10連休への違和感

日頃からフリーランスの立場で仕事をしている自分にはいまいちピンとこないのだが、世間では明日からゴールデンウイークが始まる。今年は、政府が何だかんだと休日を付け足して、10連休になっているのだそうだ。

休日が増えたと喜んでいる人もいれば、職種の都合でまったく休めないという人もいる。行楽地は混雑するだろうし、普段の生活圏で休む店が多いと不便なこともあるかもしれない。そんな中で、僕が以前から個人的に違和感を感じているのは、「そもそも、休日以外に休みたい時でも、それなりにまとまった期間の休暇が異様に取りにくい日本の風潮って、何なの?」ということ。休日だから休んでいい、そうでない時は休んじゃダメ、という全員右へ倣え的な慣習に囚われているのが、アホらしくて。

定時に帰ると、なぜか「真面目にやれ」と怒られたり。逆に建前上は残業禁止なのに、膨大な量の仕事を押し付けられて、家に持ち帰ってやらざるを得なかったり。有給休暇の権利をもらっても、それを行使するのがはばかられる雰囲気が職場にあったり。

こういうことに関する日本での「当たり前」は、他の国々ではまったく「当たり前」ではない。ほんと、バカバカしいな、と思う。

春山を歩く


昨日は(日本国内では)ひさしぶりの山歩き。自分的にはおなじみの、陣馬山から高尾山までのお手軽縦走コース。朝、家を出た時は薄曇りでどうなるかなと思ったが、陣馬山を登っているうちにすっかり晴れて、ちょっと暑いくらいの陽気になった。春霞で景色はぼんやりしていたが、芽吹いたばかりの新緑が眩しくて、いろんな鳥の鳴き声を聞きながら、のんびりと尾根歩きを楽しむことができた。

平日なので登山客も少なく、おおむね快適だったのだが、高尾山周辺にさしかかると、小学生の遠足のグループにあちこちで遭遇。そこら中を自由に走り回るちびっこたちを追いかけながらカメラを構える、プロのカメラマンさんたちが本当に大変そうだった。ご苦労様です。

一山越えて

先週土曜は、モンベル御徒町店での「LADAKH LADAKH」刊行記念トークイベント。司会進行役を務めさせてもらったのだが、はたしてうまくいったのだろうか……その判断はお客さんに委ねるしかないけれど。個人的には、イベントの最後におまけで流させてもらった、自分の写真のスライド動画(この間、冬のラダックで撮ってきた写真)の時が、一番緊張した。最後の最後で、場がしらけてしまわないかと心配で心配で(苦笑)。

終了後、神田の居酒屋で関係者だけでの打ち上げ。そこでIPAビールをしこたま飲み、二次会は角田明子さんのスタジオで、朝までコース(苦笑)。ひさびさにやらかしてしまった……二日酔いにならなかったのが奇跡なくらい。まあでも、愉しかったなあ。出演者と関係者の方々にも喜んでもらえて、よかったと思う。

……と、いつもの年なら、ここでめでたしめでたしというところなのだが、今年は違う。5月は中旬に大阪でまたイベントがあるし、その後は吉祥寺で写真展もある。一山、越えはしたけれど、まだまだ先がある。がんばらねば。

持ち時間

昨日は昼の間に散髪に行ったり、いくつか用事を片付けたりして、夕方から下北沢のシェアオフィスで、今年から関わっている企画の打ち合わせ。

この間のインドでの取材の(国際情勢に振り回されまくった)後半戦は、主にこの企画に関わるものだった。諸事情でなかなか実作業に取りかかれずにいたのだが、昨日の打ち合わせでいろいろクリアになって、ようやく着手できそうな段階にまで漕ぎ着けられた気がする。それを受けて、今日は家で写真のRAWデータの現像作業の続きをしていたのだが、あらためて冷静になって考えてみると、自分の持ち時間、全然ないな、と気づく。

インドのこの企画の他に、僕個人がこれから書こうとしている本の企画もあるし、5月中旬は大阪でイベント、6月上旬は吉祥寺で写真展(僕自身は出展しないけど)。6月下旬から8月初旬までは、主にガイドの仕事でまたインド。10月はまるまるタイ。その合間に国内での仕事が差し込まれたら、時間、ない。全然ない。

目の前にあるものを一つずつ、かたっぱしから、やっつけていくしかないか。まずは、明日のモンベル御徒町店でのイベントだ。

「CAPA」2019年5月号「ドキュメンタリー写真家のメッセージ」

4月20日(土)発売予定のカメラ雑誌「CAPA」2019年5月号の連載企画「安田菜津紀がいま伝えたい・聞いてみたい ドキュメンタリー写真家のメッセージ」に、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんと僕が対談をさせていただいた記事が掲載されます。記事の中では、僕の撮った写真として、これまでどこにも出していない撮りたてホヤホヤのザンスカールの写真が数枚掲載されています。発売後に書店で見かけたら、お手に取ってご覧ください。