
これまで紙の書籍のみで販売されていた拙著の6作品が、いっせいに電子書籍化されました。AmazonのKindleのほか、主要な電子書籍プラットフォームで販売を開始しています。
紙の書籍は置き場所がかさばるので……と、これまで二の足を踏まれていた方、もしいらっしゃいましたら、この機会にぜひ。

これまで紙の書籍のみで販売されていた拙著の6作品が、いっせいに電子書籍化されました。AmazonのKindleのほか、主要な電子書籍プラットフォームで販売を開始しています。
紙の書籍は置き場所がかさばるので……と、これまで二の足を踏まれていた方、もしいらっしゃいましたら、この機会にぜひ。
六月頃からひっきりなしに稼働し続けていたエアコンも、ようやく出番がなくなってきた。ガーゼの肌掛けが掛け布団になり、部屋着がTシャツと短パンから長袖スウェットの上下になり、朝のコーヒーがアイスからホットになり、近所を出歩く時の靴がサンダルからスニーカーになった。マンションから外に出ると、金木犀の匂いがふわりと漂っていた。やっと、秋らしくなった。
金子書房のnoteで、「流離人の耽読」という読書エッセイの連載を始めた。その準備の関係もあって最近は、本を読んでは連載の原稿を書くという、今までにないルーティンで仕事をしている。これが、思いのほか新鮮で、面白い。基本的に月二回更新なので、読んで、書いて、また読んで、と結構せわしなくて大変ではあるのだが、今まで書いてきた紀行文とはかなり違うスタイルの文章に挑戦していることもあって、充実感がある。何事もやってみるものだな、と思う。
連載の性格上、エッセイで取り上げるのは、かつて何度か読んだことのある本の再読である場合がほとんどなのだが、ひさしぶりに再読すると、当時心を動かされた言葉に再会してまた感動したり、以前は気付かなかったことにふと気付いたり、いろいろな発見がある。本を読むという行為自体の面白さも、再発見できているような気がしている。
せっかくの取り組みなので、がんばって、できるだけ長く連載を続けていければ、と思っている。
この間、近所の図書館に行って、本を借りた。仕事で、二冊ほど児童書に目を通さなければならなくなり、カーリルで調べてみたら、家から一番近い図書館に在庫があるとわかったので。
家から歩いて15分ほどのところにあるその図書館を利用したのは、今回が初めて。図書館自体を利用したのも、ずいぶんひさしぶりだ(ラダック関連の資料本など図書館にはまずないし、そうした本自体、自分の書いた本以外にあまりないし)。平日の午前中でも、意外に利用者がちらほらいる。必要な本はすぐに見つかった。館内のパソコンで利用者登録をして、バーコードの付いた利用者カードを作ってもらう。本を貸し出してもらう時の手続きも、バーコードでピッピッ、とすぐに終わる。昔、学校にあった図書館の本には、表3の見返しの部分に手書きで記入する貸出カードを入れる紙ポケットがついていたが、ああいうのはもうないのだろうか。
近所の図書館、自分が興味を持てそうな本がもう少しあれば、引き続き利用してみたい気もするのだが、それには蔵書数が少々心もとない印象。これからしばらくの間、仕事でいろんな本に目を通すことになりそうなので、ドンピシャで在庫があれば、その時はまた……という感じかな。
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栖来ひかり『時をかける台湾Y字路 記憶のワンダーランドへようこそ』読了。台北を中心に著者自らが足で探し出した数々のY字路のルーツを、古地図や資料と重ね合わせながら紐解いていった、不思議な雰囲気の街歩きガイド。よく調べて書かれていると思うが、先に台湾で刊行された本をもとに日本オリジナル版として作ったからか、台北各地の地名などがある程度頭に入っていないと、少々とっつきにくいかなと思う(僕自身も苦戦した)。台湾が好きで何度も訪れている人には、ちょうどいいのかもしれないが。

『流離人のノート』
文・写真:山本高樹
価格:本体2200円+税
発行:金子書房
四六変形判 304ページ(カラー54ページ)
ISBN 978-4-7608-2700-8
配本:2025年10月16日
2023年夏から金子書房のnoteで2年弱ほど担当した連載エッセイが、書籍化されることになりました。連載分のほか、単発で執筆したエッセイと書き下ろしを加えています。収録している写真の約3分の1は、20年以上前にフィルムカメラで撮影したもので、カバーの写真もそのうちの1枚です。
これまでに書いてきた本の中でも、自分にとっての「旅」という行為に、もっとも真正面から向き合った一冊になっていると思います。ポルべニールブックストアでは、特典小冊子付きサイン本のオンライン予約を受付中です。よかったらぜひ。
四月下旬の『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』の発売に合わせて、連休前から今日までの間、都内を中心にいくつかの書店にご挨拶回りをしていた。
書店員の方々と話をしていて感じたのは、『雪豹の大地』の現物を目にして、おお、これは、とただならぬ気配を察してくださっていた方が多かったということ。やっぱり、完成度をとことん突き詰めて作り上げた一冊の本が醸し出す存在感は、書店員や読者の方々にも伝わるものなのだな、と。チームで作り上げた本をそんな風に受け止めてもらえていて、個人的にも嬉しかった。
それにしても、行く先々、素敵な書店が多かった。自分の好みドンピシャな品揃えだったりすると、ついつい見惚れて、気がつくと一冊手に取っていたりする。そうして買った本が日を追うごとに増えていき……また本棚のスペースがなくなってきた……。
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J.D.サリンジャー『彼女の思い出/逆さまの森』読了。グラース家の物語でもコールフィールド家の物語でもない、サリンジャーの初期の短編集。明らかに軽めに書かれた作品もあるが、彼ならではの先見性と繊細な感性、そして語り口の巧みさを堪能できる一冊になっている。特に、彼自身の実体験が反映されているとも言われている表題作には、心を打たれた。