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執筆から編集へ

今日も昼の間は外で道路工事のドリルが景気よく轟いていたので、本格的な仕事開始は夜から。どうにかこうにか、ガイドブックの草稿の推敲を終える。本当はもっと見直したい気もするが、きりがないし、先は長いので。メールに添付し、編集者さんに送信。ふー。

これで、「執筆」という作業が終わり、「編集」という作業に突入する。考えてみれば、これまで自分が全体または一部の執筆を手がけた本で、編集にノータッチだったものは二冊しかない。ほとんどは企画段階からどっぷりと関わっているので、編集にも当たり前のように関わっているのだが。今回の本は、最初から最後のページまで、すべて自分で構成を決めているので、編集もがっつりやる。

ガイドブックのような本では、編集にものすごく手間がかかる。ちまちまとした細かいチェックを気が遠くなるほど積み重ねて、ある意味、小説や読み物以上に、心を砕いて手をかけなければならない。かの地を旅する人、憧れる人に、役立ててもらうために。

いよいよ佳境。がんばろう。

風花

昼、都心での打ち合わせのため、外に出かける。冷え冷えとした風に乗って、ちらちらと雪が舞っている。風花というのかな、これは。まだまだ寒い日々が続いている。

今日の打ち合わせは、ガイドブックに載せる地図を作っていただく方との顔合わせ。あらかじめ用意した資料を手渡して、台割に沿ってたどたどしく説明していく。今回担当していただく方は、以前、インド北部のヒマラヤエリアの地図を作った経験があるとのこと。すでに草稿を書き上げたと僕がいうと、えっ、と目を丸くされていた。地図の前に原稿ができているというのは、この世界ではレアなケースらしい(笑)。

編集者さんとも細かいポイントを確認して詰めていく。こうした地ならしが終われば、いよいよ本格的な編集作業が始まる。始まれば始まったで、あちこちを現場合わせで調整していくことになるとは思うけど、大きなトラブルが起きないように、しっかり準備しておかなければ‥‥。

打ち合わせを終えてビルの外に出ると、また、ちらちらと風花が舞っていた。

感動の再会

一昨日の夜にとりあえず本の草稿が書き上がったので、昨日は気分転換に、一日外に出かけてきた。

まず向かったのは、蔵前のアノニマ・スタジオで開催されていたブックマーケット。良心的ないい本を作り続けている小さな出版社が一堂に会して、それぞれの本を販売するというイベント。思っていたよりもこぢんまりとした展開だったけど、こうして紙の本を作ることに熱意を持って取り組んでる版元さんもまだまだあるんだなあ、とちょっと嬉しくなった。

その次に行ったのは、六本木ヒルズで開催中の歌川国芳展。平日だからゆっくり見られるだろうと思いきや、すごい人出。「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」みたいな絵の前に、現実世界の人間たちがわちゃーっと群がっている様は、ある意味シュールだった(苦笑)。展示内容は素晴らしかったけど、さすがに疲れた‥‥。

そんなこんなの夕方、携帯に着信。この間の飲み会でなくして行方不明になったマフラーが、ジュレーラダックの事務所で発見されたらしい。スカルマさんのカバンの中にマフラーが入っていたのだとか(苦笑)。いったい何でそんなことになったのかさっぱりわからないけど、とにかく受け取りに行こう、と茗荷谷にある彼らの事務所へ。もう二度と会えないと思ってたお気に入りのマフラーと、感動の再会。よかったー。うるうる。

で、その後は、スカルマさんたちと近所で晩ごはんを食べることになり、軽く晩ごはんのつもりが、気がつけば終電一歩手前まで飲むはめになり‥‥。でも、今度はしっかりと、マフラーを持って帰った。もう離さないぜ(笑)。

あっけない登頂

ここのところ静かになったと思っていたら、今朝、また道路工事のドリルの音で目が覚めた。今日は、僕の部屋の窓のほぼ真正面。音と振動で、もう何もできない(泣)。

彼らの昼休みの間にそそくさと仕事を進め、午後半ばに再びうるさくなってきたところで、いったん休止。スーパーに晩飯の食材を買いに行き、ついでにコンビニで立ち読みして時間を潰す。何で俺がこんな目に‥‥。

夕方、ドリルが轟く中で早めに晩飯をすませ、風呂に入った頃になって、ようやく静かになった。執筆再開。しばらくゴリゴリと書き進め、情報を整理して‥‥。あれ? 次のページは?

気がつけば、最後のページまで到達していた。あっけない登頂。本格的に書きはじめて、約二カ月。データを合わせて数えてみたら、11万字ちょっと。ふー。やれやれ。

まあでも、この後、最初から最後まで推敲して、全体のトーンや表記を統一したり、不用意にだぶってる表現を調整したり、いろいろ手直しをしなければならない。まだまだこれからだ。

とりあえず、明日は気晴らしに、ぶらっと都心に出かけてこよう。

隠遁生活

終日、部屋で原稿を書く。昨日も一昨日も、いや、二カ月前からほぼずっと同じ、まるで隠者のような生活(苦笑)。資料が一面に散らばる机に向かって、毎日、毎日、キーボードを叩き続けている。

大変といえば大変だし、きついといえばきついけど、つらいと感じたことは、今回の本に関してはまだ一度もない。どんなにややこしくて書くのが難しい部分にさしかかっても、心の中はいつも子供みたいにはしゃいでいる。自分が一番好きな場所、一番大切な場所について書いているのだから、どんな苦労も苦労じゃない。ただ、わくわくと楽しくて仕方ない。だから僕の場合、執筆期間というのは、いささか子供じみた隠遁生活なのかもしれない(笑)。

そんな風にして書き続けてきた本の草稿も、あと数ページですべて書き上がる。でもその後はすぐ、推敲、修正、レイアウトと編集。ひと息つく間もなく、戦いはまだまだ続く。