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ラバーラを買う

一昨日と昨日は、仕事や用事で、日中ずっと出歩いていた。月曜は昼から六本木でラジオ番組の収録。火曜は朝から確定申告をしに税務署へ(待ち時間が長すぎて死んだ)。夕方に新宿で打ち合わせ。さすがにちょっと疲れた。

そんな中、月曜の午後は、三越前にある木屋にまな板を買いにも行った。ここ七、八年使っていたのは小ぶりな木のまな板なのだが、端からのカビの侵食が結構きつくなってきたので、買い換えることにしたのだ。もともとネット通販で買おうとしていたものの、在庫切れで再入荷の見込みが立たずキャンセルになり、木屋に行けば在庫があるのではと思って、行ってみた次第。首尾よく入手し、仕事用のショルダーバッグのPC収納スペースにぴったり収めて持ち帰った。

今回買ったのは、ゴム製の抗菌まな板、ラバーラの小サイズ。実際に使い始めてみると、適度な重さで、表面にはゴム特有の弾力もあって、予想以上に使いやすい。木屋特製のバージョンなので、片面には野菜、もう片面には魚のマークがあって、切る食材によって面を使い分けられるのもいい。

調理用品というのは、それなりに品質のよいものを使うに越したことはない、と思う。愛着も湧くし。このラバーラも、大事に使っていこう。

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リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』読了。作家や作品についてほぼ何の予備知識もなく、題名から「ヘミングウェイの短編みたいな釣魚ものの小説かエッセイかな」と思いながら読み始めたら、良い意味で裏切られた。風変わりな比喩に彩られた、妄想の域にまで達している言葉の奔流の中に、歪で物悲しい当時のアメリカのリアルが漂っている。藤本和子さんの訳とあとがきも素晴らしい。他の誰にも書けない、稀有な一冊。

 チルドうどんブーム再来

主に自宅が仕事場なので、おひるは家で食べることが多い。たまに近所のカレー屋さんとかに行くこともあるけれど、毎日外食してると、結構な出費になってしまう。近所のおにぎり屋さんで2つほど買って帰ることもあるが、最近はおにぎり=米も高いから、これも気軽に毎日というわけにはいかない。パン屋の惣菜パンも、おにぎりと同じかそれ以上はするし。

そんなわけで最近割とよくおひるに食べてるのは、チルドうどん。三鷹で一人暮らしをしていた頃、飽き飽きするくらいよく食べてたのだが、そのブームがひさしぶりに再来している。なにせ、チルドうどんは安い。昔より値上がりはしてるが、それでも3玉パック140円くらいで買えるものがある。

指定された時間通りにうどんをゆでてざるにあけ、溶き卵を入れておいた丼に移してざっと混ぜ、醤油をかけ、あれば納豆やキムチを載せる。ぐるぐる混ぜて食べれば結構おいしいし、栄養もそれなりにある。今みたいに暑い時期には、ゆでたうどんを冷水で締め、大根おろしと醤油をかけ、そのままさっぱり食べるのもいい。最近、自宅でうどんを食べる時はこの二択になっている。

今日もおひるは、納豆キムチ釜玉醤油うどんにした。とりあえず、また飽きてくるまでは、このマイブームに乗っていこう。

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アーシュラ・K・ル・グウィン『火明かり』読了。岩波書店の『ゲド戦記』シリーズの最終巻として刊行された一冊。外伝にあたる短編『オドレンの娘』は、誰が正で誰が邪か、何が真実だったのか、わかりそうでわからないままに終わる物語で、いかにも後期のル・グウィンらしい作品。そして、ル・グウィンの死後に発表されたという表題作は……ゲドがついに迎えた最期の夜を、これ以上ないほど穏やかに、鮮やかに描いている。凄い作家だ……。完璧なエピローグを遺してくれたことに、感謝したい。

おっさんの食卓

GW後半の四連休。相方が神戸に弾丸帰省している間、僕は〆切間近の長文の原稿を抱え、東京の自宅で一人プチ合宿の日々を送っていた。

日々の食事は家で作って食べていたのだが、おっさん一人だし、時間も予算もかけられないので、メニューもさもありなんというものばかりになった。スーパーで買ってきたカツオのたたきと日本酒。宝舞の生餃子を焼いたのとビール。もぐもぐのちょい飲みセットとジントニック。毎日の原稿の苦行の憂さ晴らしも兼ねてはいたが、それにしても、メニューのチョイスがめちゃめちゃおっさんっぽい。この一杯のために生きてるな感が半端ない。

いいんだ、うまかったし、それなりに楽しかったし、原稿もちゃんと納期に間に合わせたんだから……。

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ジャック・ロンドン『火を熾す』読了。ずっと前に相方が貸してくれたのを、本棚に挿したまま、読み終えたような気分になってしまっていた本。ジャック・ロンドンが短い生涯の間に遺した膨大な数の短編小説の中から、柴田元幸さんが選んだ九編が収録されている。冒頭の表題作は、極寒のユーコン準州でなすすべもなく凍え死んでいく男の一挙手一投足を描いた話で、他人事とはまったく思えず(苦笑)、相方が貸してくれた理由がわかる気がした。多作だった故か、作品によって出来にむらはあるが、総じてド直球でフルスイングの文体で、昔のアメリカのベースボールの試合を眺めているような気分になった。

マキネッタ世代交代

五年ほど前、相方の友人の方から結婚祝いにいただいた、ペゼッティのマキネッタ。手軽にエスプレッソをいれられるのですっかり気に入って、毎日のように愛用していた。ただ最近になって、おそらく耐熱シリコンのパッキンの劣化などによって、うまくコーヒーをいれられなくなってきていた。あまりメジャーな品番でもないようで、Webで検索して探しても、交換パーツを扱っている店が見当たらない。残念だが、棚の奥に引退してもらって、新しいマキネッタを手に入れることにした。

新たに選んだのは、ビアレッティのヴィーナスというマキネッタ。耐久性の高いステンレス製で、構造や仕組み、使い方は前のペゼッティのとまったく同じ。割とメジャーな品番のようで、スペアパーツの調達にも困らなさそうだ。今回はカッパーとシルバーのツートンカラーのものにしてみたのだが、届いた実物はなかなか良い佇まい。またしても、すっかり気に入ってしまった。

豆を挽いてペーパードリップで美味しくいれるコーヒーも好きだけど、マキネッタで気軽にさくっとエスプレッソをいれるのも楽しい。僕の仕事日は、コーヒーとエスプレッソに支えられている(笑)。

土曜と日曜

先週の土曜と日曜は、ひさしぶりに二日続けての完全な休日。最近、よみうりカルチャーでの講師の仕事があったりして、なかなか休めなかったのだ。

土曜は昼に代々木上原のhako galleryに出かけて、鮫島亜希子さんと谷口百代さんのインドのおべんとうイベントへ。ダッバーワーラーの仕事ぶりを追った写真展もよかったし、現地のレシピで作ったというターリーもおいしかった。夜はコノコネコノコでこれまたおいしいごはんをいただいて、すっかりはらぱんの一日。

日曜は、食材の買い出しに近所に出かけた以外は、ずっと家にいた。ラジオを聴いたり、本を読んだり、コーヒーをいれてフルーツケーキを食べたり、夕飯にベンガル風の魚と野菜のジョルを作ったり。ただそれだけだったのだけれど、何だかとても豊かな時間を過ごせたような気もする。

人生には、余裕が、休みが、必要だ。しかしまあ、今日からはまた働かねばである。