いつもの日常

今日、もし停電になるとしたら朝の時間帯だったのだが、目が覚めた時には、もう終了時刻を過ぎていた(苦笑)。いつものようにラーメンを作って食べ、J-WAVEを聴きながら仕事。テレビのニュースは、もう見ない。必要な情報は、ラジオとTwitterがあればすぐに手に入るから。

夕方、外に出る。近所の家の庭では、盛りの過ぎた梅の花の代わりに、木蓮のつぼみがはちきれそうに膨らんでいた。どこの家からか、ピアノを弾く音が聴こえてくる。小さな公園では、小学生の女の子たちがフリスビーを投げて遊んでいる。いつもの何気ない日常が、そこにあった。

とよくにでうどんを食べてから家に戻ると、実家から送られてきた小包が届いた。「とりあえず家にあるものを中心に詰めた」という保存食。これだけあれば、血迷ってスーパーで買い占めしなくても十分(笑)。ありがとう。

Aside

東北関東大震災の被災者を支援するため、日本赤十字社が義援金の受付を開始している。現時点では、一般の方が被災者の方々を支援するのに一番確実な方法なので、ご協力をお願いします。

義援金窓口1 郵便局・ゆうちょ銀行
口座記号番号 00140-8-507
口座加入者名 日本赤十字社 東北関東大震災義援金
取扱期間 平成23年3月14日(月)~平成23年9月30日(金)
※郵便局窓口での取り扱いの場合、振替手数料は免除されます。
※郵便窓口でお受取りいただきました半券(受領証)は、大切に保管してください。
※通信欄にお名前、ご住所、お電話番号を記載してください。

義援金窓口2 クレジットカード・コンビニエンスストア・Pay-easy
詳細はこちら
※「寄付目的」の選択項目で、義援金名を指定してください。
※寄付金額は、2,000円以上から受け付けています。

担当窓口
日本赤十字社 東北関東大震災義援金担当
Tel: 03-3437-7081  E-mail: info@jrc.or.jp

ひと声かける

朝、偵察がてら、近所の大型スーパーへ。

開店間もない時間なのに、すごい人の数。野菜は普通にあるが、保存食になりそうなものは軒並み売り切れ。その一方で、冷凍食品はたくさん残っている。みんな、計画停電にかなりナーバスになっているのだろう。この季節なら、停電中に冷蔵庫を開け閉めさえしなければ、そんなに食品へのダメージはないのだが。キャベツ半分とブロッコリー、牛乳などを調達。

たくさんあるレジの前には、どこも長い行列ができていた。店内アナウンスは、交通網の混乱の影響で通常の六割の数のスタッフしかいない、と申し訳なさそうに告げていた。僕が並んでいる列のレジでは、併設のベーカリーショップから来た若い男性スタッフが、本業ではないレジ業務を必死になってこなしていた。僕の後ろのおばちゃん二人は、「変なレジに並んじゃったわねえ」と、心ないことをしゃべっていたけど‥‥。

僕の会計の順番が来て、ベーカリーショップの男性がおつりを渡そうとした時、僕は「がんばって!」と声をかけた。すると、憔悴していた彼の表情がパッと輝いて、「ありがとうございます!」と答えてくれた。

たったひとことのやりとり。でも、そういう些細なことでも、僕たちは気持を分け合える。

スーパーにかぎらず、飲食店や商店でも、交通網やライフラインの混乱に翻弄されながら、お客さんに笑顔を見せてくれている人がたくさんいる。そういう人たちに、僕たちからも「がんばって!」とひと声かけるようにしたら、きっとがんばれるのではないかと思う。お互いに。

停電に備えて

昨日の夜は、自分でもびっくりするほど、ぐっすり眠れた。外を歩いていても、街はすっかり平静を取り戻したかのように思える。お店はどこも開いているし、電車も時刻通りに運行していたし。

でも、明日から関東一帯では、電力の供給不足に伴って、計画停電が実施されることになった。各地域で、時間帯別に一日三時間ほど停電になるそうだ。明日は多分、いろんな面で、相当な混乱をきたすのではないかと思う。せめて、停電になる時間があらかじめきっちりわかっていればいいのだが‥‥。

僕の家では、いつも集中して仕事をしている時間帯のど真ん中で停電するので、その時はネットも使えないし、読書でもするしかないかな、と思っている。場合によっては、日が暮れてから停電になる地域もあるかもしれないが、当面、ろうそくは使わない方がいい。余震でろうそくが倒れると、火事につながるので。

もし夜に停電してしまった場合、周囲に話し相手になる人がいないと、たぶん、ものすごくヒマになると思う。そんな時はiPodを用意しておいて、音楽でも聴こう。僕が以前ラダックで暮らしていた時、停電は日常茶飯事で、丸一日電気が来ない日もざらだったのだが、iPodは暗闇の夜を過ごす時の良き友だった。

今度の計画停電がどのくらいの期間続くのかはわからないけど、まずはやってみるしかない。

日本人の底力

余震に何度か起こされつつも、四時間ほど眠ることができた。雲一つない、穏やかな小春日和。様子を見がてら、近所のコンビニに食糧を買いに行く。サンドイッチやおにぎり、弁当の類はきれいさっぱり在庫なし。パンとカップ焼きそばを買う。家に備蓄食糧は十分あるので、必要以上の買いだめはしない。

TwitterとFacebookをメインに、知人たちと互いの安否確認。みんな、おおむね無事に自宅に戻ったようだ。テレビでは、夜明けを迎えた被災地の惨状が次々と映し出されている。瓦礫の山と化した一帯に残った建物の屋上から、ヘリコプターで救助されている人々。どれだけ不安な一夜を過ごしたのかと思うと、胸が苦しくなる。

僕たちは今、第二次世界大戦以来、かつて経験したことのないほどの困難に直面している。日本という国の本当の底力が、これから試されようとしている。今の段階では、被災者の支援は災害救助のプロフェッショナルにお任せするより他にないけれど、今回の被災地が復興するまでには、長い長い時間がかかるはず。その間、同じ日本人の僕たちが、被災者の方々をしっかりと支えていかなければならない。

普段は冷たくてよそよそしくて、他人のことなんて気にしていないと思われがちな日本人。でも、昨日からネットで流れてくる情報を見ていてつくづく感じたのは、本当に多くの人々が、不自由に耐えながら秩序を守り、互いを気遣い、いたわりあっていたことだった。たぶん、僕たち日本人は、思っていたよりもずっと強い国民なのだと思う。

僕たちは、僕たちにできることを、がんばろう。