論理と熱意

午後、八王子で取材。三鷹から電車に乗ってすぐ、取材の開始時間が一時間ずれるという連絡が届く。間が悪いったらありゃしないが、仕方ない。八王子の駅前でしばらく時間をつぶす。

取材自体は、今日はまずまずうまくいったと思う。相手はものづくりについて教える立場の方々だったのだが、何かを作ること、それを教えることへの熱意と信念のようなものが、言葉の端々からびしびしと伝わってきた。そういう言葉は生きているし、力がある。ライターとしては書きがいのある取材になった。

以前、法律を教える立場の人が、法律を勉強すれば、プロの法律家にならなくても、社会のさまざまな場面で論理的で説得力のある言葉を操れるテクニックを身につけられる、という意味のことを言っていた。それも一理あるのかもしれないが、僕にはそれがあまり響かなかった。論理があれば、人は説得できるのかもしれない。でも、論理だけでは、本当の意味で人の心までは動かせない。心を動かすのは、熱意とか、信念とか、そういう形のない、でも誰の中にもあるはずのものではないだろうか。

結局、僕らはみんな、人間なのだから。

似たような展開

午後、四ッ谷近辺で取材。準備万端で臨んだのだが、一件目の取材が先方の都合で直前になってキャンセル。その他にもいろいろあってバタバタして、どんよりした気分で、目黒での打ち合わせへ。

新宿で山手線に乗り換えようとしたら、列車がホームに停まったまま動いていない。渋谷のあたりで、線路に人が立ち入ったとか何とか。春だねえ、とか言ってる場合ではない。打ち合わせに遅刻する!

そんなこんなで、自分で何かミスしたわけでもないのに、ほとほと疲れ切って家に帰り着く。そういえば、ついこの間も似たような感じの展開、あったなあ。やれやれだ。

旅が好きで、本が好きで

昨日は夕方に青山へ。BOOK246で開催された贈本市の終了間際の時間にすべりこみ、トークイベントなどを拝見。その後、閉店後の店内で催されたパーティーに出席させていただく。

店内は、出版社の関係者や写真家さんやイラストレーターさんや、本当にいろんな方々でごったがえしていたのだが、何というか‥‥とてもいい空間だった。みんな、旅が好きで、本が好きで、そういうものを作ったり売ったりするのが好きで。難しいことを四の五の言わなくても、それでいいじゃん、と思える。

旅好きと本好きに愛されたあの店は、明日を最後になくなってしまう。いつかまた、どこかで、ああいう場所が生まれてほしいと思う。

身体がなまる

終日、部屋で仕事。昨日の段階でかなりがんばって他の作業を進めておいたので、今日は大事な原稿にじっくり集中することができた。まずまず順調で、とりあえずほっとした。

それにしても、ここしばらく、身体がなまりになまっている。二月のバングラ取材の時は毎日カメラバッグを担いで歩き回ってたので、多少は身体も絞れていたのだが、今はすっかりゆるゆる。忙しすぎて太る余裕はないけど、まったくもってゆるゆるで、力が入らない感じなのだ。

この春は、かつて恒例だった自転車に乗ってのお花見にも行けなかったし(タイヤはもう空気が抜けてスカスカだ)、日帰りの山歩きにももちろん行けてない。どこかのタイミングでしっかり身体を動かしておかないと、何かしゃっきりしない。うーむ‥‥。

ゴールデンウイークは仕事三昧で東京に釘付けなのがほぼ決まりだけど、どこかに隙間を見つけられないかな。

不安とその克服

今日はひさびさに、一日家にいられる。昼の間に原稿を書き進めた後、夕方外に出て、散髪やら晩飯やらコーヒー豆の調達やらを二時間ですませると、家に戻って執筆再開。

特に書き仕事の場合、僕は、大変な作業を後回しにするより、なるべく早く終わらせてしまいたいと思うタイプだ。しんどいなあと思う作業を先送りにしてしまうと、それがまだ残ってることの方が気にかかって、不安にかられて集中できなくなってしまう。どのみちやるんだったら、先にそういうのをさっさと片付けてしまって、本当に集中したいことに気を散らさずに取り組める状況を作りたいのだ。

しかし今は、大変な作業が、あまりにも多すぎる‥‥。本当に乗り切れるのか、不安な日々は続く。