協調性がない

今さらと言っては何だが、僕には、協調性がない。

子供の頃から、誰かと一緒に何かをする団体行動は苦手だった。特に、明らかに信頼できない人が上の立場にいて、トンチンカンなことを強いられそうになると、あからさまに抵抗した。社会に出ても、そういう性分は変わらなかった。それでよく雑誌の編集者が務まったなと言われるが(苦笑)、編集者はまず自分の担当ページをきっちり守ることを優先するから、他の編集者との軋轢はさほど生じなかったのだ。‥‥まあ、それでも軋轢が生じた人もいたけど(笑)。

だから、フリーのライター&編集&たまにフォトグラファーという今の働き方は、心の狭い自分にすごく合っているなあと思う(笑)。クライアントにトンチンカンなことを強いられそうになったら、断ればいいだけ。収入は減るけど、心はすり減らない。自分自身が必死こいて働いた分だけしかお金が入ってこないというのも、ある意味、真っ当ですっきりしてるので、気に入っている。

この先も、大金持ちにはなれそうにないけど、ま、仕方ないか。協調性がないんだし(笑)。

レイアウトラフ

終日、部屋で仕事。今作っているラダックの本の、本編のレイアウトラフを描いていく。

レイアウトラフは、完全にそのまま誌面に反映されるわけではなく、デザイナーさんの裁量にお任せする部分も多々あるわけだが、それでも、映画で言えば絵コンテに相当する大事な部分。頭の中で実際に本をめくっている様をイメージしながら、慎重に検討して描いていく。最近はIllustratorなどを使ってデジタルでラフを描く人もいるが、僕は手描きの方が性に合う。リテイクも多いし(笑)。今回の本の場合、ある程度レイアウトラフを形にしておいてから、それに合う文字数で原稿を書いていくという手順になる。

夕方に郵便局にメール便を出しに出かけ、ついでにココイチでカツカレーを食べて帰り、再びラフ描きに没頭。気がつけば、日付が変わっていた‥‥。一人の戦い、まだまだ続く。

口パクという嘘

年の瀬になって、テレビで大がかりな歌番組が放映されることが多くなってきた。そういう番組をたまに横目で見ていて思うのは、実際には歌わず、口パクで出演している歌手が多いこと。特に、大人数で激しいダンスを踊るアイドル系グループの大半は口パクだ。

まあ、ぜいぜい息を切らしながらヨレヨレの生歌を聴かせるより、綺麗に整った音を流して口パクで合わせる方がリスクが少ないという、テレビ業界の常識みたいなものもあるのだとは思う。この間、某番組に出演していた国民的アイドルグループが、口パクのつもりで曲に入ったらボーカルが出てなくて、あわてて生歌に切り替えたものの、音程が「迷宮入り」して悲惨なことになったという、気の毒(?)なニュースも目にしたけど。

ただ、口パクはやっぱり、歌っているフリをしているという、嘘でしかない。そして嘘は、本当には人の心を動かすことはできないし、たとえ心を動かされた人がいたとしても、それはほとんど騙されているようなものだと思う。

歌手とかアーティストとか名乗るなら、正々堂々と歌ってみろや。

皆既月食

今夜は皆既月食。東京で暮らすようになってずいぶん経つが、こんなよく晴れた夜空で、しかも月齢が満月の時に皆既月食を目にしたのは、ちょっと記憶にない。ひさびさに三脚を据え付けてカメラをセットし、寒い中でブルブル震えながら、何枚か写真を撮ってみた。

子供の頃、父に買ってもらった天体望遠鏡をベランダに据えて、月や星を眺めていた時のことを、ふと思い出した。

英才教育

夜、吉祥寺のタイ料理店、アムリタ食堂で忘年会。参加者は、十年以上前に勤めていた職場の元同僚たち。大部分の人は、もうその会社には関わっていないのだが、こうして今も集まって他愛のない話に興じることができるのは、うれしいことだなあと思う。

今夜のスペシャルゲストは、参加者のご家族の一人娘、ひなちゃん(三歳)。リンゴジュースでダメな大人たちと乾杯し、小さなタイ国旗が飾られたお子様ディナーをもりもり食べて「おいし〜!」とご満悦。で、おなかいっぱいになったら「おうちに帰る〜!」と、これまた正直で大変よろしい(笑)。

ひなちゃんには着々と英才教育が施されている。以前お母さんがInstagramにアップした写真には、ひなちゃんが「お母さん、ロボット作ったの〜!」と披露した、青、赤、黄の三体の人型が映っていた。また、以前ひなちゃんが「あんたバカァ?」とお母さんに言ったので、「バカって誰が?」と訊いたら、「バカシンジに決まってるでしょ!」という返事が返ってきたそうだ。‥‥将来有望だ(笑)。

たぶん来年は、親子三人で「Q」を観に行くに違いない(笑)。