風の旅行社「風通信」No.42

風の旅行社が年に三回刊行している無料の情報誌「風通信」に、「もうひとつの居場所、ラダック」と題した4ページのフォトエッセイを寄稿しました。表紙の写真と目次の写真も提供しています。エッセイは完全書き下ろし。写真は「ラダックの風息」に掲載していないものを中心に選んでいます。

風通信」は、お問い合わせ用メールフォーム、または電話(東京0120-987-553、大阪0120-987-803)で風の旅行社に申し込むと、無料で送ってもらえるそうです。数に限りがあるそうなので、お早めにどうぞ。発送開始時期は、4月22日(金)頃の予定です。

飛行機雲

雲一つない青空。暖かくて気持のいい日和。コットンセーターにジージャンを羽織って、外に出かける。

午後、赤坂へ。懸案の本の企画について、編集者さんと打ち合わせ。企画のコンセプトを外すことなく、より実現の可能性が高い方向で検討を進めていくことで合意。先行きが不透明なことが多い世の中だけど、僕たちは、いい本を作る準備を整えることに集中する。今は、それがベストの選択肢なのだと思う。

三鷹駅から家まで歩いて帰る途中、ふと見上げると、茜色の空に、輝くひとすじの飛行機雲が伸びていくのが見えた。まるで、空をスパッとナイフで裂いたかのように。

ラジオの効用

震災が起こってから、テレビをふっつりと見なくなった。特に見たい番組があれば、あらかじめ予約タイマーをセットしておくのだが、以前のように、ニュース番組を流し見しながらパソコンをいじることはしなくなった。

今のテレビでは、ネガティブでセンセーショナルな映像ばかりがひたすら流され続けている。そんな映像ばかり見続けていると、いつのまにかこっちもマイナスの感情を溜め込んで、心にダメージを負ってしまうような気がするのだ。

その代わり、家にいる時はラジオをよく聴くようになった。ラジオでも、必要なニュースや情報(緊急地震速報とか)はきちんと手に入る。それに、テレビのニュース番組がともすると危機感を煽るような演出に走りがちなのに対し、ラジオのパーソナリティは、聴き手に寄り添い、励ますように語りかけてくれる。その距離感の近さが、今はとても心地よく感じられる。

今日からradiko.jpでは、bayfm78やNACK5、FMヨコハマなどが新たに加わり、iPhoneやパソコンでいろんな局の放送が気軽に楽しめるようになった。これからさらに、ラジオっ子になりそうな予感。

余震と春雷

昼間のうちに電話での打ち合わせ業務を終え、夕方、三鷹駅近くの歯医者へ。到着する直前になって、急に空がかき曇り、雷鳴が轟きはじめた。ひさびさの、雨らしい雨。

歯の治療を終えて外に出た時も、雨はまだ降り続いていた。バッグに折り畳み傘が入っていたのはラッキーだったが、気がかりなのは、昼間洗って干したばかりの洗濯物‥‥やれやれ。

他の用事をいくつか片付け、三鷹駅南口の一階にできた「つけめんTETSU」という店で、つけめんのあつもりを食べる。魚介豚骨系のとろみのあるつけ汁がおいしい。この店にいる間に、また余震が起こっていたようなのだが、とんと気づかなかった。鈍くなっているのかな、感覚が。

懸案の洗濯物は、とりあえず、無事だった。

桜の森の満開の下

午後、東小金井駅からぶらぶら歩いて、小金井公園に桜を見に行く。途中のコンビニでヱビス・ザ・ホップを買って。

この公園に花見をしに来たのは初めてだったのだが、江戸東京たてもの園の前に広がる満開の桜の森には、正直びっくりした。薄紅色の桜の花々が、まるで天井のように頭上を覆っている。傾く日射しを透かして、花弁がはらはらと舞い落ちる。そこらじゅうで酔いつぶれる花見客がまるで気にならないほど、美しい光景だった。

すっかりいい気分で桜を満喫し、東小金井駅近くの六甲山というお店でカキのお好み焼を堪能し、三鷹に移動してリトスタで飲み直した。心地よい、春の休日。