マルちゃん正麺

何日かに一度の割合で、おひるにインスタントラーメンを食べている。たいていはサッポロ一番の醤油味か味噌味で、キャベツなどの適当な野菜を一緒に茹で、生玉子を落とし、食べるラー油をちょっとかける。この組み合わせ、割と気に入っていて、ずいぶん長いこと習慣化している。

今日のおひるもラーメンにしたのだが、サッポロ一番ではなく、最近噂の、マルちゃん正麺を試してみた。値段もほぼ同じで、中身は乾燥麺と液体スープのみ。ほうれん草を刻んだのと一緒に茹でて、生玉子を入れるいつもの作り方にする。どんな味かと思ったら‥‥びっくりした。違う。全然違う。麺の食感も、スープの香ばしさも、予想のナナメ上を行くうまさだ。

この価格帯のインスタントラーメンは、コスト的にもそう凝った仕掛けはできないし、もう大きなイノベーションは起こらないのではと思っていたが‥‥見事にやられた、という感じ。人間、本気になれば、まだまだいくらでも工夫できるんだな。

明日も、ラーメン食べたくなってきた‥‥。

安売りはしない

昼、友人のライターとリトスタで会っておひるを食べる。同業者が集まると、当然のように互いの仕事の話になる(苦笑)。相変わらずの出版不況で、なかなか難しいねという結論にしかならないのだが。

まあでも、最近特に思うのは、景気が悪いからといって、自分の能力や自分が持っているコンテンツを、安売りすべきではないな、ということ。前にも同じようなことを書いたけど、きちんとした労働やコンテンツには、それにふさわしい対価が支払われるべきで、クライアントの懐具合などでその価値が決められてはいけないのだ。だから、多少の付き合いがあるからといって、あまりにもあんまりな条件を提示されたら、きっぱり断る勇気は必要だと思う。結局、それが自分の価値を守ることにつながるのだから。

というわけで、僕はもう安売りはしませんので、そこのところよろしく。

お気に入りのジーンズ

昼、編集者さんとの打ち合わせのため、都心へ。うららかな日和だけど、風はまだちょっと冷たいかも。ジーンズに長袖シャツを一枚着て、その上にコートを羽織って出かける。

真夏を除けば、僕は外を出歩く時、七割以上の確率でジーンズを穿く。高価なヴィンテージジーンズにはまったく興味ないけど、一度気に入ったら、同じ型のジーンズを何度も買ったりするたちだ。今までにハマったのは、リーバイスの502XX(レプリカ)と、今も持ってるリーの101Z(これもレプリカ)。で、現在一番お気に入りなのは、去年の秋に買ったフェローズの421SW

フェローズのこのジーンズの何がいいのかというと、デニムの風合いやゆったりした穿き心地もいいのだが、細かいところに遊び心がちりばめられていること。フロントの五つのボタンが全部違う種類だとか、ポケットにネルシャツのようなチェック柄の生地が使われてたりとか、思わず「むふふ」としてしまうディテールがとても気に入っている。

惜しむらくは、「見てみて、このジーンズ、すげーんだよー。ボタンが全部違う種類で、ポケットもネルで‥‥」と言いながらベルトを外して人に自慢しようとすると、間違いなく変態扱いされるということだ。残念。

戻ってきた静寂

先週取材した案件の原稿は、昨夜のうちにだいたい形にできたので、今日はガイドブックの方の作業。制作途中の地図をチェックしたり、本文のゲラをチェックしたり。目がショボショボする。気がつけば夜半過ぎ。

この三カ月間、僕をさんざん悩ませ続けていた近所の道路工事は、先週末にようやく完了したらしい。今日は水を打ったように、しーん、と静まり返っていた。ていうか、これが当たり前なんだよな、この界隈では。毎朝ドリルの振動とともに目覚め、パワーショベルが地面を掘り返す音でラジオも聴こえず、電話の打ち合わせがローラー車の轟音に遮られるような日々も、これで終わりだ。やれやれ。

しかし、武蔵野市にはほとほと愛想が尽きた。引っ越そうかな‥‥。

「伝える者」としての仕事

昨日の午後は、ジュレーラダック主催のトークイベントにゲストとして出演して、写真をスライドで見せながら話をした。持ち時間は30分だったのだが、結局、10分以上もオーバーして喋ってしまった。会場は思ってたよりも盛況で、終了後にも何人かのお客さんと話をさせていただいた。自宅からわざわざ僕の本を持ってきて、サインを依頼してくださった方も二人いて、何だかとても嬉しかった。

僕はライターで、編集者で、時々はフォトグラファーでもあるけれど、トークに関しては、技術的にもとてもプロとは言えないと思う。でも、トークイベントで人前に出る時は、いつも「これも大切な仕事だ」と自分に言い聞かせて、万全の準備をして臨むようにしている(今回はギャラは発生していないけど)。わざわざ時間を作って、遠路はるばる足を運んで、お金を払ってまで見に来てくれるお客さんに対して、いいかげんなことはできないし、したくない。ちょっとでも「見に来てよかったな」という気持を持って帰ってもらうために、全力を尽くす。それも、「伝える者」としての自分の仕事なのだと思う。

これからも、折々に機会があれば、そういう役割をきちんと果たしていきたいと思う。