恵みが、ぎゅうっと詰まったような味だった。

カレーのカタルシス

終日、部屋で仕事。今週に入って依頼された、新規案件の原稿を書く。別に大がかりでもなく、それほど難しくもない内容なのだが、まだあまり感じがつかめていないので、形にするまでにちょっと手間取る。まあ、おいおい慣れていくだろう。

夕飯は、ひさしぶりにカレーを作った。カレー用の豚バラと、じゃがいもとにんじん。玉ねぎはみじんぎりにして、あらかじめよく炒めておく。ルーは定番のジャワカレー辛口。最近、袋入りの粉末状になって、かなり扱いやすくなった。

それにしても、カレーというやつは、ルーを使って家で作るには簡単な料理なのに、ごはんと一緒に皿に山盛りにして、はふはふ言いながら口に運び、食べ終えてからソファに背を預けて、ふーっ、と息をついた時のカタルシスたるや、ほかの料理と比べて群を抜いていると思うのだが、なぜだろう。日本人、そんなにカレーが好きなのか。食べ終わった後の洗い物は、めんどくさいけど。

ジンジャーシロップ

子供の頃に苦手だったのに大人になると好きになる食べ物や飲み物はいろいろあるが、僕の場合、生姜もその中に入ると思う。小さい頃は「辛いだけじゃん」とか思ってた(でも豚肉の生姜焼きはご多分にもれず好きだった)けど、今は自炊する時も炒め物から煮物やスープまで結構何にでも生姜を入れてしまうし、コーヒーが期待できなさそうな喫茶店(煮詰まりきったコーヒーの臭いが漂ってる店とか)ではジンジャーエールを頼むことも多い。

実際、適量であれば、生姜は身体にも良いと思うのだ。生姜をコンスタントに摂取するうちに花粉症の症状が改善されたという人の話も聞くし。というわけで、前にデイリーズで見かけてちょっと気になっていた、ジンジャーシロップを買って使ってみることにした。

ポットにミルクティーを作って、ジンジャーシロップを大さじ2杯くらい。飲むと、生姜の香りとともに、ちょっとだけ舌にぴりっとくる感触。今、飲みながらこれを書いているのだが、明らかに身体がぽかぽかと温まってきている。すごいなこれ……。これはいい買い物だったかもしれない。

掃除、洗濯、煮っころがし

昼頃までゆっくり寝て起きる。直近の仕事も昨日までにどうにか納まったし、今日は特に予定もない。なので、長い間サボってきた、部屋の大掃除に取りかかる。

埃を吸い込まないようにタオルを口元に巻き、あちこちに積もった埃を払い落とし、部屋中に掃除機をかけ、棚や机を雑巾で拭く。もちろん風呂場とトイレも。たっぷり2時間くらいかけて掃除して、終わってみると、何だろう、部屋が明るく感じられる(笑)。単に気持の問題だろうけど、すっきりした気分になった。

洗濯物を洗って干し、近所のスーパーに買い物に出かけ、晩ごはんは大根と里芋と豚バラの煮っころがし。野菜を5〜10分ほど下ゆでして、生姜と豚バラと合わせ調味料で炒め煮にしただけ。簡単だけど、おいしくできた。

さて。この後は、ゆっくり本でも読もうかな。

野菜と虫喰い

昨日と今日は、実家から送られてきたカブを晩ごはんのおかずにした。昨日はカブとえのきのそぼろ煮、今日はカブのしょうが焼き。葉付きのカブだったので、葉と茎も刻んで一緒に料理した。

実家から届いたカブは、葉っぱが結構虫に喰われていた。白菜とか他の葉物野菜もそうだった。僕はまったく何とも思わない(そして野菜たちはちゃんとした味でおいしかった)が、スーパーではこういう野菜を並べても、たぶん全然売れないのだろう。穴一つない、きれいな野菜ばかりが並んでいる。不自然なくらいに。そういう不自然さが行くところまで行ってしまって、最近では、形が不揃いだったり、土が付いていたり、虫喰い穴があったりすることが、安全な野菜の目印みたいにみなされてる風潮もある。それはそれで安易に信じていいのだろうか、とも思うが。

別に豪華でなくていいから、真っ当に作られた食べ物を食べたいなあ、としみじみ思う。