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酔うために飲むのではなく

世間では最近、「安くてすぐ酔える酒」が人気らしい。アルコール度数がかなり高めのチューハイなどがそれだ。そういえば海外、たとえばブータンにも、アルコール度数がやたら高いビールがあって、地元のガイドさんに聞いたら「安くてすぐ酔えるから人気がある」と言われた。

僕自身はそういう「安くてすぐ酔える酒」を自分で買って飲んだことがないから、味とかの評価はできないのだが、たぶんこれからも「安くてすぐ酔えるから」という理由で酒を選ぶことはないだろうな、とは思う。

僕は基本的に、酔うために酒を飲んだりはしない。そもそも、結構な量を飲んでも酔っ払ったり性格が変わったりしないというのもあるが、僕は酒が「おいしい」と思うから飲む。完全に酔っ払ったら、酒の味がわからなくなってもったいないし。

なので、せっかく飲むなら、何よりもまず「おいしい」と思える酒を選びたい。その選択肢の中にハードリカーが入っていれば、無茶でない範囲で飲む。それでいいんじゃないかと思う。最初から「酔うために飲む」というのは、やっぱりもったいない。酒は、味を楽しまなきゃ。

関健作×山本高樹 トークイベント「僕たちはブータンとラダックで、撮って、書いて、生きてきた。」


毎年春の恒例行事となりつつある、ブータン写真家の関健作さんとのコラボトークイベント。今回は、お互いの旅と写真と文章のルーツ、それぞれのメインフィールドにこだわり続ける理由などについて、じっくり話してみようと思っています。ご来場、お待ちしています。

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関健作×山本高樹 トークイベント
「僕たちはブータンとラダックで、撮って、書いて、生きてきた。」

旅に出て、ある場所に出会う。そこはもしかすると、あなたが訪れるのをずっと待ってくれていた場所かもしれません。ヒマラヤの東の小国ブータンに出会った関健作と、ヒマラヤの西外れの辺境ラダックに出会った山本高樹。彼らは何に惹かれ、何を求めて、それぞれの土地に関わり続けることを選んだのでしょうか。二人の写真家がこれまでに紡いできた写真と言葉の変遷をたどりながら、異国への旅、そして人生について、じっくりと考えてみるトークイベントです。

■日時:3月25日(土)14:30〜16:30(14:00開場)
■会場:モンベル 御徒町店 4F サロン
東京都台東区上野3-22-6 コムテラス御徒町
TEL03-5817-7891
http://www.montbell.jp/
■定員:80名(メールによる事前予約制)
■主催:GNHトラベル&サービス
http://gnhtravel.com/

にじみ出るもの

昼の間、部屋で原稿を書く。長めのインタビュー原稿をどうにか形にできたので、ほっとする。

夕方、都心へ。恵比寿でラーメンを食べ、ヴェルデでコーヒーを飲み、代官山蔦屋書店へ。竹沢うるまさんと旅行書コンシェルジュの荒木さんとのトークイベントを拝聴。途中で竹沢さんが急に僕の名を呼び、会場の全視線に急に振り向かれるという不測の事態に(苦笑)。僕の本を知っている方も何人か会場にいらっしゃって、終了後に声をかけていただいて、恐縮してしまった。

竹沢さんは、自分のメッセージや思いを込めようとして写真を撮ってはいないのだという。あくまで媒介者として、凪いだ水面のようにフラットな心で対峙し、何かに心が反応して波紋が浮かんだ瞬間にシャッターを切る。写真で捉えようとしているのは、自分自身の心の揺れ動きそのものなのだと。

メッセージや思い入れは、意図的に伝えようとしてもたいていうまく伝わらない。作り手や伝え手の個性というものも、意図的に出そうと思うとたいてい失敗する。そういうことを意識せず、自分自身の気持に素直に従って、前へ前へと進み続けていれば、個性や思いや伝えたいことというのは、しぜんとにじみ出てくるというか、見る人や読者がそれぞれに解釈して受け止めてくれる。そうやって委ねるべきものだとも思う。

レベルは大きく違うけれど、僕自身の文章や写真に対しても「ヤマタカさんらしいよね、ヤマタカ節だよね」とは周囲からよく言われる。僕自身は、いったいどのあたりがヤマタカらしいのか、未だにわかっていないのだけれど。笑われてるのかな(苦笑)。

Bhutan 2016

夏至に風邪

今日は夏至らしい。ついこの間、年が明けたと思っていたのに(いやほんとに)。で、夏至にもかかわらず、風邪っぴきというていたらく。

風邪というか、先日のブータン取材の折、やたら風の強い日に土埃を吸い込んでしまって喉と鼻の粘膜を傷めてしまったのが、ずっと尾を引いている感じだ。喉の方はいったんよくなりかけたのだが、昨日あたりからまたちょっと腫れぼったくなってきた。抵抗力が落ちているのか、仕事がちょっと一段落してホッとして気が抜けたのか。いずれにしても、やれやれである。

あと3週間で体調を完全に元に戻さなければ。ラダックは一筋縄ではいかない。