懐かしい味

今日はカレーが食べたいな、と思い立つ。いつもなら、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、豚肉と、清く正しい日本のカレーライスを作るのだが、今日は何だかメンドクサくなって、冷蔵庫にあったカリフラワーとカレーペーストを使って、インド風のカレーを作ってみることにした。

ショウガとニンニクとタマネギをみじん切りにして炒め、小さく刻んだカリフラワーを投入して炒め、カレーペーストと水を適量加えて、15分ほど弱火で煮る。本当は、トマトかトマトピューレを少し入れた方がいいのかもしれない。ともあれ、あっというまにゴビ・サブジの完成。

ショウガをたっぷり刻んで入れたのが正解だったようで、我ながら、なかなかおいしい。ぱくぱく口に運んでいると、ラダックでよく食べていたサブジを思い出して、懐かしくなってしまった。インドでは、カリフラワーはカレーの具としてポピュラーな野菜で、夏場はレーの町でもよく食べられている。トレッキングで標高5000メートルの世界を旅していた時、ホースマンが晩飯に作ってくれたゴビ・サブジの、はらわたに沁みるうまさは忘れられない。

そうか、作ろうと思えば作れなくはないんだな、あの時の味が。標高はだいぶ違うけど(笑)。

続・抜け目ない古書店

今日も部屋で仕事。添削仕事の作業と、昨夜修正依頼のあった原稿の手直しを進める。晩飯を自炊する余裕がなくて、近所のマクドナルドでアイダホバーガーを食べてみたが、胃にもたれる‥‥。

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昨日のエントリーで、アマゾンのマーケットプレイスに出没する抜け目ない古書店について書いたところ、オンラインショップを経営している知人の方から「あれは、在庫状況や他の出品者の価格に応じて自動で価格を調整するソフトが出回ってるんですよ」という指摘を受けた。在庫切れになった本には定価の何倍もの価格をつけたり、他の出品者がいる場合は最安値にしたりするといった設定が、いくらでもできてしまうらしい。もしかしたらと思っていたが、そういうソフトが広範囲に出回ってしまっているとは‥‥。

まあ、僕自身は痛くも痒くもないので別にいいのだが、そんなソフトに頼って何がしかのお金を稼いだとして、はたして楽しいのだろうか‥‥?

Aside

ペンタックスのK-5リミテッドシルバーモデルが登場。それに併せて、DA Limitedレンズ3種類にもシルバーモデルがラインナップされた。どれも限定生産だけど、その姿にはなかなかそそられるものがある。危険(笑)。

K-5は、地味ながらもフォトグラファーの間では評価の高いカメラで、堅牢なボディには入念にシーリングが施されているし、マイナス10度でも問題なく動作する耐寒性能もある。ある意味、僕のような使い方には一番合っているカメラなのかも。

抜け目ない古書店

終日、部屋で仕事。文章添削の作業を進め、一段落したところで、これから書く本のプロットを検討する。頭の切り替えが難しい‥‥。

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これまでに何冊かの本に関わってきたこともあって、仕事の合間に、一日に一、二回ほど、アマゾンで自分が関係した本の在庫状況やランキングをチェックする習慣がついている。新刊の発売直後は、もっと頻繁に見るけど(笑)。たまにレビューのコメントがつけられていたりすると、素直に嬉しい。

そうしてアマゾンのページをチェックしていて気がついたのは、時々マーケットプレイスに出没する、ある古書店の奇妙な行動だ。新刊の在庫が少なくなったり、一時的になくなったりすると、その古書店はスッと現れて、古本に定価の二、三倍の値段をつけて出品する。誰かが焦って買うかもしれないのを狙っているのだろうか? しばらくして新刊の在庫が復活すると、件の古書店はスッと出品を引っ込める。

抜け目ないといえばそれまでだけど、考えてみれば、自分の手元に在庫がある本のページを巡回して、在庫切れの兆候がありそうなところをマメにチェックしているのだから、相当な労力を費やしているに違いない。そのエネルギーを、もうちょっと生産的な方面に使ってくれたらいいのに‥‥と、思わないでもない。

愉しむ気持

今日は割とのんびり。一昨日の打ち合わせの際にこちらで用意することになった、本の全体構成案を煮詰めていく。

僕は今まで、いろんなジャンルの本を作ってきたが、自分が特に好きなテーマの企画だと、どんな作業でも愉しいというか、文字通り、時を忘れて没頭してしまう。先月末に書いていたエッセイの原稿もそうだったし、今回の本(まだ作れるかどうかわからないけど)の作業もそう。本当に、愉しくて愉しくてたまらない。きっと、ニヤけた顔でモニタを見つめていたに違いない(笑)。

作り手がそうやって愉しむ気持を本に込めることができれば、それはきっと、読者にも届く。逆に言えば、作り手自身が何の思い入れも持たずに作った本には、たとえそれがどんな内容のものであろうと、一番大事なものが込められていないのだと思う。