「ソトコト」2014年3月号

「ソトコト」2014年3月号2月5日(水)発売の雑誌「ソトコト」2014年3月号の巻頭インタビュー「人の森」で、チベットやシッキム、ラダックなどのチベット文化圏で古い建築物の修繕などに取り組んでいる団体、チベット・ヘリテイジ・ファンドの代表を務める平子豊さんについての記事の企画・執筆を担当しました。同誌のサイトでも記事の一部を読むことができます。

つかの間の春

今日はびっくりするくらい暖かくて、うっかり桜が咲いてしまうんじゃないかと思えるほどだった。

午後、先週末に申請したビザを受け取りに、目黒のバングラデシュ大使館へ。隣国のビザでは今まで数えきれないほどのトラウマを抱えてるのだが(苦笑)、バングラのビザはすんなりともらえた。まあ、出発は十日後のはずなのに、未だに飛行機のEチケットが届かないのはどうかとは思うが。

大使館の後は、代官山蔦屋書店の森本さんとの打ち合わせ。ひさびさにお会いしたのだが、思っていた以上にお元気そうで、打ち合わせでも次々にアイデアを出していただいて、本当に助かる。森本さんに力添えしてもらえるのだから、いい本を作らなきゃな、と思う。

さて、今週は忙しいぞ。明日からまた寒さがぶり返すらしいし、うっかり風邪とかひかないようにしなければ。

お茶とコーヒーの道具

昨日、ひさしぶりに九品仏のD&DEPARTMENTに行って、コーノ式名門ドリッパーセットを買った。

自分でコーヒーをいれるようになって十年ほど経つが、当時から、ドリッパーとサーバーはずっとコーノ式。長年の使用でだいぶくたびれてきて、特にドリッパーにはコーヒーから出るガスの影響か、ひび割れが外側に達するほど目立つようになった。「ある日突然割れますよ」という友人からの忠告もあり、さすがにそうなると困るので、だったら前からずっと欲しかった、桜の木のハンドルがついたセットに買い替えちゃおう、と思ったのだ。

そんなわけで、今朝起きてコーヒーをいれる時は、本当にうっきうきだった。我ながら単純だなあと思うのだが、こういう普段使いの道具がすっきり整うと、気持もすかっと晴れやかになる気がする。ちょっと前に「北欧、暮らしの道具店」で買ったハリオのティーピッチャーも、家で紅茶や日本茶をちゃんといれて飲む楽しみを、あらためて思い出させてくれた。

お茶の道具も、コーヒーの道具も、それがなければどうにも生きていけないというものではないけど、あると気持を穏やかにしてくれる。必要なさ過ぎるものをありあまるほど持ちたいとはまったく思わないが、こんな風にちょこっと気持を豊かにしてくれるものなら、あってもいいんじゃないかな。はー。紅茶おいし。

固まる時は固まる

昨日の夜も早寝してどっぷり寝たので、体調はすっかり回復。今日は朝から、目黒にあるバングラデシュ大使館へ。昨夜、政府観光局からメールで届いたファム・ツアーのインビテーションレターを持参し、ビザの申請手続き。受付で急に「パスポートのコピーも出して」と言われたのには、ちょっとあわてた。近くにコンビニもなく、スーパーの二階にあるコピー機を見つけて事なきを得たけど。

来週の月曜までパスポートを預けることになり、そのまますぐ帰宅。昼過ぎに家に着くと、ものすごい数のメールが次から次へと着弾してきて、その返信に追われる。まあ、こちらからその前にたくさんお送りしてるので、当然の成り行きなのだが。でも、一通々々のメールの内容に、本当に励まされる。これをいい仕事に繋げなければ。

それ以外にも新たに取材の依頼も来たりして、来週の平日は、出歩く用事でほぼすっかり埋まってしまった。原稿を書く時間が‥‥やばい。仕事って、固まる時にはほんとに固まるなあ。来ない時はさっぱり来ないのに(苦笑)。ともあれ、バングラに旅立つまでに、何とかいろいろ片付けないと。

日帰りで新潟へ

昨日の朝は、午前三時半に起床。いつもなら、下手すると夜更かしして寝床に入るような時間だ。日帰りで新潟へ取材に行かなければならず、しかも現地での集合時間が朝の八時半とかだから、この時間に起きざるを得ない。

五時過ぎの中央線各駅停車に乗り、六時過ぎの上越新幹線で新潟へ出発。外はまだ真っ暗で、大宮を過ぎた頃からようやく朝日が射し染める。トンネルの出入りをくりかえし、越後湯沢にさしかかると、外の景色は一面の雪。えらいところにまで来てしまったと思ったが、長岡を過ぎると雪はほとんど消えて、ちょっと拍子抜けした。今年は雪が少ないそうだ。しかし新潟駅に降り立つと、ぞくぞくしてくるような寒さ。やはり北国だ。

駅の南口で依頼元の担当さんと待ち合わせ、車で取材先の大学へ。四人の先生にインタビュー。二人終えたところで、大学の学食でおひる。日替わり定食を頼むと、なぜかごはんをものすごい大盛りにしてくれた。大学の方曰く「ああ、それは学生に間違われましたね!」。またか‥‥(苦笑)。

夕方までに四人の取材を終え、へろへろな状態で新潟駅へ。これだけきつい思いをしに新潟まで来たからには、憂さ晴らしをせずにはいられない。駅の近くにある一軒の寿司屋に一人で入る。この界隈の寿司屋では、地魚を中心にした十種類のネタを使った「極み」という共通した名前のメニューがあるそうだ。その「極み」に地元の冷酒と小鉢と味噌汁をつけたものを注文。のっぺをつつきながら冷酒を飲んでると、すごいのが来た。やばい。とてつもなくうまい。冬の北陸で、とれとれの地魚を握ってもらうと、こんなにもうまいのか‥‥。全部合わせて3800円とか、安すぎる。

疲労困憊の上、空きっ腹に冷酒を流し込んだので、すっかりホロ酔い。それでも六時台の新幹線にぎりぎり乗れて、予想よりも一時間くらい早く、三鷹の家に戻ってこれた。とはいえ、身体はさすがによれよれで、今朝は昼過ぎまで前後不覚に寝ていた。もうあんまり無理がきかない年なのだな。