部品交換

午前中に、荷物が届いた。先週注文しておいた、ワークチェアの部品だ。

僕が使っているワークチェアは、ヴィトラ社のイプシロンというモデル。十年近く前に購入したものだが、座り心地とリクライニング機能がすこぶる快適で、ずっと愛用し続けてきた。ところが最近になって、床に接するキャスターの部分が劣化してボロボロになり、このまま使い続けるのが難しくなってしまったのだ。

イプシロンはもう製造中止になっているし、修理するのは難しいかもしれない‥‥とあきらめかけていたのだが、ダメもとで販売元にメールで問い合わせてみると、キャスターの部品だけ交換用の在庫がある、との報せ。ラッキー。一個500円のキャスターを五個交換して、無事にイプシロンを蘇生させることができた。

ついこの間は、ラダックで酷使して擦り切れてしまったG-SHOCKのベルトをネットで検索しまくって発見し、首尾よく入手して交換することに成功。ワークチェアにしろ時計にしろ、長年愛用してきたものを甦らせて使い続けられるというのは、何だかうれしい。

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アッバス・キアロスタミ監督の最新作「Certified Copy」が、東京フィルメックスで上映されるらしい。観たい!

手売りの喜び

今日も朝から、日比谷公園のグローバルフェスタへ。ジュレーラダックの物販ブースで店番をする。天気はどうにか持ちこたえてくれて、人出は昨日以上。売上もなかなかよかった。

昨日の段階で「ラダックの風息」が売り切れて、ジュレーラダックの事務所にあった在庫も尽きてしまっていたので、今日は僕が自宅にキープしてあった新品を7冊ほど持っていった。が、これも次から次へと売れていき、夕方の早い時間にあっさり完売してしまった。

全国の書店やアマゾンで売れていくのはもちろんうれしいけれど、自分が渾身の力を込めて書いた本を目の前のお客さんに差し出して、それをお客さんがニコニコしながら受け取ってくれるのを見るのは、何物にも代え難い喜びだ。本をつくる仕事に携わることの原点は、こうして手売りをした時に感じる喜びに行き着くのかもしれない。大切なこと。そして、けっして忘れてはならないことだと思う。

日比谷公園で世界一周

今日と明日は、日比谷公園でグローバルフェスタという国際協力をテーマにしたイベントが開催される。いつもお世話になっているジュレーラダックも物販ブースと飲食ブースに出展するので、僕も朝から出かけて、ラダックの洪水被害についての説明をしつつ、物販ブースの店番を手伝うことにした。

不安定に見えた空模様もどうにか持ちこたえて、会場には大勢の来場者が訪れていた。とはいえ、先週のナマステインディアに比べると、物販ブースの広さは半分程度だし、売れ筋商品の大半は先週の段階で売れてしまったので、僕らは割とのんびりとした営業。交代でおひるやおやつを食べに行っては、世界各国の味に舌鼓を打っていた。

中米やパレスチナ、アフリカなど、どちらかというとマイナーな国々の民芸品や食べ物を、公園をぶらぶら一周しながら楽しめてしまうというのは、このイベントならではだ。加えて、各国が抱えている課題とそれを解決するための努力について知ることができるのも、貴重な機会だと思う。人間はまだ捨てたもんじゃないな、と、ちょっぴり前向きになれた。そして、旅心がちょっぴり刺激された(笑)。

フリーライターという職業

昨日のエントリーで「帰国してからちゃんとお金を稼げる仕事をしていない」と書いたら、今朝になって急に仕事の依頼が来た。このブログ、関係者にモニタリングされているのだろうか(笑)。

今月から来年の春先にかけて取り組む案件は、企業のWebサイトに掲載する記事の執筆や、官公庁のプロジェクトに必要な各種印刷物の制作など。書店で販売される本や雑誌の仕事ではない。自分が書いた本の印税だけで暮らしていけるなら理想的だけど、なかなかそうはいかないし、慢性的な出版不況で、雑誌絡みの仕事は壊滅状態。だから、書店売りの本以外の案件も大事にしなければならない。正直な話、ギャラは青息吐息の雑誌の原稿料よりも全然ましだし。

学生の頃、出版業界に飛び込んだ時に最初に携わったのは、いろんな企業の入社案内パンフレットを作る仕事だった。だから僕は、こうした書店売りの本でない案件にも、まったく違和感を感じない。普段自分が接することのないテーマで取材ができるのは新鮮だし、どんなテーマにも面白い部分はあるものだ。逆に、そういう好奇心をなかなか抱けないという人は、フリーライターには向いていないと思う。

しかし、情報というものの価値がどんどんチープになっている今、フリーライターという職業は、これからどうなっていくのだろう? ある意味、絶滅危惧種みたいなものなのかもしれない。

仕事ではない仕事

朝からあいにくの雨。昼頃、てくてく歩いてこいけ菓子店へ。僕の方で今作っている店舗ブログに使う写真で、足りないカットを追加撮影する。光線が悪くてちょっと苦労したが、Photoshopを使えば何とかなるレベル。家に戻ってから写真を調整・加工し、ページに貼り込む。これで、器としてのブログはだいたい完成。期せずして、Webデザイナーのような作業をしてしまった(苦笑)。

ラダック写真展の会期中に開催する予定のトークイベントの打ち合わせも、徐々に進める。何とかうまく実現できそうな方向にプランがまとまってきた。大勢の人の前でしゃべるのはいつまでたっても慣れないが、これも自分の役割だと思って、観念することにする。

それにしても‥‥日本に戻ってきて約一カ月。こんな調子であれやこれやに取り組んで、ずっとバタバタしているのだが、ちゃんとお金を稼げる仕事には、ほとんど取りかかれていない‥‥。企画書を書くだけじゃメシは食えないし。