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出版社まで徒歩15分

午後、出版社で打ち合わせ。これから作る本について。

今回お世話になる出版社、最寄駅は荻窪なのだが、駅の西側、環八通りを渡ったところにあるので、位置的には荻窪と西荻窪の中間、ちょい荻窪寄りにある。僕の住んでいる西荻窪の家からは、電車に乗るよりも、歩いて行った方が時間がかからない。徒歩15分。いまだかつて、こんなにご近所に取引先があったことはない(笑)。

ちなみに、僕の住んでいるのは西荻窪の北口側なのだが、今回の本の担当編集さんは、西荻窪の南口側に住んでいるのだという。編集者という職業で、職場が近すぎるのって、かえってどうなんだろう、と思わないでもない。歯止めが効かなくなって、逆に家に寄り付かなくなるかも(笑)。

ともあれ、今回も、いい本にできればと思う。

エディトリアル・ライティング

最近は、自宅に籠って書き仕事をしていることが多い。先日、来年の出版が決まった自分の本の原稿ではなく、その前に片付けなくてはならない、インド関係の本の原稿。僕一人で書くわけではないので、著作と呼べる類の本ではないけれど。

この本の原稿には、写真やら地図やら、いろんなパーツが各ページに挿入されるので、1ページずつレイアウトラフを描いて、それぞれのパーツをどこに入れるのかを決め、それによって本文の文字数の上限がどのくらいになるのかを計算する。で、計算した文字数に合わせて文章を書く。編集と執筆の両方を同時進行で進めているような書き方。こういうのをエディトリアル・ライティングと呼ぶのだろうか。

こういう作業をしてると人に話すと、たいてい「よくそんな細かいことやりますねえ」みたいに呆れられるのだが、僕は地味で単調で細かい作業が好きなのだ(笑)。資料を突き合わせて情報を照合しながら、決めておいた文字数に合わせつつ、現地の事情をちゃんと理解している人間が情報を咀嚼して書いている、とわかってもらえるような文章に仕上げていく。読者には、制作の裏で僕が何を考えながら書いているか伝わらないとは思うけど、それでもやっぱり、書くのは、編集するのは、愉しい。本づくりを仕事に選んで、よかったなあと思う。

次の一冊

仕事中にメールが届いた。出版社の編集者さんから。連休前に僕が提出していた新しい本の企画が、採用されたとの報せ。よかった。これでまた、本を一冊、作ることができる。

ここ十数年のうちに、出版社から紙の本を出すのは、格段にハードルが高くなった。とりわけ、僕のような外部の人間がまったくのゼロの状態から本の企画を立ち上げ、それを出版社に持ち込んで通すのは、以前に比べるとものすごく厳しくなったと思う。今回は企画持ち込み一社めで成立したので、本当にほっとした。

最近は、「この本が、自分が出すことのできる最後の一冊になるかもしれない」と、冗談でなく思いながら作業に取り組んでいる。次の一冊がたとえ最後の一冊になっても後悔しないように、全力で作ろうと思う。伝えたいことを伝えるために、まごころを込めて、良い本を。

一山越えて

先週土曜は、モンベル御徒町店での「LADAKH LADAKH」刊行記念トークイベント。司会進行役を務めさせてもらったのだが、はたしてうまくいったのだろうか……その判断はお客さんに委ねるしかないけれど。個人的には、イベントの最後におまけで流させてもらった、自分の写真のスライド動画(この間、冬のラダックで撮ってきた写真)の時が、一番緊張した。最後の最後で、場がしらけてしまわないかと心配で心配で(苦笑)。

終了後、神田の居酒屋で関係者だけでの打ち上げ。そこでIPAビールをしこたま飲み、二次会は角田明子さんのスタジオで、朝までコース(苦笑)。ひさびさにやらかしてしまった……二日酔いにならなかったのが奇跡なくらい。まあでも、愉しかったなあ。出演者と関係者の方々にも喜んでもらえて、よかったと思う。

……と、いつもの年なら、ここでめでたしめでたしというところなのだが、今年は違う。5月は中旬に大阪でまたイベントがあるし、その後は吉祥寺で写真展もある。一山、越えはしたけれど、まだまだ先がある。がんばらねば。

「CAPA」2019年5月号「ドキュメンタリー写真家のメッセージ」

4月20日(土)発売予定のカメラ雑誌「CAPA」2019年5月号の連載企画「安田菜津紀がいま伝えたい・聞いてみたい ドキュメンタリー写真家のメッセージ」に、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんと僕が対談をさせていただいた記事が掲載されます。記事の中では、僕の撮った写真として、これまでどこにも出していない撮りたてホヤホヤのザンスカールの写真が数枚掲載されています。発売後に書店で見かけたら、お手に取ってご覧ください。