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隙間の時間

午後、赤羽で取材。諸事情で手こずった昨日に比べると、今日は相手の方にも助けられて、とてもスムーズに進められた。話が盛り上がりすぎて、収録後の撮影が押してしまいそうになる寸前で、さりげなくまとめることもできたし。誰もそのテクに気付いてないし、ほめてもくれないけど(笑)。

三鷹には夕方の早い時間に着いたので、すぐに家に帰って、パスタか何か適当に晩飯を作ってから昨日今日の原稿に取りかかるつもりでいたのだが、ふと思いとどまって、喫茶店に入る。マンデリンを1杯注文し、読みかけの文庫本を取り出して、1時間くらい、ゆっくりと読む。

何てことのない1時間だったのだが、緊張していた神経が、ゆるゆると解きほぐされた気がした。人間には、こういう隙間のような時間が必要だ。テトリスみたいにすべてを追い込んでいくと、たいてい、ろくなことにならない。

あれやこれやと

午前中、越中島で大学案件の取材。ちょっとひさしぶりの取材だったが、面白い話を聞くことができた。終わった後、JRでひと駅乗って、八丁堀の出版社へ。今作っている本の再校を担当さんに戻し、あれやこれやと打ち合わせ。

八丁堀から歩いて東京駅方面に向かい、八重洲地下のエリックサウスでランチミールス。そこから丸ノ内線に乗って池袋へ。来月下旬から写真を展示させてもらえることになった、某大型書店の店内を視察。展示方法とか、地味にいろいろ確認しなければならないことがあったので。

その後は山手線と銀座線を乗り継いで、外苑前のオン・サンデーズへ。齋藤陽道さんの写真展「土耳古の光」を見る。黄色くてまろやかな光の眩しさ。透明で、ぱやんとした空気。ああ、トルコだ、あの国だ。と、かれこれ18年も前に訪れたきりの土地のことを思い出す。道端で買った焼き栗の味とか、ボスポラス海峡の潮の匂いとか。

外苑前から表参道まで歩き、ひさしぶりにブルーボトルコーヒーでひと休み。混んではいるが、週末に比べれば店内はそこそこ余裕がある。ベランダの立ち飲み席でコーヒーを飲んだ後、ついでに豆も補充。ジャイアント・ステップスというネーミングが気に入っているブレンド。コルトレーンかと。

とまあ、そんなこんなでたくさん歩き回り、家に帰ってからも各方面にたくさんメールを書き続け、さすがに疲れた。明日は早起きできたら、税務署に行ってこよう……。

戦は続く

昨日の夕方、近所のスーパーに食材の買い出しに行って、レジに並んでいると、前にいた若い女の子が、ラージサイズのガーナチョコレートを何枚か、何かのクリームのようなもの、クッキングシートみたいなものを、わさっ、と買っていた。そうか、彼女にとっては、これから戦か。バレンタインデー前日だものな。がんばれー、と内心思った。

……戦が続いているのは、むしろ自分である。

新しい本の編集作業、いよいよ佳境。ゲラを何度も見直すうちに、冷や汗の出るようなミスを見つけてしまったりするので、本当に心臓に悪い。目はショボショボするし、集中力は落ちてくるし。まあでも、ここから月末までが正念場だ。万事ぬかりなくやり遂げて、きっといい本にしてみせる。

夕暮れの中を歩く

午前中、八丁堀で打ち合わせ。今作っている本の初校戻しと、PR関係の確認など。昼には終わったので、八重洲まで歩いて、地下のエリックサウスでランチミールス。平日ランチタイムの店内は戦場のような忙しさだったが、お客さんを笑顔で巧みにさばき続けるスタッフさんたちのチームワークに感心させられた。

午後は小石川のジュレーラダック事務所に寄って、買い取ってもらった本につける小冊子とポストカードの納品と代金の清算。それから荻窪の雷鳥社に行って、社内で発掘してもらった小冊子とポストカードの引き取り。その後、ひさしぶりにTitleさんに寄った。眺めているだけで楽しくてワクワクする本棚。奥のカフェでコーヒーとアップルパイをいただきながら、本を読む。気になってた本も一冊買った。

店の外に出ると、澄んだ空が暮れ色に染まりはじめていた。そんなに風も冷たくなかったし、歩けるだけ歩いたれ、と思って、西に向かって歩き出す。途中、わざと知らない道に入っていってみたり。きれいな夕暮れだった。街がシルエットになり、灯りが点きはじめる。三鷹の自分の家まで、1時間半くらい歩いただろうか。頭と身体の内側がすっきりするような散歩だった。

また会えると思っていた

終日、部屋で仕事。夜までかかったが、とりあえず最後のページまで、一通り目を通し終えた。あとは関係各所からのフィードバックを待ちつつ、もう一度見直しをすれば、初校は問題なく戻せるだろう。今のところ、さほど大きな問題もなさそうだ。

……と、ちょっとほっとしたのもつかの間、Facebook経由で、年上の知人の方の訃報が。ご高齢だったので意外とまでは思わなかったが、それでも去年お会いした時は溌剌と元気にしておられたので、やっぱり、愕然としてしまう。あと3カ月ほど経てば、またお会いして、いつものように近況報告や雑談ができると思い込んでいた。

今度の新しい本を、お見せしたかったなあ……。